ハイフンとダーシの違いが君に分かるか 「英文サインのデザイン」を読みました

書名:英文サインのデザイン 利用者に伝わりやすい英文表示とは?
著者:小林章 田代眞理
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社
出版年:2019.10

内容紹介(版元ドットコムより引用)

日本の空港、駅、行政機関などの公共施設や観光関連施設などで見かける不自然な英文表示や分かりづらいサインデザイン。
英語情報だけが頼りの人の目線で今の日本を歩き回ると、とても困ることに気づきます。たとえば「STOP! 歩きタバコ」のような一部だけが英語の表示は、何を STOP しろと言われているのか読み手には伝わりません。また、一般の人には分かりにくい特殊な略語が使われているサイン、文字を左右から極端に縮小して非常に読みづらくなっているサインも増え続けています。
(中略)
本書は、欧文書体デザインと英文翻訳の専門家がそれぞれの視点から日本の英文表示の問題点を提起し、コンパクトでも伝わりやすい英文とその見せ方について解説します。実際に、元の文章の7割から半分程度の長さでも意味が伝わり、しかも元の見せ方より読みやすいデザインの具体例も示していきます。
(以下略)

なんでちょっとアレな英文サインができてしまうのか

日本に住んでいたら見たことはあるであろう、
・思いっきり圧縮されてシュッとなっちゃった英文サイン
・がっつり等幅な英文サイン
・謎に略された英文サイン などなど

あれすごいダサい.....そもそもターゲットである英語圏の人に優しくない代物なわけですが、なんでそんなものが生まれてしまうのか、そんなものを生まないためにはどうしたらいいのか、というのがテーマ(のはず)
だいぶざっくりまとめると以下の2点が原因なんだろうなと。

漢字&かなとアルファベットは根本的に違うところ多すぎ問題

・1単語の表現に必要なスペースがだいぶ違う
・等幅とプロポーショナルの分かり合えなさ
・上にも下にもニョキッとしてくるアルファベット

少なくともこのへんは理解しておかないとまずい。
ただ、これは結構テクニカルな問題なので、Frutigerさんの力を借りればまぁ何とかなることだったりします。真にヤバイのは......もう1つの原因......

英語圏のルール、わかってない問題

文法や話法だけでなく、小さなことも気になってしまうのが人間というもの。そして外の人間はその小さなことは気が付けないのです......例えば......

・なんでそこにスペースないねん問題
・なんでそこにスペース作るねん問題
・大文字鬱陶しいねん問題
・マヌケ引用符から漂う素人臭ヤバい問題
・横線3種類使えてへんで問題

などです。

ハイフンと半角ダーシ(別名ダッシュ)の違いなんて英語圏に旅行に行ったことすらない人間に分かるわけないだろ(超主観)

ここを埋められるかがいわば「本物」と「パクリ」の分かれ道なんだろうなと感じました。

やっぱり必要なのはプロの力

上述した細かい部分もですが、スペースに収めるためには単語の取捨選択がどうしても必要になってきます。
頼れるのは機械翻訳ではなく、プロの翻訳家さんです。
もし英文サインを作ることになったら、完成するその時までプロの力を借りましょう。

みたいな内容です。(ネタバレすぎかも......ごめんなさい)
かなり勉強になるので、このへん好きな人は読んでみてください。

気になったことのコーナー

・記号感の強いハングルやニョロニョロにしか見えない(ほんとすいません)アラビア文字とかはどうなんだろう?
・行間空けるだけでも随分マシになる説。
・というか、今の日本の公共サイン(特に駅)日・英・中・韓って情報量多すぎなのでは?結局英語だろ(主観)(台湾行った時、駅で中国語分からず英語を見て何とか動いた)
・サインのサイズは揃ってる方がいいでしょ派。この辺は生まれ育った環境が影響しそう。

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