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アトランタ・ドリーム⑩モックドラフト……ver1.1?


はじめに

さて、FA市場はほぼ片付いてしまったような雰囲気もありますね。
WNBAに関しては、ここからドラフトまで特に大きなイベントは起こらずに進んでいきます(まぁ、今年はオリンピックに向けた予選が現在絶賛開催中でありましたが、すみません。割愛します)
それじゃあ、まずは下の昨シーズンの順位表を見ていただきましょう。

さて、2/1からのFAも含め、現在の勢力図としてはどうなっているかというとざっくり下記の3つに分類されますかね
①優勝争い…エーシズ、リバティ、サン
②中間層…ウィングス、ドリーム、リンクス、ストーム、マーキュリー、フィーバー
③チーム再編…ミスティックス、スパークス、スカイ

個人的にフィーバーは②と③の間には入るかなとも思ってはいますが、一旦ここに入れさせていただきました。この辺の勢力図についてはまたいずれシーズンが動き出してからでも見直すことにしましょうかね。
ストームやマーキュリーはこのオフにベテランスター数名を補強してプレーオフに舞い戻るでしょうし、ウィングスやドリーム、リンクスもこのオフに主軸の選手たちにさらなる成長を与える様な補強をし、間違いなくチームをよくしていますね。

では、再編中のチームが補強できずにいるのが悪いかというと、全体を通してはそんなことはないと思います。無理に勝てるチームを作りに行こうとしても、練習やトレーニング等の環境含め、短い期間でトップに返り咲くのは今回一気に躍進したストームのように持っているチームは別として、通常は難儀するものでしょう。(それこそ、スカイも直近で優勝経験がありますが、こういう環境面での投資ができなかったことが今となってはよくなかったみたいな話を流し見しました)
それならば、王朝が終わり、次の王朝を目指すため虎視眈々と準備を重ねておくこともチーム運営としては悪くはないと思います。ストームやマーキュリーがチームの補強と引き換えに譲り渡したもの、それこそが高順位の指名権です。

ストームはスパークスに今年の4位指名権と高額の選手をスパークスに渡すことでキャップスペースに余裕を、マーキュリーはスカイに今年の3位指名権を含めた数本の指名権を引き換えに選手を獲得しております。
かくいうドリームも今回ジョーディン・カナダを獲得するトレードでスパークスに8位指名権をトレードしております。スパークスとしては既に自前で今年の2位指名権は既に持っていますから、上の二つのトレードも合わせると、今年だけでスパークスは全部使えば3人の1巡目ルーキーを迎えることになるわけですね。

一口に再編といっても、何もないところから積み上げていくのは途方もない時間がかかりますし、WNBAの経営上、そこまで長い期間の再建となればチームの運営自体に待ったがかかるケースもない話ではないですからね。


……さて、ようやくドラフトの話をする運びになりましたな。
WNBAのドラフトは4/15なので、そこまでは前置きのような頭が痛くなる話を考えずに、平穏な毎日が続いていくことでしょう。ということはまぁ、ドラフト回ですね。

ドリームが持っている指名権は下の三つですね
(12位、20位、32位)
25年の1巡目指名権はなかったので、今年の指名権を逃さなかったことは大きかったと思います。(詳細を確認していませんが、恐らくNBA同様にテッド・ステッピンルールが適用されているのだろうと思います。テッド・ステッピンルールとは、2年連続の1巡目指名権を放出できず、スワップ権のみ取引可能というものですね)

流石に私が全チームの全指名を考えるのは無理なので、かいつまんでこの12位の行方を考えていくこととしましょう。

候補生について

現状振り返り

とりあえず、現状のドリームのロスターが前回も書いた通りでこんな感じですね。

ここから振り返ると、私としては何点か思うところありますかね。
・とりあえずPFは足りている
・Cを長期的にどうするか
・ADとの契約がどうなるか

上から順にやっていってみますか。
ひとつめから行くと、とりあえずPFは溢れかえっています。全体的に若いチームですけど、平均年齢はここが一番若いですし、ディフェンスは上手だけどシュートは外角は難しい選手を2年連続でドラフト指名しているので、(Naz,Raeticia)仮に今後レティシアを5番起用する展開があったとしても、今年に関してはメンバーは十分じゃないかと思いますね。

ふたつめにいきますと長期的にCをどうするのかはひとつ焦点になりますかね。今はシャイエンもティナもいるのですが、シャイエンが今年31歳、ティナは35歳になりますから長い目で見るとこのポジションのドラフトはさもありなんというところですね。
昨年は控えCを務めていたイリアナ・ルパートが今年はオリンピックの開幕も相まってフランスリーグでの調整を行うとのことで今期は間違いなく戻ってこないので、そうなると代表でCをやっていたレティシアが実質的に4,5番の3人目となるのでしょう。
加えて言うならば、今年のルーキーよりもイリアナは若いですし代表としての経験値もありますから、チームも恐らくですが長期的な存在として見てはいるのだと思います。(本当の余談ですが、彼女自身も12位の指名なんですよね)
しかし、シャイエンもティナもイリアナもそうですが、サイズの問題は一つありますね。皆おおよそ6'4前後(ホークスで言えばデジャンテあたりのサイズ)ですが、リーグ全体的には各チーム一人くらいは6'6くらいのCがいますし、1人位はいてもいいのかなというのが感想です。

みっつ目にADとの契約に関しては今年の彼女はRFAで既にQO提出済みですから、まぁ、契約年数はいかほどかは置いておいても戻っては来ると思います。
フロントが長期的に契約できるかどうかに関しての考えはわかりませんが、単年契約で次がないような場合は、ここにルーキーをあてがうこともさもありなんという具合ですかね。

ここで触れなかったPG,SFがどうかというと、PGは二人とも若いですし、ここに足すなら、どちらかといえばDRobのような経験豊富なベテランのほうが合うような気がしますね。SFはあの二人差し置いてPTもらえるような選手が流石にいないんじゃないかということと、それを差し引いても12位というのがかなり選択肢を狭めますよね。元々持っていた8位ならあるいは落ちてくる選手を掴める可能性ありますけど、12位はそういうことができるのかどうかといわれるとまぁ不可能ではないですが、可能性は低めですよね。

じゃ、出てくるルーキーたちについても触れていきますかね

今年の市況感

2023年のドラフトは比較的色んなポジションの選手が出てきた印象ですが、今年は見ている限り2極化していますね。ガードか、インサイドか。
上位層はPGのケイトリン・クラークやペイジ・バッカーズ以外ほぼほぼインサイド圏の選手がtop5予想されているところが多いです。(あちこちのモックドラフトを覗いてみましたが、今年はSFは1巡目でも1人か2人程度の少なめの予想が上がっていますね)
(追記:ペイジ・バッカーズは今年は大学に戻る選択をしたようなので、ドラフトはされませんね。そうなると、上位に挙がってくるガードはケイトリン・クラークのみとなるでしょう。恐らく。)
12位前後となると、ガードの選手が多いか、あるいは現在2巡目で予想されているインサイドプレーヤーが繰り上げになるか、この2つが予想としては多いように見えました。
なので、私の上記の拙い振り返りと併せて考えていくと、恐らく狙うのは
・控えSG/PG(ハンドラーとしても起用できるとなおよい)
・控えC
・俺の想定を完全に裏切るPF

いわゆるワイバフのようなタイプが望ましいんでしょうかね。きっと

ということで、ようやく選手を何人かピックアップしていきましょう。

候補選手紹介

Charisma Osborne

ポジション:ガード。大学:UCLA。身長:5'9(=175cm)。
今シーズンスタッツ(15.2得点-4.2アシスト-4.9リバウンド-1.9スティール-0.3ブロック(FG%:42.2%,3pt%:36.1%)

まずはこの人ですかねぇ。
UCLAというと、前回紹介した新加入選手ではジョーディン・カナダが同大学ですね。ガードとしてはどこからでも点を取れる得点力、嗅覚と周りをよく見るディフェンス力は彼女を紹介するなら欠かせないポイントになるでしょうか。
昨年の大学4年生時もドラフト候補に名前は挙がっていましたが、大学に戻ってプレーすることを選択。NBAを追ってると、5年生……?年齢がなぁというところもあるかもしれませんが、意外とWNBAはちょくちょくいるので、そこはさしたる心配はしておりません。
チームの即戦力として起用するならありかなと思います。声もよく出るタイプですし、体の強さを活かしたリバウンドも取りに行けます。
今年5年目となる大学生活の中で、格段に外がうまくなったと思います。前年が29.2%だったところから、現在36.1%はキャリアハイになりますので。
アシストはガードとしてはやや物足りないかなと思いつつも、大学では毎年平均アシスト数をあげて、今期の4.2アシストも彼女の中でトップです。今期はオフボールからの動きも多く、外角も磨いている途中。スピードはそこまで早くはないですが、パワーを活かした中でのフィニッシュもあるので、コービー・バフキンのようなタイプかなと思います。
オフェンスではオンボールは基本ヘイリーが動かして、オフボールから彼女が動くところは目に浮かびますし、ディフェンスでは横からちょっかい出してスティールかましてくるタイプなのと、そこからトランジションに走るというところではチームとの親和性も高いかなと思っています。外が不得意なヘイリーに組ませても邪魔にはならないところもありかなと思いますね。
ちなみに余談ですが、スティール数を先輩のジョーディン・カナダが大学生時代はどうだったんだろうと思って調べたら、ルーキーから2スティール平均でたたき出しておりましたし、そこを下回る年がなかったので話の中に入れるのはやめました。

Elizabeth Kitley

ポジション:センター。大学:バージニア工科大。身長:6'6(=198㎝)
今シーズンスタッツ:22.8得点-1.8アシスト-11.7リバウンド-0.7スティール-2.0ブロック(FG%:54.4%,3pt%:40%)

正直12位でとれるかどうかといわれると難しい気はしながらも紹介。
と言いつつも、意外と穴場な存在なのでは、と思っております。上位は他の有力選手が跋扈していますし、下位になれば既にそのあたりのポジションは確保されてますからね。もし指名するとしたら、リンクスあたりかな…?枠がわかりませんけどね。
彼女の強みといえば、サイズと歩幅から繰り出されるステップでかわす技ありのオフェンスとミッドレンジまで伸ばせるストレッチ力ですね。
オフェンスでは左手のフックも上手にこなしますし、体格のみに頼らないステップやディフェンスのずらし方は見ていて思わずうなるものがありますね。ミッドレンジからのシュートも嫌がらずに撃つ点は近年のリーグのストレッチ化を見ると評価されていいポイントだなと思います。ドリームもシャイエンやティナ、イリアナといったストレッチビッグを欲しているチームなので、彼女がシュートレンジをうまく伸ばせればチームにはぴしゃりでハマると思います。
FT%も毎年確率をあげており、今年は76.1%を記録。上等ですね。
技ばっかり説明したので体を当てるのは苦手かと思われがちですが、ディフェンスでも今期平均2ブロックしていたり、パワーに欠けるタイプでもないと思います。
単純に今年のドラフトの上位層が分厚いことが今までどこのモックドラフトを見ても名前がない要因ですかね。今年5年生ではありますけど、そこが引っかかりなのか。
3pt%は1試合平均最大で0.2本なので、そこはさして当てにはならないですが、インサイドの補強としてはいいと思います。なかなかサイズとテクニックを両立させているタイプがなかなか少ないですから。

Georgia Amoore

ポジション:ポイントガード。大学:バージニア工科大。身長5'6(=168cm)
今シーズンスタッツ:17.6得点-7.4アシスト-2.8リバウンド-0.9スティール-0.4ブロック(FG%:40.5%,3pt%:32.5%)

前述したKitleyの相棒ですね。こちらはCharismaとは違う、攻撃型ガードです。ディフェンスが通用するかどうかの疑問符はあるものの、プレーメーカーとしての素質と強気な攻めはチームにいい影響をもたらせるかなと思いますね。スリーだけではなく、中に切り込んでの得点もできるので、オフェンスに関しては問題ないかなと思います。
一方気になるのがディフェンスで、こちらがどこまで改善できるかどうかが彼女の指名順位の振れ幅にも表れている気がしますね。全体的なTop5くらいまではどこのモックドラフトを見てもこの時期ほぼ確実になったと思いますけど、彼女がTop8までに入るのか、あるいは1巡目最後のほうまで残ることになるのか、もしくは2巡目にまで回るのか、そこがどうなるかは結構気にしておりますね。
あとはサイズがないのも大きいポイントでしょうか。リーグ全体的に大きいガードが増えてきているので、サイズのネックは決してないわけではないとは思いますが、一方ハンドリングは決して悪い選手ではないので、起用方法によっては活躍できるかなと思います。
Charismaのところでもヘイリーの話はしましたけど、Georgiaもヘイリーのディフェンスに救われるタイプかなと思いますし、オフェンスのクリエイターがもう一人いると、出来ることも増えますからね。

後名前がいいですよね。アトランタはジョージア州にあるので、Georgia、ファンに愛されると思うんですよ。

Alissa Pilli

ポジション:パワーフォワード、大学:ユタ州立大。身長6'2(=188cm)
今シーズンスタッツ:21.7得点-2.4アシスト-5.8リバウンド-1.0スティール-0.9ブロック(FG%:56.8%,3pt%:40.4%)

流石にPFはないだろうと思いつつ、とはいえ急激にランクを上げてきている彼女を紹介しないわけにもいかないなと思い、1枠あけておりました。エンジェル・リースの話もしようかと思ったんですけど、流石に12位まで落ちてくることはないと踏んでいるので、また全体的なモックドラフトが動いた時に彼女の名前があったら別枠で残しておきましょう。
さて、彼女の魅力はというと、リム周りの判断力、外角の確率の良さ、体の強さですね。
サイズも6'2とPFとしては小さい方ながらもパワープレーを得意としたスタイルでの点が取れるかと思いきや、機敏な動きもできますし、外にも出ていけるのは明確な強みですね。彼女がユタ州立大学に転校してから2年ですが、2年とも40%越えの3pt%ですね。1年目に関しては試投数が1試合平均2.2本でしたが、今年は平均4.2本撃って1.7本成功しています。平均1.7本成功は彼女のキャリアハイとなっておりますし、ストレッチ・フォーはどのチームにもフィットすることになるでしょう。
彼女のパワーとフィジカルがWNBAで通用するかどうかという点はあるものの、なかなか面白いと思います。彼女であれば現在のロスターでも外角という明確なオプションで差別化できるでしょうからね。そうなったときはレティシアが明確に5番として動き出すのではないかと思う次第です。

さて、とりあえず今回はこんなもんですかね。次回更新があるとすれば、2月のトレードで入れ替わった指名権が整理された状態以降かつドラフトに出るor大学に戻るの2択がもう少し明確になっているでしょうから、もっと精度の高いモックドラフトがあちこちから出てくるでしょう。

WNBAのオフシーズンの動きもさることながら、今年のドラフトもなかなか面白いことになりそうだなと思うおこめでした。
それではまた次回。Do It For The Dream!!!!

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