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アトランタ・ドリーム⑦ Once a Dream, The Next Dream


……終わっちゃったな

 5年ぶりのプレーオフ。その夢はあっという間に終わってしまいました。今はセミファイナル真っ盛りですが、ドリームを下したウィングスもエーシズの高い壁を崩すことができず、敗退が決まってしまいました。なんて先の長い道のり。なんて険しい道のり。改めてそう思います。
 だって、強かったよ。ウィングスもふつーにさ。なんならあのサイズとディフェンスの強さに歯が立たなかったもんな。それでも、それをあっさり超えていくエーシズって強すぎやしないかそれ。
 でも立ち返ってみると、道は険しいながら、できたことは多かった。そう思いたいですね。再建して5年間のなかでトップ層の指名権からしっかりとチームのコアを選び抜き、そしてともすればWNBAの歴史に名を連ねる選手、ライン・ハワードを主軸に据えることもできました。そしてオールスター級の選手を引っ張ってきて、見事にプレーオフに返り咲いた。それも街全体を巻き込んで。
 本当にこの数年、アトランタという街でのスポーツチームは盛り上がってきたなと感じます。まぁ、ブレーブスはそもそもが強いので別格扱いとしても、ホークスだってよく言いますが5,6年前なんてホークスホームのくせにホークスジャージがいない謎のアリーナで有名でしたが、今ではそれがどうなんだいと。あんなに熱いファンたちが次から次に湧いて出てきている。今までは始球式だけ出たら行かねーとか、アトランタのチーム自体の交流も少ないような印象でしたが、ついには選手たちが来てくれたり、こちらから出向いたりするような、そんな関係が構築されつつありますね。ドリームもそうです。再建中はなかなか見向きもされなかったところもありましたが、それでもライン筆頭に盛り立てていき、今年はリーグトップの集客ができた。これもまた、一つの夢の叶った形だと思ってます。

来期のサラリー、契約状況

 さて、そして次の夢へ、向かっていくわけです。多分NBAのシーズン中にこの話を思い出して出来るか自信がなかったので、ここでこのカードを切ってしまうんですが、こちらが来期のドリームのサラリー表です。


 ということで、以前も話した通りルーキー契約中は契約が保証されていないということがあるので、契約保証されているのは、シェイエン、アリシャ、エアリの3名(エアリは来年制限つきFAになるので25年以降の再契約交渉が起こり得る)。見たことのある名前が大分少なくなり、比率としてルーキーは多く残っているのがよくわかります。途中離脱したニアも、随所で活躍してくれたD-Robやモニカ、ADともお別れの可能性がありますね。シェイエンの年齢を鑑みると、Cの後継者についても考えておかなければならないでしょう。
 あとは来シーズンの1巡目(8位)指名の選手。現状既に若い選手で溢れかえっていますが、フロントとしてはどのポジションを取りに行くのか、そのあたりでも誰を残す、残さないというのも見え隠れするのかなと思っています。インサイドは溢れかえってるのでほしいところで言えばウィングの選手が欲しいですが、ヘイリーをウィングとして換算するならガードかしら…?
 なんにしても来期に向けてはスターティングクラスのPGの補強は必須といっても過言ではないのかなと。エアリ、ヘイリーをあてにしていないわけではないものの、このポジションでゲームを落ち着かせてボールを回せる司令塔は欲しいなあと個人的に思いました。アリシャ、ライン以外でもPGで得点力があれば……っていうのは今期感じたところでもあります。恐らく私の頭がエーシズのジャッキーに支配されてしまっているからかもしれません笑
 加えて、現状のルーキーたちで不足とみればインサイドの補強にも一部乗り出すこととなるでしょう。インサイドは個人的には今の若い選手たち+ニアで繋いでいってほしい気持ちが強いですが、それでもニアが抜けるとなったとき、そのディフェンスと外角のオプションが消えるのが相当痛いですね。その補強をどうするのかという明確なアイディアにもつながりにくいところ。
 おこめ的にはベンチスコアラーで1枚欲しいですね。ローテーションしてアリシャかラインがコートにいるとはいえ、もう1枚オプションがあると、中が攻めやすかったりするのになあとは思っています。ホークスで言う、デジャントレイとボギーのようなタイプの選手が欲しい。まぁ、ボギーがベンチから出てくるのは正直反則チックだと思ってますが。

インタビュー訳

 シーズン終了時のアリシャとラインのインタビューがあったので、訳しました。お納めください。

 アリシャ、アトランタで初めてのシーズンでしたが、今期を振り返ってどんな感想ですか
『ただ感謝したい。ここに来て、私は私らしくいられたし、今までよりもずっと自由を感じていた。とても楽しかったことに感謝したい』

このオフシーズンはどんなことをする予定ですか
ライン『まずはワークアウト。この職業で重要なのは選手としての成長なので。それからゴルフかな』
アリシャ『ジョージア州にレストランをオープンする予定なんだ。それを形にして、それからラインとゴルフに行くこと』

ライン、昨シーズンと比べてもけた外れの成長を見せ、多くの記録を塗り替えてきました。シーズンが終わって、振り返ってみての感想をお願いできますか
『昔がどうだったかを言うつもりはないけど、今期は確実に大きな躍進の年だったし、正しい方へと進んでいると思ってる。今2年目を終え、プレーオフの舞台に立つこともできた。これを続けることを楽しみにしているし、そうできると思っている』

アリシャ、今期の初めの頃にコーチにどうしてあなたがこれほど高いレベルでバスケを出来ているかを尋ねた時に、あなたへの相手のディフェンスがざるだと仰っていました。あなた自身はこのシーズンを通じて思っていたことはありますか?
『特に何も。だって私がコートに出たら、私のベストを尽くすだけ。考えなしにプレーすることだから。コートに出たら頭の中にあるのはそれ位かな。ただ、思うに勿論自由にプレーできてたのもそうだけど、それだけじゃないと思うよ』

ライン、今期は2度目のオールスターに初のプレーオフ、そして40得点を記録しました。色々なことがありましたが、今期一番記憶に残った出来事を教えてください。
『多分40得点記録したとき。あの試合はチームメイト全員が私が何かやってのけるってのをわかってたと思ってる。チームメイトたちも私のやりたいようにさせてくれたし、託してくれた。私にできることを見せてほしいとも言ってくれた。誰とプレーしても楽しくて、彼女たちと一緒に入れることはいつでも楽しい。特にホームコートでプレーするときは、ファンが私たちに夢中になってることはよくわかってるからすごく楽しい。40得点はシーズン中の求められたときにあの試合ができたというのが大きいし、それ以外の時間も全部がとても楽しい時間だった』

ライン、ドリームに来て2年目、チームを支えることはどれだけの意味があなたにありましたか
『長らく逃していたプレーオフに出れたことは非常に意味のあることだと思う。私たちがそれを成し遂げられた理由は私がこのチームと契約したことでもあるし、タニーシャやダン(GMのダン・パドオーバー氏)が私をここに連れてきてくれたことでもある』

ライン、あなたが心底勝ちたがっているのは我々皆知っていますが、来年はどういったプレーを我々に見せてくれますか
『私は自分自身をガードとしては脅威だと思っている。私にできることをとにかくこなしていきたいと考える。このリーグが今後続いていく中でもガードとしての成功は大きいものになると思っている』

お二人に伺いたいのはチームとして、あるいは個人としていくつか覚えているハイライトがあれば伺いたいです。
アリシャ『個人的なことだと初めてオールスターに選ばれたことかな。チームとしてはやっぱりプレーオフに出たこと。来年は今年よりもいっぱい勝ちたいね。だよね?』
ライン『笑(急に話題を振られて笑うライン)。言いたいことはいっぱいあるけど、今期は勝利後の水浴びせ合戦が一番記憶に残ってるなぁ笑。私たちの力がゲームを面白くさせたことも確かなことだと思う』

アリシャ、このチームはリーグの中でも非常に特殊なチームとして今年は見せてもらっていた。何が特殊にさせているのだろうか。
『友情かな。いつだって一緒に立ち向かったし、皆前向きな人ばっかりだった。ひどい負け方をしても、チームのみんながいるから大分ましな気持ちになれた』

ライン、今年は何を学んだ年になった?
『去年はエリカ・ウィーラーがいてヴォーカルリーダーを担ってくれていたけど、今年はそうじゃなかったから、私が声を出して皆を引っ張ろうという風に考えていた。そういうリーダー的な役割を担わせてもらえたのが今年で、これを学ぶいい年になった』 

個人的反省

もうちょっとインタビューとかやってもよかったかなあと思って。まぁ、今年は貯め込んでたのであれですが、来年はもう少しまともに何戦かインタビューを拾いたいですね。あと、公式があげてるメディアデーはレアなので、それも。

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