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【復刻版】例えまぐれだとしても


はじめに

かつて、ウェスリー・マシューズはメディアデーの際に、自身のチームにおける目標を聞かれてこう答えました。
『勿論このチームの選手たちには私にできないことをやってのける選手たちもいますが、私は彼らにはそうであってもらわなければなりません。だって勝ちたいですからね。それが私の考え方です。ぜひ知っていただけたらと思いますね。それぞれが勝つ理由となる大きな役割を果たす試合は必ず来ますよ。それはトレントかもしれないし、トレイかもしれないし、他の誰かになるかもしれませんが、私はただその瞬間に向けて突き進んでいっているだけです』

以降、説明は不要……ですよね?

Quin Snyder

試合を振り返って
『若い選手たちはトレーニングキャンプのなかでそれほど多くの反復の時間を得られていないと思っている。それは後半のプレーで多く現れているものでもあるが、全体的に見て我々はいくつかのよいものを期待していたと思うし、それが彼らを起用する理由だ。フィルムを見て鍛練を重ねて、もっとよくなる機会は存分にある』

今あるプレーでどのくらいプレーの良し悪しに選り分けが出来るでしょうか 『いくらかはいいプレーがあったと思う。フィルムを見直してみてよいと思うこともあるだろうし、何が起きているかをもう少し詳しく知ることも出来るだろう。我々は昨期から引き継いだものと強調してきたものがある。今日の試合でも自分たちの習慣で動いたものと本能的にそう動いたものとの区分けが出来るようになる。以前言ったようにこの移行には非常に時間を要する。そして、選手たちが自分のプレーに感触を掴むのはいいことだと思う。やはり練習と実戦ではそこにもまた大きな違いがあるからだ。今日はチームでいいプレーが出来ていた、私はそう思うね』

今日はチームとしてフリースローラインに立つことも多かったですが、今まで以上に体をはるプレーをシーズン中求めていくのでしょうか
『以前にも言ったように、私は彼らにスペーシングを求めている。そのスペースこそ、ドライブし相手ディフェンスの亀裂に食い込む楔のような役割を果たすんだ。今日の試合ではまさにそれが起きたということだ。そして今日よかったそれらのプレーは継続的に使っていく必要がある。我々はスリーを狙うのが大好きなチームだが、リムこそファウルに繋がるプレーは起こりやすい』

チームは新しいエネルギーを見つけたようだね。前半のサディックのプレーはチームに勢いをもたらしたように見えた。ディフェンスでも素晴らしい強さが見られましたね
『ディフェンスでも競い合えていたと思うよ。そして、見た通りだが、どこで相手が弱みを見せるかわかっていたかのようだった。今は連戦が多いのであまり練習する時間はないが、もっとよくするために別の手段を見出ださねばならない』

今夜、ドレやボギーが欠場した理由は
『いや、我々は準備万端だった。木曜日には同じくまた何人かを休ませるだろう。これはプレシーズンだ。5日で3試合消化する日程だからこそ、こういうものも必要になる。だからこそ前半で何人かを締め出した。君が言ったように16人がコートに出て競い合った。プレシーズンではそうやって今夜求められているものを出せるかというチャンスが等しく与えられる。私が課したものを守ってプレーが出来るかどうか、それを見守ったに過ぎない。彼らが競いあい、そして、勝利を飾ったのは楽しかったよ』

さっきそこであなたとコービーと話しているのを見ました。それからウェスも試合中にコービーにタイムアウト中なにか声をかけていました。最初の試合、あなたには彼がどう見えましたか
『彼は試合に対して非常によい感覚を有していると思った。それから私は彼に高いハードルを課しているがご存じの通り、彼にはそれが出来ると思っている。彼が出来ることをただ見ている。ディフェンスもよかった。我々スタッフは選手たちに特定のことを求めている。コービーにもそうだ。彼がリムに切り込んだようにいくつかのいい読みを見せた。彼はあの場面から得点だけじゃなく周りも活かせる』

前半はスターターたちが、後半は若者主体のゲームでした。今日のゲームプランはどういったものでしたか?
『様々な要因が含まれていることは周知の通りだろう。ディフェンスでは我々のトランジションディフェンスをもっと改善する必要があるし、攻守で素早く状況把握できるようになること、それから速やかにディフェンスに戻ることが肝要となる。今日は我々が思ったよりもトランジションでリムを攻めることが出来たし、スリーも狙うことが出来た。我々はチームとして一丸となってプレーしていた。オフェンスではもっと本能的にお互いを絶えず探し続けるべきだと思うよ』

Saddiq Bey

今夜のディフェンスについて話をうかがいたいのですが、ポストでの自身の状況、とりわけモーブリーのような選手との対戦について。それから、この夏はパワーの源として何を取り組んでいましたか
『ただ精神的に、肉体的に、すべてに集中していた。最高になることだけを考えていた。俺はフロアのどっちでも出来るけど、ディフェンスが第一だ。よいオフェンスを始めるためにディフェンスをきっちりやる。俺のサイズを使うことだって出来るし、ディフェンスは俺にとって大事なものだ』

あなたのオフェンスとフィジカルにプレーできる方法について伺いたいです
『俺達のチームにはシューターが多くいるし、たくさん点をとれるから、俺が思うに中を攻めて、シュートを決めることは相手にプレッシャーをかけることが出来ると思ってる。そのおかげでより周りがシュートを打ちやすくなるし、もし俺達が外一辺倒のチームなら止めるのは簡単だろうから、俺達としてはペイントに入り込んでそこを起点にプレーしようとしている。それを高いレベルでやることはスナイダーHCの戦略ともうまく行くと思ってる』

スナイダーHCはオフェンスは利己的であってはならないという考えを説いてきているが、皆はどうやってそのバランスを見つけているのだろう
『本当にいいバランスなんだよな。練習中もかなり考えてて、それが結果としていいプレーに繋がってるんだ。俺達はそれを何回も繰り返して身につけていく所だよ。これはなんだろうな。友情とか、チームとしての結束とか、あるいは試合の流れだったり。そういうのを考えるためにこのプレシーズンがあるわけだから、とにかく反復して自分達のものにしたいよな。いつも自分達が練習相手だから実戦は全然違うことに挑める。このプレシーズンが終わる頃にはもっとよくなるだろうね』

あなたは昨期途中からの加入だったが既にチームの変化に気付いているように見える。チームの結束という観点からこのチームでは加入当時とどんな違いがある?
『最高だ。この夏の間ずっと新しいコーチングスタッフたちと組んできた。コーチングスタッフとチームの何人かとね。俺にとってはまた新しい局面にいるわけだけど、夏の間ここにきて、新しいコーチから何かを学ぶのは初めてのことだ。皆に溶け込むことが出来て、すごくいいよ』

Trent Forrest

試合が終わったけどどのように君達は逆転の糸口を掴みそれを体現したのだろう
『最後に何本か止めることを狙ってたし、実際止めることが出来たのが大きい。俺達は最後まで積極的に攻め続けた。それが功を奏したと思う』

試合を決めたあのシュートでベンチからも選手が飛び出してきたのをどう思いましたか?
『よかったよね。俺達がどんなチームかを示した一幕だと思う。俺達は皆近しいんだ。お互いがその距離感に幸せを感じてるくらいにね。このシーズンが始まったなかでも俺達にとって大きい瞬間だったと思う』

正直あの状況からまさか勝つとは思ってませんでした。ベンチではどんなやり取りがあったのでしょう。
『クインは俺達に積極的にいけと言ってくれた。それくらいかな』

ルーキーのコービー、セス、モーについてどう思いましたか
『あいつらは良くなる。もっとよくなると思うよ。俺達にはいいルーキーたちがいると思う。彼らはいつだって一生懸命だし、決して恥ずかしがり屋なんかじゃない。彼らがひとたびコートに出たら皆撃つべきときに撃ち抜ける選手だ。俺にはあいつらはプレーすればするほど、経験を積めば積むほどいい選手になっていくような、そんな気がしているんだ。勿論全員が全員うまく行くキャリアを歩めるかどうかはわからない、それでも今夜の彼らはよくやったろ』

今夜の試合から得られた経験は何だと思いますか
『チーム全体のディフェンスかな。それはこの試合でもそうだったように大きな糧になったよね。このトレーニングキャンプで重点を置かれているものでもあるし、今夜そうだったように俺達のディフェンスが結束したとき、かなり優れていることもわかった。これから得られたことは俺達が正しい方にしっかりと歩いていけば、このディフェンスに更に磨きをかけられるようになるってことだ』

ディフェンスに触れましたがチームが正しい判断をするためにどのように一貫した選択をしているのか
『クインはトレーニングキャンプ中にこうした判断について理解を深めて欲しいと俺達に言ったんだ。ほんの些細なことでも彼は気付いたし、指摘もした。少しでもディフェンスの位置が違ったら彼はドリルを止めてまで必ずやり直しをさせてから再開した。彼と共に成長していくんだから、よくなっていく自信はある。それに俺達にはウェスやパティのような頼れるベテランもいる。若い選手たちも含め皆が正しいプレーを続けられる。俺達はそこにスティールだったり早くプレーすることを組み立てられる。それが俺達の目指すものだ』

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