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サッカーを1ミリも理解していない伏見ガクのオタクがIAIスタジアムに応援に行った話


■はじめに

今回の内容は2023年5月24日に行われたルヴァンカップ清水エスパルスVS湘南ベルマーレの試合観戦について、グルメと応援についてをメインに書いたレポです。試合運びについてはほとんど触れておりませんのでご了承ください。

また、これを書いた人間はサッカーのルール理解が義務教育で止まっており、未だにボールを蹴ってゴールに入れると点が入るという認識の初心者です。
記事内でも言及しておりますが「そんなことある!?」といった大ポカを多種やらかしております。
お恥ずかしいかぎりですが、どうか温かな目で見ていただけると幸いです。

身バレ防止の為に細かいフェイクを入れさせて頂いております。
詳しい方が見れば「変だぞ?」と思われる内容もあるかと思いますが、ご容赦ください。

先に結論から書かせてください。

ありがとう清水エスパルス!
ありがとうサポータの皆さん!
そしてありがとう伏見ガク!!
初サッカー観戦めちゃくちゃ楽しかったよ!!!

そんな感謝と楽しかった思い出を詰め込んで書かせていただいております。

選手のフラッグ かっこよろし

■なぜ今なのか

この記事の公開にあたって悩んだことが1つあります。何を隠そうこの観戦、1年前なんですよね。
1年前、書き切れなかった記事を今更公開する必要はあるのか。
しかし、2024年も嬉しいことにJリーグコラボの開催が決定し、しかも応援メンバーが替わるということで、さらなる盛り上がりが期待されます。
今後絶対にJ1に上がるエスパルスもきっとまたにじさんじとコラボして頂く機会があるでしょう。
そんなときに新規の方にこんな楽しい場所なんだよということが少しでも伝わるものが残ればという気持ちで公開を決意しました。

また、正直こっちがメインとも言えるのですが、2024年4月20日の明治安田J2リーグ、清水エスパルスVSベガルタ仙台に約1年ぶりの現地参戦をするということで、このテンションハイで書き上げなければ永遠にこれは日の目を見ないと腹をくくったからでもあります。
2回目のアイスタ本当に楽しみです。

■いざ、アイスタへ

そもそもなぜ2023年にアイスタへ行こうと思い立ったのか。きっかけはやはり2023年も行われた、第2回にじさんじJ1コラボでした。
実はこの記事を書いている人間は伏見ガクにはまって現在1年半程度と日が浅く(行った時は7ヶ月くらい)、したがって2022年のにじJ1コラボも存在は知りつつも「そんなコラボもあったんだ~」程度の認識でした。なんなら推しがそのコラボにいたことすら知りませんでした。

しかし、2023年のJ1コラボが始まり、ちらちらとTLに流れてくる「清水エスパルス」の文字。先輩アクターさんたちの残念そうなツイート。なるほど、察するに2022年はガクくんと清水エスパルスさんがコラボしていて、しかも良い結果に終わったわけですね?
そんなふんわりとした理解でTwitter(現:X)で検索をかけたところ、まあでるわでるわ、わっさわっさと先人の皆様の感想、note、行く際の注意点まとめ等が表示されてびっくりしました。

そのどれもが好意的で、アクターさんとエスパルスサポーターの皆さんが互いに歩み寄って交流している様子が見て取れて勝手に嬉しくなりました。同時になぜ2022年にハマっていなかったのかと歯がみしました。今でも本気で悔しいです。

そんな時目に入ったアクターさんのアイスタ行ったよ!という記事。日付は2023年当時の直近のもの。Twitterで検索をかけてみれば、未だにガクくんのことを気にかけてくださっているエスパルスサポーターさんや、逆にエスパルスを応援しているアクターさん。そして、コラボは終わっているのに試合の結果内容にいいねしたり、RTしたりしているガクくん。

そうだ、考えてみればコラボとはファンの入り口を広げるために行う側面が大きいわけで、つまり今から行ってもなんら問題ないのでは?
というか純粋にエスパルスの試合応援に行ってみたい!

というわけで、そうと決まれば思い立ったが吉日!さっそく直近の試合のチケットを取り、気づけば決戦の地清水に降り立っていました。

■アイスタにつくまで

さて清水の地についてからまず第1の関門、アイスタにたどり着けるのか。
というのも極度の方向音痴のため、自信満々に歩き出したら逆方向ということが往々にして起こるんですね。
地図や情報サイトとにらめっこしつつの移動。

しかしそんな心配もつかの間、アイスタに近付くにつれてちらほらと見えてくるオレンジの人々。ユニホームを着たちっちゃい子がご両親に手を引かれて坂を登っていく姿が見えます。
平日の夕方とは思えない人の数とライブ前に似た緊張や興奮をはらんだざわめきに一気にわくわくしてきました。

坂の途中から見えた清水エスパルスと湘南ベルマーレの旗

列に紛れててくてく坂道を歩くこと10分ちょっと、見えてくる旗と、山上の要塞のようなスタジアムの外観に着く前からテンション上がりっぱなしでした。意気揚々と階段を登ったり坂を踏みしめたりして会場に近付くにつれ、ふと鼻をかすめる香ばしいにおい。これは、ポップコーン!?フランクフルト!!??なんでサッカー会場からお祭りのような匂いが!!??

私自身お祭りが大好きなタイプの人間なので、動揺と共に子供のころよく500円玉を握りしめて向かった近所のお祭りを思い出し、ぐんぐんと期待感がわいてくるのを感じていました。
また、もうこの時点でだいぶお腹が減っていたため急ぎ足になると、突如青々と茂っていた木々が開けて会場が見えてきます。

アイスタだ!

■場外散策

視界が開けた先には、見渡す限りオレンジの人、人、人!!
坂を登る途中でも人の多さは感じていましたが、会場に入るとそれどころではない人と熱気でした。
山の上ですので初夏の夕方は冷えるのですが、それどころではない湧き上がるようなわくわく感が胸を突き動かします。
例えるなら初めて見る映画の視聴前に友人と小声で話している時間のような、好きなキャラがソシャゲで実装されてガチャ引く前の緊張感のような、そのどれとも近しくて違った期待感。
こんなものが期間中は週に1回程度のペースで行われているなんて本当だろうか?半年に一回とかの熱狂じゃなくて?通常運転?と思わずうなってしまうほどでした。

平日の夕方にどこからこんなに人をかき集めてきたのか。
まだ外会場なのにそこかしこにいらっしゃるサポーターさんと漂う美味しそうな匂い。用意された様々なブース。行き交う楽しげな人々。
ここにきて私は理解しました。なるほど、サッカー観戦とは祭りなんだな??
そんなものお祭り大好きな人間の血が騒がないわけがなく、ウッキウキで場内散策に向かいました。ただ空気を吸っていろいろ見ているだけでも無限に楽しかったです。

アイスタですよぱぺガクさん!!

買い物

まずやって来たのがエスパルスストアです。
ユニフォームやタオルは標準装備、加えてパルちゃんの帽子、トートバック、文房具やキーホルダーまで!
一番目を引かれたのはパルちゃん巾着でしたね。内容量よりもパルちゃんのお顔の方が大きいのではないか?それが良い。
ガクくんが月初めを除く毎週金曜日の朝に行っている配信、「おはガク」内でもエスパルスサポーターさんによるパルちゃんグッズが時折見られ、毎回ニコニコしていたのですがこんなに種類があると思わず度肝を抜かれました。
ネット通販もあるらしい。品揃えがすごい。

あまりにかわいいグッズに目移りしまくりながらも財布と相談し、結局パルちゃんのヘアバンドと専用機械で作れるオリジナルキーホルダーだけ購入しました。
明日から毎日このヘアバンドとBOTANIST様の洗顔で顔を洗うんだ……。
(2024年現在まで愛用中です。毎朝のQOL爆上がり。パルちゃんヘアバンドは手触りがふわっふわで最高な上に元気なイエローカラーのためなくしてもすぐに見つかる、ずぼら人間にもおすすめの一品!)

最後までタオルとペンラを悩んだのですが、今回は見送りということにして泣く泣くストアを去る私。
まさか数時間後にこの選択を心から後悔することになるとはしらず……。

※こちらのオリジナルキーホルダーはTwitter(現:X)の「#伏見ガクさんファンに伝えたい」にてエスパルスサポーターさんが「簡単にコラボグッズみたいな商品をつくれる!」と紹介してくださっていたものを参考にさせていただきました。背番号お借りしています!
このハッシュタグとても有益な情報にあふれているので、これから参戦される方は一度覗いてみると良いと思います。
今回雨降らなくて本当によかった……。次回も降らないといいな……。

ふわふわなパルちゃんヘアバンドとオリジナルキーホルダー(小)

グルメ

さてグッズが無事購入できたところで、お腹を満たしに向かう先はフードコートです。グッズストアの隣にあるフードコートはなんと入り口がパルちゃん仕様になっていてかわいい!!!
なぜ写真を撮り忘れてしまったのか……。是非皆さんの目で確かめてください。

ゲートをくぐると草がまばらに生えた土の広場にキッチンカーが円を描くようにずらり。
カレー、焼き野菜、ポップコーン、フランクフルト、からあげ、やきそばetc… がっつり系のメニューの中にアイスやかき氷、果物と行ったさっぱりとした氷菓が並びます。

こっちでも美味しそうな食品に目移りし、散々悩んでケバブとポテト、削りイチゴを購入。静岡の中でも清水はイチゴの名産地だそうで、海側のいちごロードを進むと、段々になった背の低い特徴的なビニールハウスを見ることができます。
買ってから削り夕張メロンの方にすれば果肉のオレンジ色がエスパルスカラーだったのでは?と気づくも後の祭り。美味しかったので良いのです。

本当はビールも買いたかったのですが帰れなくなるためここでは断念。
私も舞元さんと同じサッカーの楽しみ方がしたかったよ……。
しかし、後から考えてみると帰宅方法を抜きにしてもここでお酒を買わなかったのは英断でした。

ケバブとポテト 削りイチゴは写真を撮る前に胃の中に消えていました

買った物はどれもとても美味しかったです!!!
特にケバブはしっかりとした味付けと噛みやすいサイズで、本当に手元にお酒がないことを悔やみました。なんならこれを買いにもう一回アイスタに行きたいくらい美味しい。
削りイチゴはそんな口の中をさっぱりとさせてくれて、上にのっている生クリームとあわせて食べると一日の疲れが吹っ飛ぶようでした。
アイスタの食べ物何でも美味しいんだ。

後ほど聞くに、スタジアム内の販売所では勝つ点3んど(カツサンド)や削りみかん、必勝弁当などもあるそうでぜひとも!食べたい!!
2024年の目標はこれですね。本当に楽しみ。静岡ご飯が美味しすぎる。

そんなこんなで外会場を巡っているうちに試合開始が近付いてきて、慌てて会場内に入りました。QRチケットをかざすだけで良いの助かる。
再入場もスタジアムを出るときに渡された紙を持って再度チケットをみせるだけでいいのが本当にわかりやすくて助かりました。
(ちなみにこのときも席のエリアが分からずに歩き回って案内のお姉さんに助けていただきました。ありがとう優しい案内のお姉さん)

■席位置とやらかし

席を探し、案内してもらって通路を歩くこと数分。
目的地に近付くにつれ、段々と増えていくオレンジ色を尻目に、私は「ほとんどルールも知らないサッカー観戦楽しめるのか?」という懸念とは別の不安が少しずつ膨れ上がって行くのを感じていました。

暗い通路を通り、コンクリートの階段を一段一段踏みしめて上ります。
(余談ですが、アイスタの外も中も私が見た限りではゴミなどが落ちていることもなく、本当にきれいで良かったです。また、各所にゴミ袋が設置されており利用しやすくて助かりました)
その漠然とした不安は階段を上りきり、通路からひらけたコートを一望できる観客席に出たときに確信に変わりました。

見渡す限りのオレンジ、オレンジ、オレンジ色!!!
大きく広がる雄大な静岡の青空をバックに、観客席にひしめくのは情熱のオレンジ。一瞬「ああ、空が近いなあ……」と現実逃避しかけました。
いらっしゃる方々は一様にエスパルスのユニフォームに身を包み、タオルやパルちゃん帽子を身につけていらっしゃる。
鞄の中から複数本の水分補給ボトルを取り出す方、ぺたんこの靴に履き替える方、さっとジャケットを脱ぎ捨てユニフォーム姿になる方。
まってあそこの座席の間に見えるはエスパルスの旗では!!!????デカ!!!!????

ここまで状況証拠がそろえば間違いない。

ここ、エスパルスのサポーター席だ!!!!!!!\(^o^)/

翻るエスパルスフラッグ(夜)

なんということでしょう、まさかサッカー知識のなさと下調べの足りなさがこんなアクシデントを引き起こすとは。

確かに席を決めるときどこの席が良いか分からなくて、ゴールの後ろならシュートの瞬間がわかりやすいだろうし、2階のほうが全体見えやすいよな!ここ人多いし良いポジションなのかもしれん、あれ?安くない?いったろ!!と思ったのは事実です。
しかし1試合でもサッカーの試合をきちんと見たことがあればゴール裏は多くのチームでサポーターさんが集まる場所だと分かっただろうに……。

今考えてみればサッカーのコート全体を見やすいのはゴール裏ではなくサイドだし、そもそも席のランクがチケット購入サイトに書いてあるじゃろ!!とツッコミたいところなのですが、このときは本当にずぶの素人で……。本当にすみません、今でも猛省しております……。
起こってしまった事実は変えようがなく、戦々恐々としながらチケットに書かれた席を探しました。

ここでもやっぱりうろうろと惑うこと数分、スマホ片手にさまよう私を見かねたのか「姉ちゃんだいじょうぶか?どこの席?」とサポーターさんが声をかけてくださり、親切におおまかな位置と席の見方を教えてくださりました。
エスパルスのサポーターさんは年齢層も幅広く、若い方から壮年の方まで様々いらっしゃいます。その中でも私に声をかけてくださったのは年齢が高めの男性3人程度の方で、こんなユニフォームも着ていない小娘に声をかけるのは躊躇したでしょうに、本当にありがたい限りです。

こんな愚か者相手に申し訳ない、優しい人ばっかりだ……と感謝しつつたどり着くと、なんと言うことでしょう、そこはゴール裏ほぼ中央前列!右も左もサポータの皆様方!!席とった時の私のバカ!!!せめてもっとギリギリの席埋まってから予約しろ!!!!!!!

なんも知らないグッズもほとんど持ってないサッカー初心者がこんな良い席を取ってしまって本当に申し訳ない……!!せめて平日の夕方で本当によかった……!!エスパルスサポーターの皆さん本当にすみません、私が愚かなだけでアクターさんは本当に良い方が多いんです、すみません……と後悔に歯がみしつつも、せっかくの初アイスタ、初のサッカー観戦でいつまでも悔やんでいるのももったいないと頬をひとつたたいて気合いを入れ直し、荷物を置きます。

この席を取ってアイスタにたどり着いてしまったからには腹はくくり、右も左も分からんが精一杯応援するぞ!とこのとき覚悟を決めました。
ぱぺガクさん、見守っててくれよな!!!!

■サッカー観戦と応援

席に荷物を置き、一息ついたところでふと飲み物を買い忘れていることに気づきました。しかし今から買いに行くと確実に迷う。仕方がないと諦め、席に座ってちまちまとケバブをつまむ私。やっぱりお酒がほしい。しかしここでお酒が入っていなかったことは後に自分の身を助けました。
周りの方々も試合前だからか、まだなごやかな雰囲気で談笑されておられる。やはりお知り合いの方も多いようで、仕事帰りの方がかけこんでいらっしゃったり、前の席の方々が何やら今後の応援スケジュールについて相談されていたりと様々でした。

しかしだからといって肩身が狭いという訳でもなく、一人で来られている方も多かったですし、他にも家族連れのかた、カップルでいらっしゃっている方、本当に様々な方がいらっしゃって、ここにいる人たち全員がエスパルスを応援しているのかと思うと不思議な気持ちでした。
なんと表現すれば良いのか分かりませんが、適度に雑多な無関心と安心感というか、私がこの場所に一人でいても不自然ではなく、同時にエスパルスを応援する気があるならいても良いのだという、不思議な感覚でした。

ところで私は学生時代の母校がそこそこの野球強豪であり、全校(ほぼ)強制の応援なんてものがあったため、比較的学生野球の応援には親しんできました。また、私自身も応援の雰囲気が好ましく、何度か自分で野球応援に向かったこともあります。今回はその経験に本当に感謝することとなりました。

最初にチアリーダーの方々が出てきてフラッグを使ったパフォーマンスを始めました。すばらしいシンクロした動きに拍手するうちに、段々と周りのサポーターの方々が動き始めます。
さっと立たれて体を動かされる方々につられるように、私も空になったケバブの容器を置いて立ち上がります。買ったポテトはまだ手つかずのままでした。

そして、ここからが本番でした。

試合が始まると同時に、飛び跳ねながらの手拍子が始まります。本当にほとんど休む暇なく動いて歌います。手拍子は単純に打ち鳴らすものもあれば空に拳を掲げるものもあり、本当に様々でした。
やると決めたからにはここで負けていられるかと分からないなりに必死に合わせて手をたたき、歌います。
幸い、エスパルスのチャントは節回しが特徴的で覚えやすく、また私が応援経験やライブ経験でその場で知らない曲にのるのが苦手ではなかったため、何回か歌ううちに内容にも手拍子にもなれてきました。

しかしそんな慢心をあざ笑うように太鼓のリズムが変わり、人々がタオルを回し始めます。

ちょっとまて どこからでてきた そのタオル (心の俳句)

そんなことを考える暇もなく、私はタオルを買わなかった過去の自分を恨みました。どうしよう、パルちゃんのヘアバンドでも振るか!?そんな風に錯乱することもありましたが、結局は自分の拳を振り上げて回しました。
つまりはリズムに乗れれば良いのです。
私は飛び跳ねて腕を振りながら思いました。酒入れてたら確実に酔いがすごい勢いでまわってたから買わなくてよかった、と。
それはそうと次の機会には必ずエスパルスのタオルを買おうとも思いました。やっぱり自分だけないのはさみしいものです。あと汗めっちゃかくからね。

本当に老若男女問わずサポーターの皆様方はずっと動いていて、特に前列の方々はすごかったです。さすがに私は途中から体力が持たず、飛び跳ねずに膝を曲げる縦揺れだけだったのですが、前列の皆様は男女問わず常にジャンプしていました。
本当に体力、気力、声量、どれもすごかったです。

さてチャントにもさまざまな種類があります。歌詞のあるもの、ないもの。攻撃のタイミングで歌われるもの、得点を入れると歌われるもの、様々あります。その中でも選手個人のチャントなんかもあり、聞く話によりますと有志で作られる場合もあるとか。

個人的に歌っていて楽しかったのはチアゴ・サンタナ選手のチャントでした。残念ながら現在は浦和レッズに移籍されてしまったとのことですが、「サンタナ!チアゴ・サンタナ!」というチャントは今でも耳に強く残っています。
また、「グリコ」もめっちゃ楽しかったです。聞いたことのない方はYouTubeにも練習動画等が上がっておりますので是非どうぞ。
エスパルスのチャントは本当に楽しく覚えやすいものが多いのでおすすめです。合わせて食器洗いとかしているとテンション上がります。

逆に初見で難しかったのは「フォッサ」でした。タイミングと抑揚、特に最後の「ウォ~」の部分の音程に苦戦した記憶があります。しかし慣れてしまうと楽しいもので、「シュートエスパルス!」の部分の爽快感が良いチャントです。
チャントに合わせて手拍子するの楽し~!!!!!

また、やはりなんといっても熱狂と興奮を分かち合えるのがゴール裏のいいところだと思います。
選手が相手ゴールに近付くにつれ固唾をのみ、祈るように指を組み、それでもチャントを止めずに更に大きく声を上げる。シュートが決まれば大歓声が上がり、誰彼かまわず喜びを分かち合う。周りの人皆とハイタッチをし、顔も知らない前の席の方と固い握手を交わした時は思わず笑ってしまいました。

また、それ以上に印象的だったのはゴールを入れられた時です。やはりサポーターも息をのみますし、チームの雰囲気も下がります。中には「なんだよ」と声を荒げかける方もいらっしゃいました。
しかし、それを裂くように「よっしゃ更に声だしてけー!」というかけ声がかかりました。そこから再び声は大きくなり、私も無我夢中で歌っていた記憶があります。
逆境の場面で切り替えられる、それは選手もそうですが、サポーター側にも必要な素質なのだなと感じた場面でした。

■勝ちロコ

結論から言うと、この試合では清水エスパルスが勝ちました。
正直チャントに集中し、常に飛び跳ね、1回1回の得点に一喜一憂していたためきっちりとした試合運びを覚えていないことが申し訳ないです。

勝利したことによる興奮とざわめきの中、選手の方々がゴール裏の方にまわって来てくださったりいろいろあったのですが、やはり印象的なのは「勝ちロコ」でした。
選手やパルちゃんがゴール裏の方を向いて方を組み、横に移動しながら「ローコ ロコロコロコロコー」と歌うやつです。有名なので聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
私もTwitter(現:X)で名前だけは伺っていたため、生で見れる!と大はしゃぎでした。
そこで、前列のサポーターの皆さんがさっと肩を組みます。
後ろの方には肩を組んでいない方、座っていらっしゃる方もいらっしゃいましたし、こんなユニフォームも着ていない人間がいいのか!?邪魔だし後ろどく!?と動揺していたところで、左右のサポーターの方が「もしよろしければご一緒にどうですか?」とお声をかけてくださいました。
また、男性の方たちだったのですが「お嫌でなければで大丈夫ですから」「肩組んでしまっても大丈夫ですか?もし苦手でしたら横に動くだけでも大丈夫ですよ」と本当に丁寧に気を遣ってくださり、あまりの親切さと心遣いに本当にびっくりした記憶があります。
清水エスパルスのサポーターさんってすげーんだ……。

もちろんここまできたらがっつり肩を組ませて頂き、足をこんがらせながら勝ちロコさせて頂いたのですが、まさか見るだけではなく自分も参加できるとは思わず、本当に本当に嬉しかったです。

その後、会場のライトが消え、空に花火が上がり始めました。会場にポツポツとオレンジ色のサイリウムがともり、やがてそれは会場全体を照らすさざ波のようになりました。感動して写真も撮れていませんが、酒を入れていたら確実に泣いていたと思うほどきれいな光景でした。
本当にペンライトを買っていなかったことが悔しかったです。鈍器ことT字ペンラでも良いから持ってきておきたかった。
次回ナイト観戦までにはエスパルスペンライト絶対に購入しようと心に誓った瞬間でした。
ペンライトが揺れ、音楽が流れます。確か「遠き山に日は落ちて」だったような気がします。
本当に美しかったです。

さて会場の電気も再びつき、バスの時間がある方優先で帰られる中、私はどこか夢見心地のまま席から動けないでいました。
そんなとき、前で応援してくださっていたサポーターの方々が写真を撮るので集まり始めました。
お邪魔してしまっても悪いし帰ろうと荷物をまとめていたのですが、その中の一人の方がふと私の方を見て、「よければ一緒にどうですか?一生懸命応援してたんだし」と言ってくださりました。

正直言ってびっくりしました。こんなうっかり迷い込んだ初心者をそこまで気に掛けてくださってたんだという気持ちと、ちゃんと応援できたんだという安堵でした。
その後、一緒に写真を撮らせて頂き、スタジアムを出ました。
最初から最後までエスパルスサポーターさんの優しさと思いやりに触れた一日でした。

■夢の終わり

試合が終わり、どこかふわふわと夢見るような感覚でスタジアムを出ました。
まだ頭の芯にじーんとした熱っぽさが残っていて、叫びすぎて声はガラガラでした。興奮してほてった頬を初夏の冷たい風がなでていったことを覚えています。

集団に押し流されるように坂を下り、段々人がまばらになっていくのを見ながら、私は今日という日を考えていました。

私にとって今日という日はきっとこの先も記憶に残るまばゆい花火みたいな日で、でもこの試合チケットを取らなければ、私にとってはただの単調な一日でした。
当たり前に過ごしていた代わり映えのしない一日。
でもあたりを見回せば興奮した様子の人々がいて、ぶんぶんと母とつないだ手を振る子供、おそらく居酒屋で二次会に向かうのであろう肩を組んで歩くサポーターの方々。
私の知らなかった世界、私の知らなかった今日。
私がこれまで過ごしてきた日々の裏側で、今日以外にもこんな夜があったのかと思うと、ひどく不思議な気持ちでした。
それを知っていることが良い悪いではなく、実感としてこの世はレイヤーのように重なっているのだと感じたのです。

坂を下る私の手には、ショップで買ったグッズと、スタジアムで食べ損ねたポテトだけ。
袋をあけてポテトを食べると、とっくのとうにしんなりとしていたそれは、強い塩味で舌を刺しました。
これが未知の体験の味か、そんなことを思い、ゆっくりと、ポテトを食べながら坂を下っていきました。
しなびたってアイスタのポテトは美味しかったです。

■最後に

正直な話、私自身が体験してみて、本当に何も知らない初心者の方にはゴール裏を勧めるべきではないと思います。
食べ物を食べている余裕はないですし、なんなら試合を落ち着いてみることも難しいです。
あまり声を出すのが得意でなかったり、初対面の人と近付く、興奮を分かち合うといった行為に苦手意識のある方はやめた方がいいかと。
またはゴール裏付近のA席等から始めて見るのがいいのではと思います。
そもそもゴール裏以外でもサッカー観戦は楽しい!!

でも、応援が好きで、空気感に乗ることが好きで、熱狂と興奮を共有することができる人にはゴール裏は本当に楽しい場所です。
私自身、きっとA席やS席で観戦していたらそれはそれで楽しかったのでしょうが、見終わって「ああ面白い試合だった、勝てて良かった」で終わってしまっていたと思います。
どちらかというと”ガクくんとコラボしたエスパルス”を見れたことに満足して、そこで終わっていたかもしれません。
しかし、実際に喧噪に身をひたしてのサッカー応援は私に大きな影響を与えました。
たくさんの人が真剣にエスパルスを応援していました。選手の一挙手一投足に目をこらし、祈り、怒り、喜んでいました。
初めて、”コラボ先のエスパルス”ではなく”清水エスパルス”を応援したいと思いました。

エスパルスのチャントの中に「Seven Nation Army」というものがあります。なんでもチャントの中では最近できたものということなのですが、その中の歌詞に「さあ行け清水、俺達と共に 戦え清水、この街と共に」という部分があります。
私は会場でこのチャントを聞いたときに、サッカー応援ってこういうものなんだなと強く感じました。Vtuberもよくリスナーがいて成り立つと言いますが、サッカーもきっとそうで、ファンがいて、地域のサポーターがいて、選手とこちらの相補的な関係なのだと、どちらが欠けても立ちゆかない関係なのだということが胸に迫ってきました。

(余談かつ、現在では敵チームであるため話しにくくはあるのですが、ベガルタ仙台さんのために同にじさんじ所属Vtuberの緑仙さんが歌った応援ソング、「WE ARE YOU」が本当に素敵な曲なのでおすすめしております。エスパルスを応援するようになってから「フィールドを駆け抜けていく 君こそ希望そのもの」という歌詞を聴くたびに胸が詰まります)

もちろんこれらの経験は、何よりエスパルスサポーターの皆さんが本当に優しく、暖かで、こんなポカをやらかした初心者にも最大の親切を持って接してくださったからです。
それこそトラウマになりかねなかった経験を本当に楽しいサッカー体験に変えてくださったこと、心から感謝しております。1年たった今でも私の中で一等特別な思い出の1つです。
もちろん私が出会った方々がサポーターの方の中でも特に優しい方々だったということもあるのかもしれませんが、それでも自分がこちらの界隈に入ったばかりの初心者の方に同じように返してあげたいと思える位、本当に素敵な方々の多いチームでした。
また、コラボ先でこのようなご迷惑を掛けることのないよう、改めて事前の情報収集はきちんとしようと強く思いました。

それはそうと、本当に、本当に、現地観戦楽しかった!!!!!!

コラボしてくれた清水エスパルスさん、ありがとうございます。
優しくしてくれたサポーターの皆さん、ありがとうございます。
そして新しい世界に踏み出すきっかけをくれた伏見ガクさん、本当にいつもありがとう。あなたのまっすぐに新しいことを楽しもうとする姿勢にいつも勇気をもらっています。

そしてこれからサッカー観戦に向かうかもしれないにじさんじファンの皆さん。
本当にサッカー観戦楽しいので、悩んでいるなら一回行ってみると良いと思います。新しいものに触れるって怖いけどとても楽しいですよ。

また、これからもにじさんじとサッカーが相乗効果で盛り上がってくれると本当に嬉しいです。

こんな散文かつ長文をここまで読んでくださったこと、お礼申し上げます。
ありがとうございました。

■+α

そんなきれいな終わらせ方をしようとしたところで1年後の私は悩んでいました。
手元にあるのはチケット購入画面とスケジュール帳。
今度の土曜日の試合、行けるな……。しかも相手は緑仙さんの”仙”ことベガルタ仙台さん。
J1にエスパルスは絶対上がるけど、上がったらおそらく違うライバーさんとのコラボになるので少々肩身の狭さがあるし、今のうちに精一杯応援するべきでは?
行くとして座席はどこ……?やっぱA席……?でもチャント聞きたい……。飛び跳ねたい……。音圧に圧倒されたい……。

……。

行くか!ゴール裏!!!

そんなわけですっかりゴール裏の魅力にとりつかれてしまい、今度はゴール裏の中でもそこまで邪魔にならないであろう端の後列でチャレンジしてみることにしました。
ユニフォーム買ってチャントたたき込んでタオル振るぞー!!!楽しみ!!!!!!

皆様もどうぞ良いサッカーライフをお送りください!

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