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社会派インフルエンサー事務所「RICE」とは

こんにちは!RICE代表の廣瀬です!

社会派インフルエンサー事務所RICEは、「誰もが当事者意識を持てる社会を作る」をビジョンに掲げるTomoshi Bito株式会社の新規事業として立ち上がりました。

Tomoshi Bitoが創業して1年半。また創業にいたるまで3年間、今と変わらないビジョンに向かって様々な活動をしてきました。今回はRICEを立ち上げるにあたって、その経緯を皆さんにお伝えできればと思っています。

関心の壁にぶつかった学生時代

今は社会起業家として、ビジネスを通して社会問題と向き合っている私ですが、もともとは様々な社会問題を伝えるフォトジャーナリストを志し、学生時代は取材活動に明け暮れていました。

渡航費など取材にかかる費用は学期間にアルバイトして貯金し、長期休みになれば取材に行く、そんな生活が2年ほど続きました。その間メディアでのインターンシップを通じて記事を書いたり、自分で写真展を開催するなど、様々な形で伝える活動を続けていました。

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発信する立場になって、初めて意識するようになったことがありました。それが、「社会的な発信はどれくらいの人に届いているか」、また「どれくらいの人が知った問題に行動を起こしているのか」という視点。

どんなに発信をしていても、その情報を受け取ってくれる人、また問題を解決するために動いていく人たちがいなければ、社会問題は解決されていきません。そんな意識を持った僕は、日本の社会参加率について調べることにしました。

国際的に低い日本の社会・政治参加意識

そんな僕を待っていたのは、日本の低い社会・政治参加意識を示す数々のデータでした。

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こちらはアメリカの国際調査機関ISSPによる「シティズンシップ」をテーマにした世論調査。署名活動や消費選択、またインターネットでの意見表明まで、様々な社会活動への参加率が記載されています。黄色ラインが7カ国の中で最低の値、ピンクが最高の値。日本は全ての項目で最低値、2倍~多い項目では10倍ほど他国と差が開いていることが分かります。

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またこちらはNEUT magazineが実施した調査。各国のYahooニュースのトップに、どのカテゴリーのニュースが表示されているかを調査したデータです。●●に入るのは芸能、エンタメニュース。日本では自国のニュースと並んでエンタメニュースの価値が高いことが分かります。

社会問題と関わるキッカケを届ける教育事業

社会的な情報が取られていない。また社会問題の解決のため、行動する人が少ない。そんな社会の現状を知ったときに、発信活動を続けているだけでは、不十分なのではないかと考えるようになりました。

新聞やテレビなど大手マスコミをはじめ、社会的な情報を配信する役割は社会のインフラとしても誰かが担う必要があると思っています。その一方で、今の日本社会はその情報の「種」を育み、解決に繋げる土壌がない。その土壌づくりを取り組む役割も必要とされていると感じ、僕はジャーナリストになることをやめました。

土壌を育むために僕が考え、今事業としても展開しているのが教育事業です。日本財団が実施した「18歳意識調査」を見ると、日本では「自分で国や社会を変えられる」と感じる若者、また「解決したい社会問題がある」と答えた若者の割合が突出して少ない状況にあることがわかります。

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こうした若者が社会に出たあと急に、「しゃあ、社会を変えていくぜ!」となることは難しいでしょう。教育段階において、「自分にもできることがある」と感じる成功体験を届ける必要があると考えました。

また「関心」とは「関わる心」と書くように、関わりがないものに関心を持てないのは当たり前だとも思っています。だからこそ、社会問題と深く関わる機会を届けることで、社会問題に関心を持つ若者を増やしていけるのではないかと考えました。

実際作ったプログラムは良い効果を出しています。まだまだ教育事業も始まって間もない事業。これからも広く展開できるように動いていきたいと考えています。

無関心は育まれるもの

一方で、教育事業に取り組む中で新たな気づきもありました。それは関心が育まれるように、無関心も育まれていくものだということ。どれだけ社会問題と関わるキッカケがあったとしても、その後距離が空いていけばまた徐々に無関心へと近づいてしまいます。

事業プランを考えていたころは、関心を、「関心」と「無関心」の二元論で捉えていました。しかし実態はそうではなく、キッカケを持った後も、関わり続ける必要があることに気が付きました。

また教育はソリューションとしては本質的な、欠かせないものである一方で、未来への投資という意味合いが大きいのも事実です。では今の社会に対して僕はどういうスタンスをとるのか?そんなことを考えたときに、やはり傍観者でいることは納得がいきませんでした。

今も進行形で社会問題を背負わされ、傷ついている人たちがいる。「今」という時間軸にも何かインパクトを生みだせるような事業を必要としていました。

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無関心を打破する、社会的な発信

そんな中でてきたのがRICEの事業構想です。RICEが掲げるミッションは「社会的発信を日本の日常に根付かせる」こと。発信を通して、社会に対しての当事者意識を育んでいきたいと考えています。

日本社会には政治や社会問題に対しての発言が避けられる風土が存在します。「政治の話はタブー」そんな認識もありますし、また友人や家族とも社会問題と頻繁に話す人は珍しいでしょう。

人は発言しないことに対して意識を持ち続けることは難しく、考えなくなり、知ることも止めてしまうと思います。逆もしかりで頻繁に発言することには、思考を巡らし、また積極的に知ろうとします。社会に無関心を育まないためには、「発言すること」が必要だと考えました。

ではどうすれば社会的な発信が避けられる風土を変えることができるか?僕は大きく分けて2つのアプローチが考えられると思っています。一つは「数を増やす」というアプローチ。人が集まってつくられる社会ですから、単純に社会的な発信をする人が増えれば増えるほど、社会の風土は変わっていきます。

ここに対してはこれまでと変わらず教育におけるアプローチ、要はボトムアップの取り組みが有効だと考えているので、教育事業で社会的発信を含む、社会参加を学ぶ体験を届けていきたいと考えています。

もう一つが「影響力を持つ」というアプローチ。要は影響力を持って社会的な発信に取り組む人が増えれば増えるほど、社会問題に関心を向けたり、知るキッカケを多くの人に届けられ、空気感を変えることにも直接寄与することができると考えています。

社会的発信を日常に根付かせるために

ここまでお読みいただいたみなさん、ありがとうございました。長文になりましたが、これらがRICEが誕生した背景、また懸ける想いです。最後にこれからどのような事業構想を描いているのかを紹介したいと思います。

これからは、すでに始めている教育へのアプローチは継続していきながら、社会派インフルエンサー事務所としての体裁を整えに行きたいと思っています。

端的に言うと、UUUMさんやVAZさんなどクリエイター事務所の社会派に特化したものを作りたいと思っています。そして社会派クリエイターになりたい人を育成し、多くのインフルエンサーを輩出していくため、事務所機能だけでなく、スクール機能も持たせていきたいと考えています。

今お笑い芸人になりたいと思えば、吉本興業のNSCに入ります。まさにその社会派版を作ることで、社会派クリエイターになりたい人の数を増やしていきたいと思っています。

いずれRICEに多くのクリエイターが所属するようになれば、クリエイターと行くスタディツアー企画だったり、出張授業だったりと、オフラインの事業にも展開していきたいと考えています。社会問題の現場のリアルを感じることは、オンラインには生み出せない大きなインパクトを届けられることも事実です。クリエイターが影響力を持つことで、これまで興味がなかった人にも社会問題を深く知る機会を届けられると考えています。

そんな社会的発信を影響力を持って取り組む社会派インフルエンサーから、ボトムアップによる市民アクションとしての取り組む人を輩出する、そんな社会的発信者を日本に輩出するエコシステムとなれるような事業を作りたいと想いを馳せています。

誰もが当事者意識を持てる社会は一人では実現できない

と、ここまで大きな口を叩いてきましたが、「誰もが当事者意識を持てる社会」なんて、どれだけ頑張っても僕たちだけでは実現することができないと思っています。

一人ひとりが当事者意識を持つことの可能性を誰よりも信じている僕ですが、一方で一人ひとりの力はともしびくらい小さいものだと思ってるんです。だけど大切なのはそのともしびを宿すことで、その灯が集うこと。そうすれば大きな火となって社会を照らしてくれる。そんなことを信じて「Tomoshi Bito」という名前を会社につけました。

ここまでこれだけの文章を読んでいただいたみなさんは、僕たちのビジョンに共感をしてくれていると思っています。そしてそんなみなさんにぜひ僕らの仲間になってほしいと思っています。

現状で大きく分けて2つの参加方法があるので、最後にそれを紹介してこの記事の結びにしたいと思います。

ひとつがRICEのインフルエンサー登録。TwitterとInstagramの1,000人以上のフォロワーを持った人たちで、社会に良い消費選択を広げるインフルエンサープラットフォームを作りたいと思っています。詳しいことはこちらの記事に記載してあるので、ぜひ一読をお願いします。

そしてもうひとつがTomoshi Bitoサポーターズ。ありがたいことに、「ボランティアでもいいので何か手伝わせてください!」と声をかけてもらうことが多くなってきました。そんな人たちのオンラインコミュニティを作って、僕たちの手の届かないことを任せていければと思っています。

もし何らかの形で僕らの事業に関わりたいと思ってくださる方がいれば、サポーターズ登録をぜひお願いします。

これまでも多くの挑戦をしてきて、多くの失敗をして今また新たな挑戦を始めようとしています。まだまだ力も足りず、前途多難ではありますが、志は一度もブレていません。誰もが当事者意識を持てる社会の先に、一人ひとりが生まれた環境に関わらず輝ける社会を。社会に関心という名の愛を注げられるような、そんな温かい社会を一緒に作っていけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

廣瀬

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