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ドラマ『アウトランダー』好きにはたまらない、旅行記『Clanlands』

日本では Hulu と Netflix で現在視聴可能な人気ドラマ『アウトランダー』の主演俳優サム・ヒューアン(ジェイミー・フレイザー役)とドラマ主要人物を演じたグラハム・マクタビッシュ(ドゥーガル・マッケンジー役)が昨年9月にドラマの舞台で、彼らの故郷であるスコットランドを旅して、ドラマでお馴染みの城やスコットランドの大自然、歴史や文化を再発見するというロードムービーを撮影して『Men In Kilts』を制作しました。こちらはドラマの配給元である米国のSTARZが近いうちに放送するようです。日本で観れるのはずっと先なのでしょうが、『アウトランダー』シーズン6の撮影がパンデミックで止まっている ”Droughtlander” の時期に恵みの雨となりそうです。

『Men In Kilts』が放送される前に出版されたのが、サムとグラハムの共著『Clanlands』です。出版社からのオファーを受けて、『Men In Kilts』撮影期間の旅行記として書かれています。出版は11月3日で、通常の書籍、電子書籍、オーディブル(サムとグラハムが朗読)で発売されています。

コロナの巣ごもり期間に私がハマったのは『アウトランダー』。繊細な演技と美しくたくましいルックスのサムに惚れ込んでいたので、もちろん書籍を予約し、オーディブルをダウンロードしました。なんて便利な世の中になったものか!

発売日が来ても洋書が届くまでには暫く時間がかかるため、待ちきれずにオーディブルを聴き始めました。ドラマではサムもグラハムも役柄に合わせて強いスコットランド訛りの英語(とゲール語)を話していますが、オーディブルでは素の彼らの喋りなので、訛りはかなりマイルドで聴きやすい英語です。(アメリカ英語を聞き慣れているとキュートに感じる)2人とも楽しんで収録したようで、役者なだけに本読みが上手い!感情たっぷりのセリフ読みや、お互いに皮肉やチャチャを入れるやり取りは面白すぎて、ニヤニヤしてしまいます。これは本だけでなく、内容を200%楽しむにはオーディブルが必須です!

私はまずオーディブルを通しで聴いて、次に本で文字を追いながらオーディブルを再生して聞き逃したり、理解していなかった部分を埋めていきました。オーディブルと文字に若干の違いがあるのはご愛敬。オーディブルが楽しすぎるのでこれから何度も聞き返してしまいそうです。

旅行記『Clanlands』の内容をざっくり列挙してみると、

・ロードトリップの描写
・ガイドが語るスコットランド名所/名物
・スコットランドの史実からのトピック
・2人の生い立ちやキャリア
・2人の思い出話
・ドラマ『アウトランダー』の撮影裏話

という感じで、完全なる旅行記ではありません。実際に旅先での出来事を話していたと思ったら、そこから転じて別の場所での思い出話が始まって、また話が戻ったりするので、ぼーっとオーディブルを聴いていると時と場所がどこかわからなくなりました。集中して聴かねば!

ドラマを観て興味が募っていたスコットランドのガイド的にこの本を読み始めたのですが、読み終えて何が一番面白かったかといえば、常に互いを牽制しあっている2人のやりとりです。演劇キャリアの長い大先輩グラハムをディーバに例えたり(実際にそうなので笑える)、何とか悪さをしかけようと始終狙っている「大人の皮を被った9歳児」サム。トムとジェリーって感じでしょうか。(笑)

『アウトランダー』の撮影裏話もドラマのファンには面白かった!キャスト皆で寿司を食べ、サッポロビールと日本酒を水のように飲みまくった(エジンバラにそんなレストランがあるとは!)翌日の皆の悲惨な様子には腹をかかえて笑いましたとも!

サムが『アウトランダー』に抜擢される前にはいくつもの舞台に立っていても、俳優の道を諦めかける程に困窮していたという話に人生は思いがけずに何かが起こることもあるのねとしみじみしたり、ドラマのファンには「あのシーンはそうだったのか!」的な話も出てくるので、該当シーンを見直すお楽しみもあります。

以上、ざっくりと私の感想と『Clanlands』の紹介でした。日本の『アウトランダー』ファンに何かの参考になれば幸いです。ファンの方、本を読んだ方、ぜひコメントください。

それでは、『アウトランダー』シーズン6を心待ちにしつつ、サムの The Sassenach ウィスキーが飲みたいなぁ…日本で入手できないものかなぁ…


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