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シーズン5:第10話 悪魔に慈悲を Mercy Shall Follow Me

リバーランの遺産相続権を持つブリアナの息子ジェミーを正式に自分の息子にして、財産を手に入れようとする宿敵ボネットにブリアナが誘拐される本エピソードは、原作と大筋は同じながら、ディテールがかなり変わっています。

ボネットを仕留めようとウィルミントンに出て手筈を整えるジェイミーとロジャー、イアン。殺人に対して前話で最初は否定的だったロジャーがここではすっかり覚悟を決めています。息子をも奪おうとするボネットに対し、覚悟が決まったんだろうなぁ。

クレアとブリアナはその間、海辺で貝拾いをしながら、わずかばかりの親子の幸せな時間をすごす。あんな海岸からクジラが見えるだなんてびっくり。合成画像も良くできてる。クレアのセリフで説明していたけど、19世紀まではクジラもたくさんいたのね。

2人の後をつけ、ブリアナを誘拐するボネット。憎らしいけれど、あの状況でクレアに手出しをしなかったことだけは褒める。

島にさらわれたブリアナ。ボネットがブリアナとジェミーとの家族を作ろうとしているのには驚いた。彼は金を手に入れたらこの地域での上流階級に這い上がろうとしているのか。この状況の中で何とか命を守り、脱出を試みるブリアナの機転は素晴らしい。農業技術の本をめくりながら、『白鯨』を諳んじて読み聞かせるとは。ここでこの本を読むために、海岸でクジラを見つめるシーンが必要だったんだね。ブリアナは大の『白鯨』ファンという設定。

このシーンでボネットが自分の生い立ちや厳しい人生、抱える悪夢について語り、彼が悪人になった時代背景がわかります。それでも悪行の数々は許されないけどね。

ボネットに要求されたキスで言葉の嘘を見破られたブリアナ。怒ったボネットは連れてきていた娼婦との行為をブリアナに見せます。このあたり、ボネットの精神的なヤバさがクローズアップ。

リバーランでは、フレイザー一家と親戚に財産分与を行いたいジョカスタ叔母が弁護士のフォーブスに書類作成を頼んでいた。フォーブスがボネットと組んでいるとも知らずに。リバーランの財産が分与で減ることに腹を立てたフォーブスがジョカスタを殺害しようとするが、ユリシーズが駆けつけ、フォーブスを殺し、ジョカスタを助ける。フォーブスっていかにも小者なのに、叔母さんを殺害しようだなんて度胸がよくもまああったもんだ。ボネットと組んで気が大きくなっていた?

ワイリーからボネットの立ち寄り先を聞き出し、町の娼館を尋ねるクレアとジェイミー。ボネットを恐れて口を開かない娼婦たち。そこで四肢の長さが違う障害を持った娼婦に気付いたクレアが善意の治療を行う。心を許した娼婦はボネットの居場所を告げる。彼女が情報を知っているかわからなくても親切にしたクレアの善意が報われたのでした。

ブリアナが不要になったボネットは彼女を知人に売る。情が無くなればここまで非情になれるんだね。船に連れていかれる途中のブリアナはどんな恐怖を味わったことか。しかし海岸でジェイミー一行がブリアナを助け、ボネットを捕える。ロジャーがボネットを痛めつけるシーンはもう本当にスッキリした。

ブリアナがその場でボネットを殺さず、司法に任せたのはロジャーにも誰にも殺人を犯してほしくなかったから?3度目の正直でやっと今度は溺死の刑となったボネット、最高の刑じゃん。潮が満ちて息も絶え絶えになったボネットを岸から射殺するブリー。「これは慈悲なのか、止めをさしたのか?」とロジャーが言うとおり、どっちなんだろう?

タイトルの「Mercy Shall Follow Me」は旧約聖書 詩編23篇6節の引用と思われますが、あんな目に遭ってもブリアナは慈悲の心を示したのかな…


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