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シーズン5:第7話 ロジャー・マックのバラード The Ballad of Roger Mac

シーズン5の見所シーンを幾つか含み、『アウトランダー』物語の中でも1つのターニングポイントとなるエピソードです。

ジェイミーが50歳の誕生日をヒルズバラ近郊に設営されたイングランド軍の野営テントの中でクレアと迎えます。戦闘が近いというのに、テントの中は何て暖かくて幸せな愛の空気が漂っていることよ!父親の年齢を超えたというジェイミーは感慨深くこの日を迎えています。

10代から鞭打ち刑をくらって、父の前で壮絶な血を流し、何度も捕えられ、戦に出たジェイミーがここまで長生きして、妻の愛と娘と孫に囲まれる暮らしをしているなんて、奇跡のようだと視聴者も感心しています。ハッピーバースデイを歌いながら、「プレゼントは私」をやっちゃうクレア、55歳にしてその美しさ、夫婦間の仲睦まじさは世界中の女性羨望の的ですわよ。

戦闘が近づく中、ジェイミーが小川でゲール語を唱えながら掌を切り、血を額と胸に付けて祈っています。ゲール語のセリフの字幕があったら良かったなあ。シーズン1の水車小屋シーンを思い出さずにはいられないこのシーン、サムの逞しい筋肉もあの頃より少し落ち着いて、顔つきも大人になっていますね。2つのシーンを見比べて胸キュンを楽しむのが良いと思う。

クレアが訊ねるとドゥーガルに祈っていたというジェイミー。彼が殺した叔父とはとうに和解しているのだという。私もそう願うわ、2人でハイランドをキャンプカーで周ってちょうだい。(笑)

上機嫌なトライオン総督の計らいにより、お気に入りのジェイミーを戦地で仲間の砲弾から守るため、イングランド軍のレッドコートを授かるジェイミー。丁寧に辞退しても断れなかったため、遂にジェイミーがレッドコートを着る羽目に。命を掛けて生涯のほとんどをレッドコートと闘ってきたジェイミー・フレイザーがまさかレッドコートに袖を通す日がくるとは!耐え難い怒り、嫌悪感、成す術の無さ、この時のジェイミーの表情が素晴らしくて、サムの演技が光っています。

レッドコートを着たジェイミーを見たクレアの驚き、一瞬にして彼の苦悩を理解してやさしく頬に手を触れます。ジェイミーを戦地へ送り出すのに何というべきか悩み、シンプルに幸運をと言ってから、”I love you, soldier” と口づけ。美しき夫婦愛だわ。

遂にイングランド軍と世直し団の戦闘が始まる。前線の兵士に「撃て!」とトライオンが命じるけれど、民兵はジェイミーの指令を待つ。苛立ったトライオンに怒鳴られて、やっとジェイミーが「撃て!」と命じて民兵も戦闘開始します。このシーンはドキドキしました。民兵はジェイミーに従っている訳で、総督の怒りを買わないといいけど。

ジェイミーを守ろうとしたマータフが、ジェイミーに「戦地ではためらうな」と教わった少年兵に撃たれて死ぬとは何という皮肉。助けを求め、既に息絶えているマータフを救助テントに運ぶ取り乱したジェイミーの姿に彼の衝撃と悲しみが痛いほど表れていて、辛い。そこにクレアとブリアナがいて良かったよ。でも、敵の首謀者を民兵のテントに連れてきて、誰かに見られたらまずかったのではないの?と心配。それから、「ア・ゴシュティ」ってゲール語は何ていう意味なんだろう?クレアにとってもマータフは苦楽を共にした友。悲しいお別れとなりました。

マータフの死に耐えられず、怒りと自分やイングランド軍への嫌悪感に収拾がつかなくなっているジェイミーだというのに、運悪く勝利にご機嫌のトライオンと遭遇。これまでは抑えてきたのに、トライオンに怒りをぶちまけるジェイミー。もはや代償は払った、これで縁を切るといった物言いは立場的にかなりマズイと思うのだけど、よく我慢してくれたね、トライオン。

戦闘の前にマータフに逃げるよう説得しに行ったロジャーは説得に失敗し、自分のご先祖に捕まって、何とイングランド軍に縛り首にされてしまっていた。シーズン4ではモホーク族に捕えられるわ、今度は縛り首。ロジャーの苦難と不幸は続くのね。まあ要領が悪いタイプだよね…


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