Kj的 "Rhythm"論 〜指によるイコライジング〜

唐突に。

ドラムやバチを使う打楽器において、
ショットの際に一番、重要なのは、一体、どこでしょう?

僕は、圧倒的に「指」
特に、立てる為の中指w、指輪の為の薬指w、
「コレがコレなモンで」の為の小指w、この3本が重要。

何故かと言うと、この3本の指による「処理」を
行う事で、サウンドに変化が加えられるから、なのです。

それはピアノなどの様な、タッチでもあるし、
料理で言う「アク抜き」の様なもの。
その処理を行う事で、アコースティックな打楽器は、
サウンドが「澄む」んです。

そしてその指による処理は、リズムにも影響を及ぼします。
人間の耳に心地よく聞こえるサウンドは、
ジャストのタイミングに聞こえやすいから、なのです。

圧倒的量感を持つ、重低音。
こういった楽器を使うと、人間の耳にはかすかに遅れて聞こえます。
逆に高い音の楽器は、かすかに突っ込んで聞こえるのです。
これは楽器を変え、同じ人が同じフレーズを叩いた際に、
波形で見てみると、分かりやすいでしょう。

波形のポイントが同じにもかかわらず、明らかに「ノリ」が変わる。
もちろん、高低だけが聞こえ方に影響を及ぼす訳ではないのです。

僕は、古き良き時代の様なピーキーなチューニングを好みます。
それは、自身のリズム感には、低い音のチューニングでは
「重厚過ぎる」からなのです。

打楽器は叩けば必ず「反発」が起こります。
その反発を強引に力でねじ伏せるのが、和太鼓の奏法。
ドラムの場合は、その反発を利用する方向に向かいます。
その反発を拾ってやれば、ダブルストロークなどになりますし、
ぎゅっと殺してやれば、シングルストロークになります。
そしてその「殺し加減」が、奏法による
サウンドメイクのカギとなるのです。

僕はそれを「指によるイコライジング」と呼んでいます。
エレドラやリズムマシンでは、味わえないサウンドの変化です。

ただ、これもドラマー達が行っている「サウンドメイク」の
ごくごく一部に過ぎません。
しかし、自分のスタイルを構築するには、こういった、
「サウンドメイク」が必要不可欠です。

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