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Kj的Rhythm論 〜スネアドラムのチューニングに関してVOL.2〜

さて、ではVol.2行こうか。

では、ドラムや打楽器に関して「チューニング」とは
一体、何なのか?

楽器には得てして、チューニングという行為が必要となる。
この行為は、ギターなどの音階楽器と異なる部分がある。

「明確な正解が存在しない」という事。

この事実は、打楽器の「チューニング」が、
「サウンドメイク」の性格を大いにはらむ、という事に他ならない。

では、市販のドラム教則本を開いてみよう。
そこには、なんと書いてあるだろうか?

「全てのボルトを均等にチューニングしましょう!」とか、
「緩めに張ると、ローが強調されます」とか、じゃないだろうか?

そういう事だ。
残念ながら、ドラムの「正しい」チューニング方法なんて
「存在しない」んだよ。

良く、昨今のヒット曲を聴き比べてみよう。
「おおよそ、ドラムの音ではない様な音を使ってもいい曲はある」
じゃないか。

残酷な結論を、あえて語ろう。
「ドラムの音なんて、なんだっていいのだ」
それでもその曲は、名曲足り得るのだから。


存分に打ちひしがれるがいい。
だが、それでもサウンドを追求する「勇者」にのみ、
その先の遥かなる道は、開かれる。

では、追求する為に。
ドラムや打楽器のチューニングの核(コア)になる部分を。
「自分が好きな音、自分が心地よく酔える音」を求めろ!
全ての打楽器奏者は、ナルシスティックでなければならないのだ。

僕の場合の原点、それは、ドラマーなら誰しもが知るドラマーだ。
偉大なるジョン・ボーナムと伝統を継承したチャド・スミスである。

さらに、僕のスネア・チューニングに多大な影響を与えたのは、
スティーヴ・ジョーダンや、スチュワート・コープランドである。

僕はこれらの人々から、そのチューニングを「盗んだ」
もちろん、どの人物にも会った事はない。

この各人に共通するのは、ジャズやブルーズに代表される、
キーの高い、張りつめたトーンを持つ、キレのあるスネアサウンド。
もちろん、コーテッドヘッドの持つ、中音域付近が
持ち上がったトーンが必要不可欠。

最高に酔えるチューニングを極めるには、
道具や消耗品を惜しまず、様々なパーツの特性を知り、
「盗む」事の出来る探究心が必要、なのだ。

教則本やドラム教室で教わる「チューニング」法。
それは「正解」ではなく「セオリー」でしかないという事を。
こうしなさい!ではなく、こうするといいかもよ?だという事だ。


では、実践的に。
僕は木胴、金属胴にこだわらない。
どちらでも得られる効果に正直、さほど差はないと思う。
だが、僕が求めるトーンは深さ5インチ、ないし5半。
6半では深過ぎるし、キレが悪くなる。

コーテッドヘッドと、裏ヘッドに関して。
表はコーテッド、厚さはエンペラーでも構わないが、
出来る事なら、アンバサダーを使う。
レモ社のヘッドにこだわる必要がないが、僕はレモしか使わない。
出先では圧倒的に、レモしか使えないパターンが多いからだ。
緊急時にエバンスやアクエリアンの入荷を待っていられるかい?

裏ヘッドはスネア専用のボトムヘッドであれば構わない。
ここにこだわってしまうと、上記と同じ理由で苦労する。
現場では思いの他、スネアの裏ヘッドが破れる機会は多い。

そしてスネアの場合、僕はいつも裏ヘッドからチューニングする。
まずはある程度、全てのボルトが均等になるようにする。
スネアベッドと呼ばれる、スナッピーが平らに当たる為、
深くカットされたエッジ形状の為、かなりパンパンに張らないと
全てが均等にはならない。

ここから、スナッピーに一番近い、4本のボルトを強く増し締めする。
大切なポイントとしては、スナッピーの反応を意識して、
これらのボルトを締める事。
「裏ヘッドは、スナッピーの反応を調整する為だけに存在する」
これぐらいの気持ちでチューニングするんだ。

では、表面。
そのシェル(胴)の持っている、一番鳴るポイントを探す所から。
単純でいい、どのぐらいのテンションをかけたら、
叩いた音が一番伸びるか?それを探すだけに過ぎない。

それを見つけたら、あとはそこから、崩すのみ。
僕は往々にして、そこからさらに張り、
「一撃必殺のキレの良さ」を求めていく。

ルールなんかない。
全てのボルトを均等に張る?んなもん求めるトーンの前では、
クソの役にも立たんよ。

スネアのチューニングに必要なのは、ここまで。
ヘッドやスナッピー本体など、各パーツの追求は、
教えられる事じゃない。
自分で探すんだよ、最高のものをね。
求めるのはお前さ、俺じゃない。

では、ナルシスティックに各自、キメてくれ!w

※この記事が参考になったドラマー、ミュージシャンの皆様へ
投げ銭は求めません、有料記事にもしません。
ただし、どこかのLive Houseで僕に出会ったら、
一杯、オゴってくださいw

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