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Music/Ambient music#1 BeachH2O

アンビエントミュージックを作り始めた訳

今年の頭に仕事でサウンドデザイナーの方にインタビューさせて頂く機会があった。とある光のデザインコンセプトについて意見を聞いてみるというものだったのだけれど、そこで音と光は空間に漂っているものという性質があって、意識せずともそこに存在する、いわゆるブライアン・イーノが提唱したアンビエントミュージックと親和性が高いのではないかということだった。自分も音楽好きとして「ほう、ここでイーノですか」という感想は持ったものの深く考えることはなかった。
その後仕事でマインドフルネスやヨガに取り組むことになり、それらを取り巻くあるいはそれらが作り出す環境について考えることになった。研究や観察を重ねるうちに、光や音や風など五感に作用する全ての要素たちが空間を作る重要な要素であり、良い空間はそれらがしっかり(あるいは自然と)統合的に設られていると思った。だから人々はビーチヨガや森林ヨガを求めるのだ。たぶん。

室内のアクティビティにおいて音楽は必ずかかっていた。ドラムや歌が入らず、複雑な展開がないような一曲が長いというか、途切れないような曲。それは今まで僕が避けてきたアンビエントミュージックだったり、ヒーリングミュージックと言われるような曲だった。後者は「癒されるため」に作られた曲で、音楽の本文から逸れているように思って全く聴く気にならなかったし、前者は展開もなく長いし退屈だったので聴けなかった。
しかし研究のためと思いながらアンビエントミュージックをディグっていると段々心地よく感じるようになり、なんだか落ち着く感じがしてきた。作業しながら聴いたりすると集中さえ感じるようになり、いつのまにかリズムのない曲や30分くらい途切れない曲を望むようにさえなっていった。

それからというもの、この心地よさは一体何なのか、どうやって作り出されるのか気になって自分でもアンビエントミュージックを作ってみようと思ったわけだ。

BeachH2O

https://soundcloud.com/user-886415306/beachh2o

これが僕のアンビエント初作品。見様見真似というかただ走り出したという感覚で作ったので心なしかパンク的初期衝動が感じられる気がする。
先述のサウンドデザイナーと話をして以来持ち歩いていたバイノーラルマイクで沖縄の海の音をサンプリングしていたものを使っている。
寄せては返す波、みたいな音像をイメージしたのと沖縄的なポジティブ感が伝わるようなコード感にしている。編集は全てGaragebandのみ。

出来上がった後に色々文献を読んだりしているのだがポーリン・オリヴェロスのソニックメディテーションという本を読み、なんとなく自分がアンビエントミュージックやメディテーションミュージックについて勘違いして捉えているように思うので次に作る曲はもう少し自然の声や自分の内面に耳を傾けて作ってみたいと思う。
後最近気づいたのは質の低いイヤホンで聞くと風のノイズが酷い。それに気づいて再度ミックスをし直したのだけど、改めて自然界は様々な音で溢れているんだなーと気づかされる。 



で、これから森林の音をサンプリングする旅に出るのである。

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