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「はじまりはいつも雨」と、女心。

今夜君のこと 誘うから 空を見てた
はじまりは いつも雨 星をよけて


このフレーズだけで、情景が目の前に広がって、なんとも言えないくらいの切なさやもどかしさが胸に込み上げる。

見上げた空の色、雨の匂い、音、呼吸、時間の温度。

「はじまりはいつも雨」
ASKAさんのソロ3枚目のシングルが30年の時を経ても尚、多くの人の琴線に触れ名曲として歌い継がれている。
1991年、街には彼の歌が絶える事なく流れていた。

僕は上手に君を 愛してるかい 愛せてるかい
誰よりも 誰よりも

テレビから流れてくるこのフレーズに、声に、メロディに、何とも胸が高鳴る感覚がしてhalfコンポ買っちゃったじゃないか!
シェルロックも買ったけど。

こんなにモテモテで、今をときめく色男が、
こんなにも不安いっぱいの切ない恋心を歌うなんて、しかも不安な割に幸せに満ち満ちて、彼女の名前はありふれた名前なのに、素敵な名前だと惚気ているし。
羨ましくてキュンとする。

当時好きだった彼は、バンドマンでベース弾いてた人だったなぁ。よくお願いしてASKAさんの曲とか歌って貰ったのが懐かしい。
彼に逢いたくて逢えるだけで嬉しくて、ね。
よくもまぁ、あんなに毎日毎日逢いに行ってたなぁと思う。よっぽど暇人だったのかね、私。

だけど、もっと後になって、はじまり...を聴いて思い出すのは。
例えば今、この曲を聴いて思い出すのは、1991年よりもっと後に付き合っていた彼の事なんだよな。
大好きだった。本当に大好きだった。
私の人生最大級の大恋愛だったなぁ(旦那さんではないw)
彼のバイクの後ろに乗って遠出した時、急に雨が降ってきて。
バイク停めて、どこかの軒下で雨宿りをした。
他愛もないお喋りをしながら雨が止むのを待って、「そろそろ大丈夫じゃない?」なんて、2人で空を見上げて笑った。
付き合い始めてまだ日の浅い2人だったから、色々新鮮で、お互いまだ手探りで、ほんと幸せと不安が背中合わせのようなデートだったな。
あの日の雨は忘れない。お天気雨だった。
バイクの後ろに彼の背中越しの鼓動を聞きながら風を感じてドキドキしていた。
「降ってきたー!」とか言いながら彼の腰に回した両手に力を入れて更に抱きついたのは、わざとです。

イントロも間奏(←ブリッジと言うらしい)、アウトロも、あの頃の何というかほんのりと幸せ色の切なさを思い起こさせるというか。

君を愛するたびに 愛じゃ足りない気がしてた

言葉がもどかしいってある。
この想い、なんて言葉にしたら上手に伝えられるんだろうって、よく思った。
好き。
いや、大好き。
ううん、こんなに好き。
違うな。
愛してる。
凄く愛してる。
いやいやいや、愛してるだけじゃ足りない。
愛してるよりもっと最上級の言葉ってあるんだろうか。
上手く伝えられないもどかしさがあって、時に涙が出て、幸せなのに泣けるって何なんだろうと。
どうして泣くの?と、よく彼に笑われたけど、
だって言葉だけじゃ伝わらないでしょ?

訳もなく君が 消えそうな気持ちになる


うんうん、そうなの。
好きが強すぎて、私ばっかり好きなんじゃないかと不安になる気持ち。分かりすぎて、切ない。
あなたの愛を計りたくなる。
どれくらい愛されてるの?
愛って計れるモノじゃないってわかっちゃいるけど、それでも計ってみたくなるんですよ。
そして、自分の愛も計りたくなる。

ASKAさんの曲で、どのくらい"ILove you"いうのがありますが、

I love you 君の中で僕は
今どのくらい もうどのくらい

確認したくなるのです。
女ってヤツは。
当時はじまり...を聴きながらASKAさんみたいな人でも恋して不安になるのかと、何だか嬉しくなったものだ。
懐かしいなぁ。
イントロが流れると、
ザワザワと、ムクムクと、恋する気持ちが騒ぎ始める。
雨の日って、少し憂鬱になったりもするけれど、この曲のように、雨が心地良かったりするのよね。
ただただ、窓を伝う雨粒を眺めるのも好き。

まして、

水のトンネル くぐるみたいで
幸せになる


なんて言われたら、雨が大好きになっちゃうじゃないですか?
少しくらい雨に濡れたって、君に会えるんだからさ。
幸せなんだろうなぁ。
私なら土砂降りでもASKAさんが恋人なら喜んで!←あり得ないから何とでも言う。

ここら辺を水のトンネルって表現しちゃうのが詩人ASKAだ。
愛の部品とか、ねー。
なんでこんな素敵なフレーズ思いついちゃうんだろ。

失くした恋達の 足跡をつけて

上手に愛するって、何なんでしょうねー。
教えて、ASKAさん!
あんなに大好きだったのに、失くしてしまった。
あの恋、失くしてしまいました。

これ、書きながらずーっとはじまりを鬼リピしてますが、ちーっとも飽きないんです。切なさ胸キュン持続中。
ちなみに、私は、


君を連れ出すたびに 雨が包んだ

の、雨が〜のASKAさんに1番ハート撃ち抜かれます。

Fellowsは勿論、そうでない方も知ってるかもしれませんが、「愛温計」は、はじまりの続編とか言われてます。是非是非聴いてもらいたい。

あれから30年。
未だに沢山の人に愛されている「はじまりはいつも雨」は、これからも愛され続けて歌い継がれ、勿論ASKAさんも歌い続けてくれるのでしょう。
私は何故かキッチンに立つとこの曲を口づさんでしまうらしく、ほぼほぼ、きゅうりや大根を切りながら「今夜君のこと〜」と歌っているらしい←娘談。
今宵も私ははじまりを鬼リピしながら、切なさを満喫します。
ASKAさん、素敵な楽曲をありがとう。


最後に、こんな素敵な企画を考えてくれたs.e.i.k.oさん、ありがとうございました。素敵な画像を提供してくださったダンケルクさん、ありがとうございました。
文才もアイディアも何もなく、ただただ思いつくまま書いただけの記事ですが、ちょっと懐かしい昔の恋心を思い出し、切なさを思う存分満喫させていただきました。
沢山の「はじまりはいつも雨」それぞれの「はじまりはいつも雨」を、これから散策して楽しみたいと思います。

#ASKA
#はじまりはいつも雨を語ろう
#30周年

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