愛温計。

とっても好きな彼がいました。
20代後半の恋。
凄く凄く好きで、遠距離だったんだけど、メチャクチャ好きで。大好きで。
多分、私の人生最大の大恋愛だったと思う。
だって、二人でいると幸せで、このまま死んじゃってもいいなんて思ったもんだ。はは。
いや、マジで。
そんな風に思える恋は後にも先にもないなぁ。

彼はエンヤをよく聴いていた。
私はいつもCA を聴いていて、
ある時「you & me 」が流れてきたとき、片方のイヤホンを彼の耳に突っ込んで二人で聴いたっけ。
「優しい歌だね」って、彼は微笑んだ。

今、彼は幸せかなぁ。
時々、ちょっと考える。
幸せだったらいいなぁ。

帰りの新幹線のシートに沈んで、CA 聴きながらグズグズ泣いてたなぁ、私。

なんで、別れたんだっけ。


彼の夢の足枷になりたくなかった、
なんて言えばカッコつけすぎ。
けれど、彼の夢があまりにもスケールでかすぎて。
私は覚悟出来なかったんだと思う。
いろんなこと、考えれば考えるほど怖くって、
それでもいいと、
それでもあなたと一緒にいたいと、言う私が、
彼には辛かったらしい。
だよね、覚悟出来ていないのに、
それでもいいなんて言ったら、重荷以外の何物でもないわな。
今ならわかることが、あの頃は難しかった。
若かったね(笑)。
結局、私は自分がかわいかったのかな?
わからない、そこは。
なんで覚悟出来なかったのか、愛してたのに。

今でも、彼を想うと胸がぎゅっとなる。
別れは仕方なかったと思うし、悔やんだりはしていない。
だから、今があるのだし。

彼は、夢を叶えたんだろうか。
まだ夢を追っているのだろうか。

私は夢を叶えたよ。
お母さんになったから。

未来に、
白髪のおじいさん、おばあさんになったら、
一緒にお茶でも飲みたいね、と言った恋。

ASKAさんの歌声を聴くと、昔の恋を思い出すのです。

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