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2011神埼清明高校~インターハイ直前

「連覇」

神埼清明高校といえば、男子新体操の名門校かつ伝統校。
私はずっとそう思っていたが、じつは、表彰台の常連である強豪校としての歴史は、意外に浅い。
2002年の茨城インターハイで、中山智浩監督率いる神崎清明高校は2位になっているが、その前に表彰台にのったのは、神埼農業時代の1995年だ。このときはまだ中山監督でもなかった。

しかし、2002年以降、神崎清明が表彰台を逃したのは、わずかに1度。2005年の千葉インターハイのみだ。ここ5年では、優勝2回、2位が2回、3位が1回。おそるべき安定感だ。

2011神埼夏03

しかし、そんな神埼でも、まだ「連覇」はない。
神埼清明にとって、今年は3度目となる「連覇への挑戦」だ。
気合いが入らないはずはない。
ましてや、春の高校選抜大会が中止になっている。あのとき、神埼は本気で「優勝できる」と思っていたはずだ。その意気込みや自信、気迫は十分に感じられた。
それだけに涙も出ないほどの落胆を、彼らは味わった。

あのときのやりきれなさを、彼らはきっとインターハイにぶつけてくる。
今年の神埼は、いつも以上に手ごわい。そんな予感がする。

2011神埼夏

6月に行われた九州大会で、神崎清明高校は、2位に終わった。そのときの様子を、会場で観戦していた方がレポートしてくれた。

「神崎清明は、昨年の優勝した演技以上の素晴らしい組み技からのスタートでした。タンブリングもしっかり決めていました。3つバックは、4人がスワン切り返し伏臥、2人がハーフ切り返しでした。最後の組み技が崩れてしまった結果、九州大会では2位になりましたが、全体の完成度からいうと、優勝した小林秀峰にも勝るものがあったように思います。今年の神埼の演技は、優勝を狙えるんじゃないでしょうか。」

2011神埼夏02

3月17日、選抜大会の中止の通達があったその日、私は神崎清明高校にいた。大会中止のショックを振り払うように、インターハイに向けての演技練習に向かっていったあの日の彼らの姿を私は忘れられない。あの日、まだ完成形の見えない新しい組み技の練習もしていたが、九州大会でそれはすでにお披露目されているようだ。


地元・青森でのインターハイ優勝が青森山田の悲願なら、「初の連覇」も神崎清明の悲願だろう。
どちらも譲れない大勝負は、ちょうどあと1週間後に決着がつく。

<「新体操研究所」Back Numberより>

20年近くほぼ持ち出しで新体操の情報発信を続けてきました。サポートいただけたら、きっとそれはすぐに取材費につぎ込みます(笑)。