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龍が如く7外伝クリア後感想───SEGAってのは半年で名作ゲームも作れるようになるのか───

はじめに

11/18に龍が如く7外伝をプレイし、土日を全て費やしてストーリークリアまで駆け抜けたので初投稿です。恥ずかしながら長文感想記事を書くこと自体初めての経験だったため、稚拙な点が多数見受けられるかと思います。
ある程度発売前トレーラーを見て知識がある人向けに説明を省略している用語があります。他にも、(できるだけ重大なネタバレを避けて書いていますが)トレーラーで公開されていない情報に言及したり、ストーリーの一部ネタバレを含んでいます。ご了承ください。


7外伝の良い点まとめ

  • ロストジャッジメントから進化したアクション

  • 2つのスタイルがどちらも楽しい

  • 評価の高い「龍が如く0」のシナリオライターが担当してるだけある魅力的なストーリー

  • 闘技場 DLC買ってウキウキで真島吾朗を操作しています

  • BGMとカラオケ 今回はカラオケ曲が6曲あって手厚い ばかみたいがバズったのを活かしている

  • 映像の美麗さと豪華絢爛な新エリア
     

それぞれ次以降の項目で細かく語っていく

プレイ体験の細かい概要

戦闘システム

 7外伝はコマンドバトルの7と違い、アクションに戻っている
今までの如くシリーズよりもかなりジャッジシリーズに近い(一撃が重いタイマン向けの応龍スタイル/範囲攻撃が多い集団戦向けのエージェントスタイル)
キムタクはどのスタイルでも割とタイマン・集団戦ができちゃうので、ちゃんと差別化されてるのはよかった
戦闘の特徴としては、集団戦がめちゃくちゃ多い これは新スタイルのエージェントを活躍させるための配慮だと思われる エージェントスタイルについても、4種類のガジェットを活用したアクションは今までになかったし、モンハンライズのガンランスみたいな感じでブーストして敵に突撃しタバコ爆弾をポイ捨てして帰る桐生ちゃんの絵面が非常に楽しかった

公式サイトのブーストタックル桐生ちゃん

こちらが仲間を引き連れて戦う集団戦もあるが、これには今作最大の問題点がある 後述

ストーリー概要

 (一応)カタギだった主人公・桐生一馬は、龍が如く6の件を経ていろいろあって自分の名前も戸籍も消し、エージェント・浄龍として政界で暗躍する大道寺一派にこき使われるようになる しかし整形も髪型変更もなんもしてないし、今までドスに刺されても銃で撃たれてもヘリの機関銃に狙撃されてもビルが爆発してもなんだかんだ生きてたせいで、ヤクザの皆さんは誰も伝説の極道・桐生一馬が死んだとは思っていなかった______

ストーリーの内容について

 序盤の展開は正直かなりガバガバで不安になった 大道寺一派は桐生の上司の花輪を始め、序盤は弱い人だらけで全然武闘派が出てこなかったり、序盤の桐生ちゃんはいつも通りノリとライブ感と義理人情だけで動いてる印象を受ける
けれど中盤、終盤と進むにつれ、大道寺一派の印象が良くなったり、桐生ちゃんが敵に(絵面はトンチキだけど)頭脳戦を仕掛けたりと面白さにどんどんギアがかかっていく ラストシーンではプレイヤーが画面とシンクロして泣き出すこと間違いなし

ご隠居桐生ちゃんの背中

中盤から桐生は二代極道組織を解散させる手伝いをするのだが、「極道の終焉」に様々な葛藤を抱くヤクザたちの姿が描かれていて、龍が如く7の時点ではただの厄介な敵でしかなかった解散反対派閥の気持ちも理解出来るものになっており、龍が如く7の補完としてもクオリティが高いストーリーだと感じた過去作要素やオマージュが物凄い勢いで突っ込まれるのでシリーズファンも大満足 しかしシリーズ初見でも楽しめるような配慮がされているので、7外伝から始めても安心

自分が今回のストーリー中で好きなキャラは(一応名前を伏せる)
金!暴力!セックス!の「ヤクザ」テンプレートイメージを直球でやっている男 作中で露出度の高い女性を侍らせているシーンがあるのだが、その中に男も混ざっている、なんなら他の主要キャラクター(男)のケツを掘っていた疑惑があるなど、かなり直球でバイセクシャルとして描かれていたのが(如くシリーズ本編では殆ど友情、ギャグ、崇拝、軽い匂わせで止まっていたので)珍しい

その他ゲーム要素(闘技場)

 龍が如くといえばミニゲームともいえる要素だが、自分はレトロゲーム系に一切触れてないから今回追加されたデイトナUSA2などへの言及は控える ポケサーは早く進めたいけどまだ触れていないのでノーコメント 生キャバクラについては不満点として後述
今回は発売前からウリにしていた闘技場にすごく力が入っていて楽しかった
本作の闘技場は...…なんと40人以上のキャラクターが仲間になって、しかも最大10人同時に共闘したり、好きな仲間キャラを選んで操作できる神コンテンツである
これがめちゃくちゃ楽しい 仲間キャラには龍が如く2の重要キャラ・郷田龍司にそっくりなモノマネ芸人や、龍が如く7の映画館ミニゲームで出てきた鶏頭と羊頭、赤ちゃんプレイが趣味でオムツ一丁の権田原組長など個性豊かな面々がたくさん出てくる

仲間一覧が見たことある人だらけ

ただ、操作できるとは言っても桐生ちゃん以外は□通常攻撃と何個かの△フィニッシュブロウ(だいたいは既存モーションの流用)、○とR2で出せる必殺技くらいしかなく、ヒートアクションもないので本当にお遊びといった感じ これは操作人数と半年という開発期間を考えればよくやった方だと思う 個人的にはジャッジアイズのキャラである海藤さんや杉浦、東と共闘や操作できたから"最高"とさせてほしい 「ジャッジシリーズしかやったことない」って人にもおすすめ 海藤さんと東に比べて杉浦は解放までが遅いので注意 ただ、これに関しても文句がなくもない 後述 着せ替え要素も良い 単独主人公作品には今後も入れておいてほしいと思った、キムタクを自分でコーディネートできたら絶対楽しいので

難易度設定

 難易度設定が今までの如くの3段階+最高難易度やロストジャッジメントの5段階難易度ではなく、3段階のみになっている これは「能力データを引き継いで2周目」ができない弊害か、難易度調整に時間が足りなかったのだろうか
自分は最初真ん中の難易度のSTANDARDで進めていたが、とあるキャラを護衛しながらの戦闘でどうしても敵を殲滅する前に護衛対象が倒されてしまうので難易度を下げた 自分が駆け足でストーリーを進めていたこともあり、エージェントスタイルの強化が足りてなかったのが敗因だと思われる え?お前が下手なだけ?なに?なんだと?何が言いてえ
裏ボスの亜門はまだ戦っていないがシリーズ最弱らしい これを足がかりに全作亜門撃破に乗り出してもいいかもしれない

グラフィックとマップ

今作の舞台は横浜・異人町、大阪・蒼天堀、そして海上に浮かぶ"キャッスル"
えっ!?これを半年使い捨てで!?となるレベルでクオリティの高いキャッスルや、自由に歩き回れる蒼天堀を歩いて回るのは最高に楽しかった 自分は道頓堀に行ったことがないのでマップの正確性についてはコメントしかねるが、テレビや広告で眺める街並みを実際に歩いているかのような体験ができるのは如くシリーズ共通の優れている部分と言える
そして今作の画面は龍が如く7やロストジャッジメントに比べて、青く暗めなどちらかというと龍が如く6や極2に近い色味 そのおかげか、7の時よりもギラギラしたネオン色の強い夜の風景が楽しめる

BGMとカラオケ

最高〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!ラスボス戦BGM一生聴いてる!!!!!!!!
この開発期間で神曲を複数用意する有能作曲陣には感謝しかない
カラオケのほうも維新極で追加された「いちず侍」のアレンジ版やいつもの「ばかみたい」などあるが、やっぱり特筆すべきは新曲「さよならSilent night」
曲もいいが何より背景に流れるミチオくんのMVで初見プレイは動揺してミスりまくった

NTRソング

他にもストーリー中に協力関係になる赤目とのデュエット曲「Like a butterfly」 も良い 赤目を演じるファーストサマーウイカ氏の歌唱力の高さに圧倒された

悪い点

癖が強いスタイル

タバコ型爆弾「蛍」や、ブースト移動しながらタックルする機能「蛇」などは無強化だとめちゃくちゃ使いにくい
敵を縛る「蜘蛛」もエージェントで掴みを出そうとして何回も誤射したので個人的には嫌い

3DSゲーム並の仕様

個人的に一番問題だと思った部分はここ
闘技場であんなに集団戦を押していたのに、快適な集団戦に一番あってはならない"フレンドリーファイア"が存在する
途中で共闘する獅子堂というキャラの攻撃で吹っ飛ばされまくった時は怒りを通り越して昔のモンハンやってる気分だった 他にもモンハン4Gか?と思う仕様はある
闘技場のキャラの中には回復タイプが存在し、R2で必殺技を使うと回復するキャラもいるのだが、とあるキャラは回復中にガッツポーズするのでその間に攻撃されまくる
それだけなら操作キャラとして使わなければいいじゃんと思えたかもしれないが、「有料DLCで解禁されるシリーズレギュラーのキャラ」でそれをやられたらいくらなんでも困る しかも好きなキャラでプレイアブル化を楽しみにしていたので本当にガッカリした

生キャバクラ、ちょっと恥ずかしい

今までのキャバクラはリアルに作りすぎてあまりかわいくない3Dモデルの棒読みのキャバ嬢に貢いでカラオケに拉致アフターでデートするゲームだったが、今作のキャバ嬢は実写かつ、攻略報酬は謎の実写ムービーである これが"生っぽい"ですか...…
キャバ嬢になんの興味もない側としては唯一のご褒美だったカラオケが無くなり、実績解除以外でやる必要が無くなってしまった その他にも実写になったせいでプレイ画面を他人に見せるのが恥ずかしいという問題もある ヤクザの殴り合いゲームをリビングでプレイすることを許容してくれている家族にもこの画面を見せるのは正直厳しく、3Dモデルがどれだけマシか思い知らされた

実質蒼天堀だけのマップ

発売前は異人町も歩き回れるような雰囲気を出していたが、いざ異人町に行くと(7のストーリーと矛盾を起こさないためか)1/3程度のマップしか歩き回れない
これもクリア後の自由探索で歩き回れたらいいのにと思ったが、開発期間の都合もあるんだろう

総評

桐生ちゃんが龍が如く0(1988年舞台)から今現在までここに至るまでの道のりは無駄ではなかったことが、今年から龍が如くにハマった自分や龍が如く7からシリーズをプレイし始めた人、そして初代龍が如く(PS2、2005年発売)からシリーズを追いかけ続けた人たちにもよく伝わった名作
あまり評判の良くなかった龍が如く6のストーリーのその後を素晴らしく描き切り、ジャッジシリーズで培った技術を無駄にせずシステムUI面で活用できたと言えるだろう
確かにもっと時間があれば掘り下げることができたであろう部分や、集団戦部分の見直しなど短期で制作されたことによる欠点も多く存在する
だがこれをプレイしたおかげで龍が如く8への期待が一層高まったので、半年で形にして出したのは正解だったと思われる

最後に

いま龍が如くシリーズにちょっと興味あるな〜くらいの人はSEGAが頻繁に行うセール中の購入がオススメ!
おすすめは通常時でも2000円で手を出しやすい龍が如く極
ストーリーやゲーム性評価が高く、名言「誓って殺しはやってません!」や「兄貴の好きなケジメです」が出てきた龍が如く0
2024年1月に発売される桐生・春日ダブル主人公の龍が如く8に向けて、主人公の春日一番の物語を描く龍が如く7
そして今作、龍が如く7外伝 良さについては長々と語ったので割愛

自分は今年4月に龍が如くシリーズにハマってから半年ちょっとになりますが、ここまで本気でハマって初めて4000字超えの感想文を書くくらいには好きになったので、7外伝とSEGAには感謝しかありません 8も即買って楽しもうと思います

ゲーム画像は全て龍が如く7外伝公式サイトより引用 公式サイトのリンク
https://ryu-ga-gotoku.com/gaiden/

これはヒロインを小脇に抱えてガジェット「蛇」で加速するエージェント・浄龍

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