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「百姫夜会」の余録めいたもの

「百姫夜会-傷痕契ル乙女達-」最終3巻。
12/21に発売となりました。
なのでかねてから予告してたとおり、原作としての総括を少々。

誌面ではお手本のような「俺たちの戦いは~」EDだったわけですが、
無理なくまとめられるよう意識し続けていたので、駆け足ではあれど、話
がとっちらかったままで終わることはなかったのがさいわいでした。
コミックスのほうでエピローグも加筆してもらえたので、孝美といつき
たちの物語はきちんと完結できてホッとしています。
(もっと細部まで掘り下げて描きたかった気持ちはあるけどネ)

そんなワケで応援してくださった皆さんへの感謝をこめて。
メインキャラたちについて少しずつフォロー解説させていただきます。

◆孝美(タカミ)
 本作の人間ヒロイン。家庭環境もあって色々とこじらせたJK。
現実にいてもおかしくはない空気感を求めた結果、自発的に動かないと
いう困ったちゃんに。「空気読み=共感力」で事態を解明する役でした。
完結にあたり、ちゃんと前向きにしてあげられてよかったです。

◆いつき
本作の人外ヒロイン。名前は妖怪の「縊鬼(いつき)」から。
孝美の分までポジティブにした結果、亡霊らしからぬ愉快な子に。
バトルスタイルもスパイディで、動かしてて楽しかったです。
語れなかった生前は、レディースの特攻隊長→看護学生。
過去のツケで更生に失敗。そのまま自死しました。

◆深華(しんか)
まともに見えてズレてる先輩。来歴というより「聖教」の理念が独善的
なため、信心するほど過激になる仕組み。時節的にこの話題も触れると
マズい気がして控えた結果――面白系いじられパイセンになりました。
披露できませんでしたが、最終的には「聖歌(チャント)」を歌いながら
飛翔する火の鳥になるはずでした。紅白のラスボスかな?
 
◆薔薇(そうび)
こじらせ女装系亡霊男子。名前は紅子さんが好きだった薔薇の花から。
コンプレックスの塊で、妹に羨望と妬ましさを同時に抱いているせいで
成仏できないという設定でした。あの女装は同化願望だったわけです。

◆蘭々(ララ)
リスカ常習者で雰囲気ビッチ。生家は有名地方議員のお嬢さま。
より強い権力に「わからせられて」ボロボロになり、振る舞い全てを演技
しているヤバい子――になるはずでした。ならなくてよかったのかも。

◆縷々(ルル)
リスカ現場で地縛霊してた元ホステスさん。彼女も男運がなかった模様。
けだるい雰囲気はタレントのYOUさんをダークにしたイメージで、経歴も
活かして年少組のお悩み相談に活躍してもらう予定でした。
なお初期名は鬼々(キキ)でしたが、怒られそうなので断念しました。

◆七海(ななみ)
競泳水着で夜の街を徘徊するいかがわJK。「水を経由した転移」が武器
だから仕方ない。ちなみに高飛び込みでは有名な選手だったりします。
ヒットマンっぽい能力なのは、本来キリコさんの刺客として襲ってくる
予定だったからです(寝てる間にカナンが憑依してやらかす予定でした)

◆夏南(カナン)
シャチなマスコット系亡霊。実は最年少。生前愛用の浮き輪の姿です。
完全憑依したデザインも存在しますが、実際の連載では会話をオミット
したこともあって未登場でした。誰こいつ?になりそうだったし。

◆古城戸(ふるきど)神父
信仰する宗教に懐疑的なエクソシスト。シニカルというと聞こえがよい
ですが、要は世の中にすねているわけです。ロクな大人がいないな。
ヨーヨー殺法はビジュアル化したらすごかった。流石のいふじ先生。
実は「聖遺物ジュワイアーズ」伝承者で、聖騎士たちの元教導官。
洗礼名【ロランド(ローラン)】はそれにちなんだものです。

◆盟神館(くがたち)さん
神道かんなぎ流・陰之階(実務部隊)のトップ。表の仕事は陽之階。
やんごとなき方面のエージェントなので権力も資金力もすごいです。
最終回ではキリンの式神を召喚してましたが、切り札は別にあり、
「戦姫」&「護姫」の2体の式姫を使役する三位一体バトラーです。
なお本作の組織は全て、都月が伝奇系過去作で扱っていたものなので
無駄に細部まで設定があったりします。多分またどこかで使う。

◆【聖教】の方々
老シスターこと【ブロッケン】さんは鉄拳聖女さま。
聖水とホワイトセージを充填した水タバコ型法具で霧を作り、そこに
投影した巨大な影を用いて殴りつける豪快な女傑でした。

侍者【ティアティラ】は教団の連絡係。名前は七人の御使いからです。
ラストで使ってたのは「グラフィックポイ」による魔方陣展開。

◆タカシおじさん
実はいつきのことも視えていて密かにガクブルしてました。
もうちょい出番あげたかった。投資ネタとか。

以上となります。
でもって、ここから先はもーちょいディープな創作的総括と反省。
初の漫画原作と月刊連載で学んだことを備忘録的にまとめます。
あえて有料にしとくので興味ある方だけのぞいてやってください。


●漫画原作をやってみて
 文字原作は台本形式でやりネームからお任せしました。
 最初は小説っぽくやってみたけど書き下ろしだと無理でしたね。

 まずは尺の難しさ。ト書きだと1行で済むのが漫画じゃそうはいかない。
 そして場面転換と時間経過のやり方。
 漫画ではこれを多用すると「読みづらさ」に直結してしまう。
 なので群像劇をやるなら話単位でないと難しいのかなあ、と思います。

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