063.他人が思っていることは、なかなかわからないもの…。
ある土曜日。
私は家族と一緒に、車で遠出をしていました。
夕方、外出先から帰る途中の自宅近くにある交差点でのこと。
赤信号で止まったところ、私の前を走っていた車も同様に赤信号で止まったのですが、ふとその車を見てみると、以前に私が勤めていた会社の車だということに気づきました。
しかも、仲の良かった元同僚がいつも使っていた車。
その時も、その車のルームミラー越しにその元同僚が乗っていることが分かりましたが、いつごろから私の前を走っていたのか全く気づかず、信号で止まってからようやく気づいたのです。
本来なら、その時間帯は、会社の車で出る時間帯ではなかったのですが、「急用でもあったのか、なかなかいそがしくて大変だな。」などと、元同僚に対して思っていました。
私がその車のルームミラー越しに元同僚を見てみると、私が気づくより前に、私のことには気づいていた様子で、元同僚も私のことを見ていました。
そして、ルームミラー越しに私のことを指さして、少し笑っている様子だったのですが、私から見ると、その笑い方は失笑というか小バカにするような笑い方に感じたのです。
私はその元同僚の様子から、私に対して「ずっと前を走っていたのに全然こっちに気づかねぇな。どこ見て運転してるんだか。」などと思っているのかなと感じていました。
その日は、遠方で子どものミニバスの大会があったため、朝早くから外出していたのですが、元同僚からそのように思われているように感じて、「朝早くから遠くまで行って、子どもの試合の応援をしてきて疲れているし、気づかないのも仕方がない。」などと、実際に言われている訳でもないのに、言い訳まで考えていた程です。
その時は、私も家族がいましたし、元同僚も仕事中だったので、そのまま特に話などをすることもなく終わっていました。
ところが、後日、その元同僚と会う機会がありました。
その時のことを思い出し、「そういえば、あの時、あそこですれ違ったね。」などと話すと、その元同僚は「あの時、俺のこと『こんな時間まで仕事して、本当に仕事が好きだねぇ』って思ってバカにしていただろう。あの目は絶対そうだ。」などと言ってきたのです。
私は、その言葉を聞いた途端、吹き出しそうになりましたが、「そんなことはないよ。」と言って、そのまま話を流すことにしました。
その元同僚とは、結構、というかかなり仲が良い方だったのですが、それでもお互いが思っていたことは、全くの的外れ。
他人が思っていることは、なかなかわからないものだと思いました。
長い時間一緒にいれば、それなりに相手の思っていることがわかってくることもあると思います。
事実、私もその元同僚と一緒に仕事をしていた時には「この様子だと、こうゆうことを考えているな。」などと、仕事のことに関して会話をしなくても、お互いの考えている事がわかるということも多々ありました。
そのような関係でも、当たり前と言えば当たり前ですが、今回のようなお互いが的外れということもあります。
もしかしたら、今回のように相手と直接話ができないような状況で、相手が自分に対して何かしら思っていることがあるというような状況になると、自分に対してネガティブなことを思っているのではないかと考えてしまうのかもしれません。
一種の防衛本能が働いて、そのように考えてしまうのかも。
私だけかもしれませんが…。
今回のことで、他人が思っていることは、なかなかわからないものだと改めて感じると同時に、一概には言えませんが、他人が自分に対してネガティブなことを思っているということもあまりないのかもしれないということにも気づかされました。
自分がよほど、何かネガティブに思われるようなことをしていれば別ですが…。