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【πEDH】パイオニアEDH雑感 - パイオニアEDH通信 Vol.1

パイオニアEDH(以下πEDH)をしばらくやったので感想。結論から言うと結構良ゲーなのでおすすめ。



パイオニアEDHのルール

【パイオニアEDH構築ルール】
統率者戦の構築ルールに従い、デッキ枚数は統率者を含め100枚。

使用できるカードは『ラヴニカへの回帰』以降のスタンダードセットに収録されたカード。(パイオニアと同じ。)

「パイオニア」での禁止カードは使用可能。統率者戦での禁止推奨カードは使用不可。

【パイオニアEDHゲームルール】
統率者戦と同じく、初期ライフは40、統率者ダメージのルールあり。


ゲーム感

相当強めに組んでもゲームレンジは6-8ターン。

戦闘4割、コントロール4割、コンボ2割のウェイト。
コンボへのアクセスを充実させた完成度が高いデッキをまだ見て無いのでそれ次第。体感ではコンボを揃えるより殴り殺した方が早い。

近年の品のないマナ加速が追加される前、《変幻の大男》解禁前のしっとりとしたEDHを体験できる。3ターン目までは安全に過ごせる懐かしい風味。

 2マナ設置で1マナ出すマナクリや4マナで2マナ出るマナファクト等で毎ターン土地置くだけのプレイヤーと比べて圧倒的に差がつく。マナクリは全除去で流れがちなのに対して、アーティファクトは触られない。

一番槍(一番最初に仕掛けるプレイヤー)は妨害でかなりのテンポロスをするので遅めのデッキにも結構チャンスがある。

現状ではテーブルの役割が
・一番槍
・除去係
・ミッドレンジ(二番槍)
・重コントロール
になりがちで、ミッドレンジ1人対処すれば勝つ係になれる重コントロールが勝ちやすい。

非青の横並びデッキは非推奨、サイクロンリフト問題に直面する。

サイクロンリフト問題とは

カジュアルEDHにおいて、《サイクロンの裂け目》を超過で打たれる前に勝利できる展開力を持つデッキはカジュアルには相応しく無いとして排除される。故に横並びに展開して戦闘で勝利するタイプのデッキは大抵《サイクロンの裂け目》超過が間に合ってゲームから脱落する。青や赤のデッキであれば《サイクロンの裂け目》をカウンターできるが、そうでなければ数ターンかけて展開しなおす羽目になる。

カジュアルEDHにおいてカウンターを含まず横並びでの戦闘を主体とするデッキは《サイクロンの裂け目》がある限りチャンスが薄いという事実、及び事実陳列罪を恐れて誰も教えてくれない残酷さなどを総称して「サイクロンリフト問題」と呼ぶ。

πEDHにおいてはカードプールによって早いマナ加速が使用できず、《サイクロンの裂け目》超過が間に合う事がほとんどである。そのため度々この問題に直面する事なる。コントロールによる《精霊龍、ウギン》の採用率も高く、横並びの殴りの賞味期限は7-8マナのラインにある。


有効な戦術

・マナクリ

《エルフの神秘家》等によるマナクリチャーでの加速が最も早い。一見弱い2マナのマナクリでも採用すると質の高いマナクリしか採用していないプレイヤーとの差が付く。マナクリは質より量。《隠遁した剥製師》でさえも現段階ではプレイアブル、というか強い。

・マナファクト

いつものEDH。《汚損破》は飛んでこないので気楽。
ピラミッドを建立して勝つ係になろう。

・土地ランプ

《成長のらせん》《耕作》《都の進化》等

フェッチランド+追加セット権+世界のるつぼ系

土地を破壊できるカードが極めて少ないので一番確実で全除去にも強い。準備が必要なので少々遅く、気軽に採用できる《当惑させる難題》でかなり冷える。

・宝物

日に日に増える宝物サポート。《黄金架のドラゴン》や《嵐窯の芸術家》は強いが繰り返し誘発させるには構築に工夫がいる。

・踏み倒し

統率者固有の踏み倒し能力を利用。爆発力と安定感ではトップ。《ドラニスの判事》で統率者が出ないと暇になる。

・リセット

クリーチャー環境なので全体除去を複数回打ってリソース勝ちを狙う。3人相手にリソース勝負するので統率者領域にアドバンテージ源を置くのが重要。

リセット>マナクリ>ファクト>リセットの相性

・コンボ

《むかつき》みたいな簡単カードが無いのでなかなか揃わない。《悪魔の意図》や《願い爪のタリスマン》はある。

《真実を覆すもの》+《タッサの信託者》ゲーか?という意見があるが墓地が3枚以上あるだけで決まらないので相当無理がある。


パイオニア禁止カードについて

πEDHにおいてパイオニア禁止カードは使用できる。今一度これらのカードを振り返ってみる。

・問題なさそう

《欄干のスパイ》
《地底街の密告人》
《表現の反復》
《隠された手、ケシス》
《豊穣の力線》
《夢の巣のルールス》
《むかしむかし》
《密輸人の回転翼機》
《時を解す者、テフェリー》
《死の国からの脱出》
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
《軍団のまとめ役、ウィノータ》
《荒野の再生》
《夏の帳》

多人数戦ではさほど脅威ではないカード達。

・有名な勝ち手段

《真実を覆すもの》
《運命のきずな》
《守護フェリダー》
《死者の原野》
《歩行バリスタ》

有名なだけで簡単では無い。現時点でπEDHで一番強いコンボはサヒーリ+フェリダーだと思われる。

・過ち

《王冠泥棒、オーコ》

2ターン目から魔王戦がスタート。禁止すべきとは思わないが別ゲーではある。

・パイオニアに存在したことが無い

《血染めのぬかるみ》
《溢れかえる岸辺》
《汚染された三角州》
《吹きさらしの荒野》
《樹木茂る山麓》

パイオニア制定時から存在しなかったカード。
フェッチランドはユーザーに受け入れられているが過ちの1つ。

フェッチ・ランドが多用される環境は、私たちがスタンダードに求めるものではありません

フェッチの話をしよう――『Secret Lair: Ultimate Edition』発表

との事なので対抗色フェッチがスタンダードに追加されるのは絶望的。

簡単に5色マナ基盤を安定させ、デッキを探して混ぜてタイムロス、墓地から繰り返し拾える、複数の上陸を簡単に誘発等、パイオニアのカードプールにおいて相応しくない挙動を多数誘発する。《水連のコブラ》や《創造の座、オムナス》がいつも脱法マナ加速をしているので無い方が望ましいと思いつつ、自分は5cデッキ使いなので「特に問題ない」とポジショントークしておく。

・EDH禁止

《不屈の巡礼者、ゴロス》
《呪文追い、ルーツリー》
《パラドックス装置》
《クルフィックスの預言者》
《森林の始源体》

無期懲役の方々。上の軟弱なカード達とは面構えが違う。森林の始源体だけは大丈夫そう。

・所感

パイオニアの禁止改定が多人数戦まで影響を及ぼすべきではないので、2人構築にて禁止されたカードが使用できることは問題無いと思う。

「パイオニアEDH」を初めた当初はその名前から当然フェッチランドは使用できないと思っていた。複雑な土地基盤を構築した後に使用可能であることを知り、泣く泣く入れ替える。フェッチランドが使用可能だと知っていればこのフォーマットを始めていなかったので振り返れば良い勘違いだった。


研究成果のお裾分け

・タフネス1

序盤のマナクリを倒すことによるテンポは非常に重要。《両手撃ち》や《祭殿壊し》は採用に値する。特に《水連のコブラ》とフェッチランドによるマナ加速を放置することは危険である。

これを理解しているとタフネスが2以上のマナクリが強いことが分かる。《祭殿壊し》を警戒すれば《楽園のドルイド》より《隠遁した剥製師》が優先される。

・神の怒り

全体除去は《告別》や《圧倒的な波》などの追放やバウンスが望ましい。4マナの全体除去を1-2マナの破壊不能を付与する呪文で躱されるとかなり痛く、「破壊する」の信用度は低い。

逆にクリーチャー並べるデッキは現段階では破壊不能付与を気持ち多めに積むと良い。全体破壊を躱し続けると人々が全体破壊は通用しないと気づいて追放やバウンスに移行してメタが変化する。

・単体除去

遅いデッキの場合は軽量な単体除去を多めに積む必要が出てくる。何もしないと自分が3ターン過ごす間に《創造の座、オムナス》が4ターン目を迎えて9マナ出す事を考えると無妨害で乗り切れるフォーマットでは無い事は分かるだろう。

・《探査の短剣》

《探査の短剣》はスランの発電機と同じマナ効率を持つ。統率者が飛行だと強い。

・強いカード

πEDHにおいて相当な強さを誇るカード5選。

  1. 《眷者の神童、キナン》

  2. 《水連のコブラ》

  3. 《創造の座、オムナス》

  4. 《永久の睡蓮》

  5. 《彩色の宇宙儀》

御覧の通り全てマナ加速に関連したカード。パイオニアのカードプールではなかなかマナが出ないので、強いマナ加速が強い。足回り(マナ基盤)が最もデッキ構築で差がつくポイント。

・強そうな統率者

[BRO]までの高性能な統率者を抜粋。

キナン、ウィノータ、4Cオムナス、5Cジョダー、ジェイコブ・ハーキン、ヨーリオン、アネシ辺りが頭一つ抜けている。

1v3を捌ける統率者はいないので、強いほど妨害を吸う事を考えると強い統率者を持ち込む事が正解とは限らない。

・ハウスルール

πEDHが広がりだす前はパイオニア禁止カード禁止、初期ライフ30で遊んでいた。ライフ30だとかなり戦闘系のデッキにチャンスがあり、皆が想像するような「カジュアルなデッキ」にかなりチャンスがあった。本家同様のライフ40だと無限ターンややる気破壊コントロールがかなり強くなるなという印象がある。ライフ40の青白コン2人相手にアグロデッキは全く勝てる感じがない。


まとめ

マナ加速が限られるので理不尽が無く、しっとりとした良ゲー。

カード資産では差がつかないのでデッキ構築とプレイングを磨くのに適したフォーマットだ。


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