KOLOSS guitars②(追記あり)
先日は無事に香港からKOLOSS DIY KITが届いた。
https://www.kolossofficial.com/product/13.html
パッケージの中には何が入っているのか?
細部を見ていこう。
ロゴ入り専用段ボールとケース。フィルムにより保護されている。
箱を開けた内部。今回はホワイトカラーをチョイスした。
硬質なスポンジが多層接着され、型がぴったり取られている。
●予想以上にきっちりしてた中身
まずボディ。
A7075:超々ジュラルミンの削り出し。
トップ用とバック用2枚がビスにより接着され、
事実上のホロー構造となる。
BELCAT製ハムバッカー、BH-23のフロントリア。
出音はプレーンで「いかにもな安価ハムバッカー」な印象。
ローミッドがブーミー気味。
ロゴ入りつや消しブラックロトマチックペグ。
これも質はチープ。内部ギアのかみ合わせに個体差が大きく、
回す際にトルクに波がある。
付属しているペグ固定ビスが折れやすいので注意。
サンドブラスト的なつや消しブラック塗装のされた、
2点止めシンクロブリッジ。アームは差し込み式。
かなり重圧なサステインブロックで、ピエゾサドル仕様も考慮された
ザグリや、弦の通り道が斜めに加工されていたり、かなり汎用性が高い。
1点、注意点がある。このブリッジ、どうやら
ベースプレートは約10.6㎜仕様で、サドルは約10.2㎜の可能性が高い。
1弦と6弦サドル下に施された、横ブレ防止用のベースプレートザグリと、
サドルのイモネジピッチが微妙に噛み合っていない。
塗装の個体差なのか、仕様なのか、マジで合ってないだけなのかは不明。
バックパネルとつや消しブラック舟形ジャック。
小さいパネルはネックジョイント部分に使用する。
ロゴ入り小箱達。小さい方には電装系パーツやネジ、ビス、スプリング類、
大きい方には弦1セットが入っていた。恐らくゲージは09-42。
安価なギター弦によくある手触り。調整用弦と割り切りたい。
A500Kが2つ、妙にレバー部が長いミニトグルと普通のミニトグル。
1ボリューム、1トーン、PUセレクターとタップSW用途。
コンデンサーはクロレッツ(マイラの223)これも好みで変えてもよし。
驚いたのが、スプリング系統のすべてに熱収縮チューブが施され、
「共振対策」されている。トレモロスプリングには後加工でよく施す
テクニックだけど、PUスプリングにまで施しているのは初めて見た。
ブラックのメタルノブ。イモネジは六角。内径は6㎜。
指板は400R、薄すぎず太すぎないCシェイプのネック。
スペックには「カーボンファイバー製」と書いてあるけど、
所謂ウェットカーボン積層のカーボンではなく、どちらかというと
FLAXWOODのネックやグラフテックのサドル材的な見た目。
ヘッドにはボディと同色のパネルがはめ込まれている。
内部は幾何学的に補強され、テンションピン増設可能な予備エンザート、
ロックナットも付けれそうな予備台座も見える。
樹脂的な見た目。サラサラしている。
シリアルはプレートではめ込まれ接着されている。僕のはCGS1000222。
「Crafted in P.R.C」とあるけども、これはPeople's Republic of Chinaの略。
つまりMade in Chinaと同じ。
ロッドはダブルアクションのホイールナット。ジョイント部には
エンザートが仕込んである。ロッドの効きはかなり硬めに感じる。
見て分かるように、指板材をネック側にはめ込んで接着されている。
ブラスがはめ込まれたサイドポジションマーク。傷が残ってたり出っ張ってたりする。そのへんは良い感じにDIYして仕上げてくれ、ということだろう。このキットは「完成品」ではない。自分で細部まで弄れる玄人向けだ。
トレモロアームの他に、妙に短いアームが付いていた。
なんじゃこりゃ?と思ってたのだけど…
ホイールナット回す用のアームだった。
まるでマスコンのブレーキハンドル。
ボディ裏側。9Vバッテリーボックスが付いている。
しかしこのキットについているPUはパッシブ。
…サービスが良すぎやしないか?
スプリングハンガーは専用のアンカーブロックに接続され、
鉄鋼ビスにより確実に締めれるようになっている。
(そりゃここでタッピングビスとか出てきたら萎える)
ストラップピンはナットに接続する。実に合理的な構造。
内部全景。ボディ外周に配置されたナットはトップ側に固定されており、
蓋をする際にズレることはない。
●これで送料込み299ドルは異常。
何故ここまで安く売れるのか、不思議でしかない。
中国会社の工場資本がデカイとここまでコストさげれるのかと。完成品でも399ドル。価格破壊もいいところだ。
非木材ギターは割と多く存在するけど、構成的にはオーストラリアのEtherial guitarsが近い(アルミ、ステンレス、カーボン、アクリルを多用)
ただ、あちらはボディ構造が「オープン」で、KOLOSSは「ホロー」
非木材同士ではあるけど、アプローチは真逆。
以前所有していたEtherial Elith7。
中にLED仕込んだらバッキバキに隙間から光が漏れるくらいオープン。
生鳴りは0。超武骨でソリッドな音だった。
●2020 12/1追記
要約すると、
「コロナのせいで輸送コストが上がってしまい、値上がりを余儀なくされた」との事。
先程サイトを確認したら、299ドルから359ドルに変わっていた。
続く。