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ゴスペラーズ『月光』から着想した掌編


『今日はどう?体調』

「まあまあ良いよ、まだちょっと熱あるけど」

『そっか
食欲は?』

「しっかりある。
昨日持ってきてくれた食料、めちゃくちゃ助かってる
あとアイス、熱あると有難みが違うよ
ありがとう」

『それはよかった。
そういえば今日、中秋の名月だよ』

「そうだった」

『一緒にお月見したかったな』

「ごめん」

『こればっかりは仕方ないね
でもどこからもらったんだろうね、誰よりも気を付けてたのにな』

「わからんな
だから今後も気をつけないと、お互い」

『そうだね』

「治ったらドライブでも行こう」

『いいね』

「どこ行きたい?」

『考えとく
温泉がいいかな〜』

「了解
薬効いてきたからまたしばらく寝るわ」

『うん、何かあったら言ってね』

「うん。おやすみ」

おやすみ、のスタンプが返ってきて、今日の会話が終わった。

寂しい想いをさせているのはわかっているつもり。
けど、「寂しい」って言葉を敢えて使わないってことは、俺が言えなくさせてるってことだよな…
ごめん。
もう一度会えた時に、ちゃんと伝えよう。
そのためにも、一刻も早く健康を取り戻さなくては。

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今度こそ(?)北山さん快癒祈念ということで。
これは菲才の実体験を踏まえての掌編…にもならないただの画面上のやり取り、って感じかな。
祈りまくったらそっこーで元気になるとか起きればいいのにな。

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