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エフェクター修理 wampler pedals_dual fusion


※Xにポストしたものと同内容です。
エフェクターの修理・改造承ります。
ご依頼ご相談はXまたは以下からお受けしております。



エフェクターの修理依頼を受注致しました。 wampler pedalsのdual fusionというオーバードライブです。写真を撮り忘れた為分解後の写真です。。 音が途切れたり小さくなったりするとのこと。

音出しチェックをしたところ、フットスイッチの不具合がありそうです。グリグリすると音が途切れます。左右のスイッチ両方で同じ症状が見られました。スイッチの交換がベストかと思います。

裏蓋を開けました。フットスイッチはコネクター式になっていて基板ごと外すことが出来ました。作業しやすくて良いです。ただスルーホール基板の為、基板から外す所が難所です。9ピンの部品なので尚更難しい。。ヒートガンで炙って外せればいいのですが。 メーカー修理なら基板ごと交換でしょうな。

スイッチの内歯ワッシャーにアースの配線が施されていました。ここからケースをアースに落としているようです。しかし、塗装がべったりなので絶縁されてしまっているような?ワッシャーの歯が食い込んでいる様子も無いです。内側の塗装をヤスリで削ることにします。

あと、トグルスイッチのハンダ付けが雑な場所があります。ハンダが綺麗なスイッチもあるので、これは修復跡かと思われます。中古で買ったものとのことなので、前ユーザーが修理したのかも。 ランドにハンダが馴染んでおらず、いずれ不具合が出そうなのでハンダ付し直したいですがランド剥がれが恐い…

全ての部品を外してさらに詳しく見ていきます。塗装を痛めないようマステを貼らせていただきやす。。

分解完了。ナットとワッシャーにサビがありますな。それも綺麗にしたいっすな。

中により線の千切れたやつみたいなのが入ってました。これはショート原因になりそうなやつ!バラしてよかったー

ハンダが雑なスイッチの反対側。ハンダが溜まりまくって大変なことになっとる!魚肉ソーセージの金具みたいになっとる。。 全体的にハンダがうまく乗っていないようです。フラックスを塗ってコテをあて、修正を試みます。

作業を進めていきます。 まずはすぐに着手出来るケースアース部の塗料除去から。 ダイヤモンドヤスリでカリカリ削りました。その後テスターで導通を確認。 地味な所ですが、ケースの静電シールド性能が上がるのでノイズが減る効果が期待出来ます。

続いてナットとワッシャーのサビを落とします。音には関係ないですが、ほっておくとひろがりますので。

ネジザウルスリキッドを使います。サビが紫汁となって溶けます。

まあまあ綺麗になったのでヨシとします。

他の金属パーツは無水エタノールで拭き取ります。このエタノールは10年以上前に買ったんだった気がしますが全然減りません。

ジャックの接点も、無水エタノールで磨いておきます。酸化膜が取れて音が良くなる、、かも。

意外と結構汚れてた。これは本当に音が良くなったかも。

ハンダの乗りが悪かったトグルスイッチ部、やはりランドが傷んでいて綺麗にハンダが乗らない。が、フラックスを塗ってコテをあてて、、多少マシになったかな。 フラックス洗浄液で拭き取ったら汚れも綺麗に。 それより中央手前のパターンが千切れかかっているように見える。補強しますか。

パターンの上のレジストをカッターとヤスリでカリカリ削って銅箔を露出させました。

そして銅箔の上をハンダで厚めにコーティング。 補強完了。

ハンダ吸い取り器をMyNewGearしたので作業再開。スイッチ取外し。 圧倒的効率でハンダを除去出来たのですが、まだスイッチが外れません。これがスルーホール基板の厄介なところで、ちょっとでもハンダが残っていると外れないのです。 ヒートガンで9ピンを同時に加熱して、残ったハンダを溶かします。


この状態でヒートガンをあてます。 ハンダが溶けたらスイッチの自重でポトっと落ちるはず。 コネクター側は加熱したくないので紙で養生。 フラックスを塗ってから加熱します。

取れましたー! 自重では落ちず、横から軽くツンツンしたらポトっと落ちました。

スイッチ2つ除去完了。 ランドの銅箔を剥がさないよう、慎重な作業が求められる難所でしたが無事クリア出来ました。やはり持つべきものは良い道具。。 フラックス洗浄液で基板を綺麗に拭き取りました。

スイッチを付ける前に、基板をケースに組み戻していきます。 ポットのナットが一つ、ネジ山がつぶれていたので新しいものに交換しました。 ナット類は色々持っています。



フットスイッチのプラワッシャーのバリが気になるので、削って綺麗にしました。

before
after

スイッチの高さを微調整。下側のナットが緩まないようにネジロックを塗っておきました。

スイッチの基板を直接コネクターで脱着しているので、高さと位置合わせが結構難しかったです。 スイッチを垂直に調整したところ、スイッチ基板のほうが斜めになりましたがこれは仕様です。 ナットを締めて固定し、この状態でスイッチをハンダ付けします。

スイッチハンダ付け──完── この状態で音出しチェックしたところ、問題無さそうだったので、ツマミを組み付けて蓋を閉めます。

wampler pedals_dual fusion 修理完了です! シャープな歪みからファットな歪みまで幅広くカバーする使いやすい歪み。音域のレンジが広くて好きなサウンドです。


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