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89. わたし、ダイジョウブ。

大丈夫、大丈夫
仕方がないと頭では分かってる

「大丈夫?ごめんね」
と言われればダイジョウブですって
言うしかないじゃないですか。

気を張って頑張って、頑張って
別にいいのだけど
なんとなく、蔑ろにされてるようで
自身のダイジョウブに、心が軋んだ。

どんなに笑顔で頑張ってても
ひとつのことで信頼は削がれるし
その頑張りはまるで無意味なようで
見てもらえてないような気さえして

人間、疲れればミスが出る。

本当は労り合うしかないんだ
みんなみんな疲れてる。

でも何故か
ひとりで頑張ってしまっている気がしてしまって
都合のいい人をしすぎてしまって
過ちを指摘されるのに必要以上に傷ついて

涙を落としながら
保護者に見つからないようにと
アンテナを張りながらも
暮れなずむ空、ひとり、歩いて帰った。

頑張って頑張って頑張った
『コンとあき』のきつねのぬいぐるみコンは
ダイジョウブ、ダイジョウブと言いながら
ドアに挟まれ曲がった尻尾はそのままに
砂丘に埋まるのだ。

ダイジョウブ、ダイジョウブ、ダイジョウブ……

いい大人だけど、たまにはさ
その人の前では頑張らなくてもいい
「おばあちゃん」にお風呂に入れてもらって
破れたところを繕ってもらったりしたいのだ。

でなければ本当の本当に
大丈夫にはなれないから。

全てのダイジョウブ人間に敬意を込めて。

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