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【ミドルスクール】ゴブリン調整記 ~2~

今回のテーマ

前回の調整記にて私の”調整・選択の基準”に挙げさせて頂いた、対コンボデッキにおけるゴブリンの立ち位置と対峙方法を語らせて頂きます。
まず前提として、クリーチャー横並び型のコンボには比較的優位を取れますが、その他のコンボデッキ・ロックデッキには基本的には不利なデッキタイプとなります。


仮想敵となるコンボデッキ種

全てのコンボデッキをご紹介出来ていないとは思いますが、当記事ではリアル大会にゴブリンデッキを持ち込む際に私が意識・想定している内容をアウトプットする事を目的としておりますのでご了承下さい。
それではそれぞれのデッキと対局した際のゲームシナリオと、取れる立ち回りについて見ていきたいと思います。

※“遭遇率”は月1~2回程度の私個人の都内での大会参加経験からなる体感ベースです。参加者やメタゲームの流れで変動致します。
※”不利度合い”は一般的な[ゴブヴァンテージ / Gobvantage]型(*M:TG WiKi参照)を使用したと仮定します。
※対応策にはゴブリンデッキを調整する上で比較的無理なく採用出来るカードを代表例として挙げさせて頂いております。

コンボデッキそれぞれに対するゲームプラン

vs [パララクス補充 / Parallax Replenish]

【遭遇率:★★★★☆ | 不利度合い:★★★★☆】
とにかく《パララクスの波/Parallax Wave》が天敵です。一般的なアグロ構築では相手のダメラン自打点を加味しても3~4T目のコイツの着地だけでゲームセットとなるパターンがあります。ただでさえ3~4T目《補充/Replenish》という最速フィニッシュ手段も受け入れざる得ないのに…
サイドボード後は《寒け/Chill》に《法の領域/Sphere of Law》にと踏んだり蹴ったり。

【対応策】
まずは諦めない心、これが最も重要です。エンチャントのどれか一つ、または《パララクスの潮流/Parallax Tide》だけであればなんとかなる場合があります。
そしていきなり私の構築論の核心部分へと迫ってしまいますが、墓地対策に加えてハンデスが解答だという結論に至り、タッチ色に黒を採用しております。トップデッキ以外の《補充/Replenish》を捌き落としながら、白マナを《リシャーダの港/Rishadan Port》と《不毛の大地/Wasteland》で縛っていく事で《パララクスの波/Parallax Wave》の着地を許さないゲーム展開を狙います。黒を採用するもう一つの理由に、相手のリーサルに《パララクスの潮流/Parallax Tide》が絡んで無かった場合、返しのターンに《生ける屍/Living Death》から《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》でのスタック空中戦勝ちが残ります。
正直、対パララクス補充戦は相手のフルスロットルには太刀打ち出来ない為、相手が置いてくる土地をじっくり観察して、押すのか・縛るのかを見定めていきます。

対峙する側にもスタックルールの理解度が求められる

vs [リアニメイト / Reanimate]

【遭遇率:★★★☆☆ | 不利度合い:★★★★★】
相手方が先行1T目に《水蓮の花びら/Lotus Petal》→ 《納墓/Entomb》→ 《再活性/Reanimate》と繋がったら、そのまま土地も置かずに2戦目にいきましょう。その時に重要なことは必ずターンは貰ってドローをし、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》やスタイフルノートが揃って盤面を返せる可能性を秘めていた雰囲気を醸し出す事です。(既に顔&プレイマットメタされている私は最近出来ていない)※マリガン数によってはリアニメイトミラーの可能性も残せるので。
サイドボード後に墓地対策を入れない理由は無いのですが、《ドルイドの誓い/Oath of Druids》《実物提示教育/Show and Tell》《要塞の計略/Stronghold Gambit》などで戦術展開してくるので、読み合いが非常に楽しいマッチではあります。

【対応策】
メイン戦の一本目はほぼ諦めています。相手のデッキをカットする自分の腕を信じるのみです。
サイドボード後の二本目からが本番となりますが、ハンデスと墓地対策を取れる黒タッチ、置物破壊と墓地対策を取れる緑タッチともに正当化されると思います。個人的には《悪魔の布告/Diabolic Edict》が間に合う為、黒に軍配をあげております。そしてなにより召集型であれば、一体目のリアニメイトを弾く、または吊り上げを遅らせる事が出来れば十分《生ける屍/Living Death》が間に合います。当然リーサルでもありますが、時と場合によっては全体除去としても有能です。

リアニメイトと分かった時には既に負けている可能性大

vs [エルフ / Elf]

【遭遇率:★★☆☆☆ | 不利度合い:★☆☆☆☆】
うちの《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》がすみません。現場からは以上です。

【対応策】
サイドボード後《適者生存/Survival of the Fittest》から先に《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》を速攻持ちで着地されるケースがあります。落ち着いて《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》をサイクリングして下さい。相手の場にいるゴブリンもカウントします。

エルフ村の先祖達の恨みが…

vs [エンチャントレス / Enchantress]

【遭遇率:★★☆☆☆ | 不利度合い:★★★☆☆】
真っ直ぐに走り合うとスピード負けするマッチもありますが、こちらも《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》が蓋をしてくれるため、しっかり動ければ負けにくい印象です(勝ちやすいわけではない) 。相手の構築によって有利不利が大きく分かれますが、最速リスクラフト着地や、メインから《仕組まれた疫病/Engineered Plague》をピン刺しされている様なチュータープランにはしっかり蹂躙される事が多いです。

【対応策】
特に《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》が完走しやすい事もあり、オーソドックスなスライ型でサイドボード後に置物に触れる緑タッチが優勢です。黒を取ってハンデスに回す場合、《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》の初手存在有無と《陰謀団式療法/Cabal Therapy》の的中率で勝敗が分かれます。《繁茂/Wild Growth》系が付いた基本地形を《リシャーダの港/Rishadan Port》で制限する事でロングゲームに持ち込む事も可能ですが、時間を稼いでいる間に《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》を経由している暇が無く、どれだけ直接《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》と《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を引き込めるかが見極めポイントになります。

相手の構築内容によって有利不利が大きく変わる

vs [オース / Oath]

【遭遇率:★☆☆☆☆ | 不利度合い:★★★☆☆】
コンボというよりはコントロールに分類されるデッキかと思いますが、ゴブリン視点ではコンボデッキに棲み分けて立ち回る方が戦い易い印象です。ガチャ感の強い相手ではありますが、基本的に真っ直ぐ走ろうとすると毎ターン繰り出される脅威のクオリティ差で太刀打ち出来なくなります。1T目の相手のセットランドでデッキタイプが判断しずらいのも相手側の強みですが、知ったところでゴブリンの展開は止められないのが相性的にも厳しいところです。

【対応策】
少し[リアニメイト / Reanimate]のサイド後の戦い方に応用出来る要素が含まれますが、召集型の黒タッチではそこまで不利にならない可能性が高いです。私のリストは一般的ではない《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》不採用型ですが、実はこれだけで[オース / Oath]にはある程度対抗出来ます。1マナ圏を自害可能な《モグの狂信者/Mogg Fanatic》《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》だけにしていることで、《ドルイドの誓い/Oath of Druids》の誘発をさせる事無く、溜め込んだフルパワーの放出で1~2パンチで勝ち切ります。お互いの土地縛り戦略の噛み合い次第な部分もあるので、決して一方的にゴブリン有利となることはありません。緑タッチの場合、当然置物破壊はサイドインしますが、相手も全力で《ドルイドの誓い/Oath of Druids》を守ってくる為あまり信頼度の高くないプラン設計になります。

デッキの色を見て判断する

vs [スタイフルノート / Stiflenought]

【遭遇率:★★★☆☆ | 不利度合い:★★★☆☆】
当たり前ですが、《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》はいつ出てきてもシンドイです。こちら小粒につき2パンチでしっかり負けます。後手1T目の雑なフェッチランドの起動を《もみ消し/Stifle》され、それが基本的に《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》か《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》な為《意志の力/Force of Will》のあるデッキでない事がバレて2T目にドレノ爆誕パターンも良くあります。青くないデッキの性ですね。

【対応策】
こちらから下手な隙を作らなければ、相手の《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》即着地以外はゴブリン側がゲームリードするケースも頻発します。相手が4枚しかないピースを探し求めて掘り進む間に、こちらが盤面マウントが完成すれば逃げ切れるからです。また、スライ型でたまに採用される《かまどの魔除け/Hearth Charm》がメインからマッチアップを優位に進めてくれる事があります。スライ型であればドレノ一体は処理する事を条件にスピーディーに攻めきる、召集型であれば相手の数アクションを弾いてロングレンジでゲームプランを取る事になるので、出力差はあるもののゴブリン側も真っ直ぐプレイすれば良いと感じています。

ゲームスピードをどう読むかが勝敗の境い目

vs [ループ・ジャンクション / Loop Junction]

【遭遇率:★☆☆☆☆ | 不利度合い:★★★★★】
使用者こそ少ないものの、純粋に相手のクリーチャーが捌けないため非常に不利なマッチとなり印象です。《ダールの降霊者/Daru Spiritualist》と《特別工作班/Task Force》を処理する手段がなく、気付けば無限ライフに突入しじっくりゲームセットまで持ち込まれます。

【対応策】
相手の勝ち手段を咎めることは不可能に等しい為、サイドボード後は途中ルートのクリーチャーを《終止/Terminate》等のダメージ以外の除去方法で処理しつつ、高速で殴り切るしか無いと思います。1マナ圏の雑に消費しても良いクリーチャーも多く存在している事から、《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》が走り切る事も困難です。設置した経験は無いですが、割られる事はある前提で《夜の戦慄/Dread of Night》を貼り重ねてみるのは有効かもしれないですね。

処理不可な鉄壁生物達がかなりキツい

vs [ドゥームズデイ / Doomsday]

【遭遇率:★☆☆☆☆ | 不利度合い:★☆☆☆☆】
あまりn数が無いのですが、互いにそれぞれやりたい事をやるゲームになる印象です。その上で不利に感じない要素としては引きムラが少ないゴブリン側の方が安定性が高いからです。相手方の練度次第では痛いところで《燃え立つ願い/Burning Wish》→ 《紅蓮地獄/Pyroclasm》を綺麗に差し込まれ逆転を許すパターンもあるので、過剰展開は禁物です。

【対応策】
正直ハンデス以外の解答は用意出来ませんが、こちらがコンボルートを理解する事で何を抜くべきか判断し易くなります。あまりガードを上げる必要のある仮想敵では無いかもしれませんが、黒タッチを握る際はレガシーでも良いので対戦動画や解説記事に目を通しておく事をお勧めします。青単ストームの様なデッキに近しいコンボルートを辿ってくる為、知見を高め研究しておく事に損は無いかと思います。

相手の状況が想像出来ないと一気にひっくり返される

vs [ドネイト / Donate]

【遭遇率:★☆☆☆☆ | 不利度合い:★★★☆☆】
同様にn数の少ない相手にはなりますが、雑に繰り出される《Illusions of Grandeur》だけで2~3T稼がれてしまいます。白や赤でクリーチャー除去枠を確保しているタイプには圧倒的に不利ですが、青単構築であればライフ40点まではなんとか削り切れる可能性があります。

【対応策】
緑タッチしていればサイドボード後に《帰化/Naturalize》一枚で大きくゲームを優勢に進める事が出来ますが、それ以外はかなりの爆発力が要求されます。《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》は勿論、《水流破/Hydroblast》を跳ね除ける事の出来る《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》がスピード展開出来るハンドをキープ基準に設定します。採用しているのであれば《ゴブリンの紅蓮術士/Goblin Pyromancer》のようなバフで相手のプランをズラす動きも有効です。

ブン回った方が圧倒的快感を得られるマッチ

vs [アルーレン / Aluren]

遭遇率:★☆☆☆☆ | 不利度合い:★★☆☆☆
レガシー同様、なかなか遭遇する機会が少ない分、当たった際に知識が無いと高確率で突然"分からん殺し"を喰らう事になります。メイン戦は知恵比べとなりますが、サイドボード後は《絶対の法/Absolute Law》や《仕組まれた疫病/Engineered Plague》といった相手の採用カードを場に定着させない事が重要となります。

【対応策】
《魔の魅惑/Aluren》設置後、《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》と《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》が揃っていれば形勢逆転します。相手が前方確認の出来ない構築であれば、この2枚である程度封殺可能です。無限ライフまで到達されてしまうと返す手段が無い為、《モグの狂信者/Mogg Fanatic》や《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》で睨みを効かせつつ、相手の必要そうな色マナ土地を縛ってビートダウンします。個人的には対戦経験値がかなり要求されるマッチアップだと思います。

お互いの噛み合い次第で処理難易度が増す

総論

今回はミドルスクール環境をコンボ・ビートダウン(スライ/ミッドレンジ)・コントロールに分けた際に最もゴブリンが苦手とするコンボデッキに対する私の印象を書き起こしてみました。
仮想敵に対して自分がどのようにサイドボードを決定しているのかを再認識する良い機会にもなりましたし、改めてデッキ自体どのような速度を目指して何色をタッチすべきか(または赤単)検討する材料になると思いました。
コンボだけをみてコントロール等へのガード下げては本末転倒ではございますが、5~8回戦の大会をしっかり戦い抜けるデッキに仕上げるべく、コンボ対策は最適なカード選択と対戦練習が重要になります。
また、環境において"赤”という色がしっかり対策される傾向にある為、ゴブリンについてもしっかりその煽りを受けております。
次回以降はもう少しゴブリンデッキ側の内容にフォーカスした記事が書きたいなぁ〜と思っております。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。
また次回。






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