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79. 屋上にて

焼きそばパンです。
もしよろしければいかがです?

え?いらない?あぁ、そう。美味しいのに。

…提案ですが、その眼鏡を外してみるのはいかがです?せっかく視力がお悪いのでしたら。

そう背を丸めてないで、ほら、ご覧なさい!
いい眺めですよ〜 一面の青!


この世はとかく残酷で
それでいて美しい

いちいち心が痛まないように
それでいて自身のいびつさがまぎれるように

ぼんやり。ぼんやり。

ね、それくらいが丁度いいでしょう。
そう思いませんか?


ただ目の前の小説の活字が見えればそれでいい。
空想の世界にいられればそれでいい。
そうでしょう?

(にんまり笑って)

あなたは、他人の死には恐ろしく敏感なのに
自らの死にはずいぶん積極的なのですね

お優しくて良いことで
献身的で良いことで


そのよく見えすぎる視力だけに頼っていたら
一番大切で目には見えない"ここ"が
叫び声をあげてることに
腐臭を漂わせてることに
決別という選択肢しか与えてやれなくなる

ねぇ、だからここに来たのでしょう?
「僕」とオハナシしてるこの状況、分かってます?

僕が誰かって?
さぁ〜?分からないならいいんです。

あぁ、そろそろ時間みたいだ。
それではまた、そのうちにお会いしましょう?
そのうちがいつになるかは、あなた次第。

では。

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79/100 「めがねをはずすところ」
見えにくいくらいが丁度良いこともあったりしてね。それで心が守れるのなら。

「絵描きさんに100のお題」に文章で挑戦中。
http://kuusouya.web.fc2.com/Story2/h_100.htm

一人称替え、部分抜粋、アドリブOKです。

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