タンパク質ガイド肉編

料理人になって憧れたのが肉の火入れ
誰よりも美しい断面を目指してやっとポジションに着いたけど
思ったようには、焼けなかった。
そこでそもそも肉って何かと調べ出したのがきっかけで辿り着いたことを
まとめました。

長いですが読んでいってください

タンパク質の反応 肉

50度でミオシンが変性を開始 
熱によってミオシンが収縮して弾力が生まれる

56度コラーゲンが変性を開始 
この温度から徐々に柔らかく溶けていく。

60度肉の色が変性し始める。
ロゼになっていく頃合いの温度

66度アクチンが変性を開始
熱が加わってタンパク質が収縮すると
水分が外に出してしまう。「肉汁」を排出してしまう。

肉や魚に含まれるタンパク質は、加熱による変化で凝固していきます。肉は種類にもよるのですが、46~58度の間で変化が起きます。60度を超えてくるとその変化が顕著になり、細胞が壊れ過ぎて肉汁が溢れ出てしまう。そうならないようにギリギリの温度管理をする事でジューシーな肉を焼くことができる。

魚に関してはもっと低い温度帯での管理になり、38~48度の間です。魚は刺身(生)でも美味しいのですが、適切な加熱による魚の油脂分の融解と魚の肉汁(魚汁?)が溢れ出るギリギリに仕上げることで、噛んだ瞬間に旨味が広がり、より美味しさが伝わりやすくなる。肉に比べて美味しいゾーンが狭いので、プロの料理人でもその管理は難しい。

・前提として、全ての肉は塩をしてから加熱します。どんなにちょうど良く火入れをしても、塩がなければ旨味は引き出されないし美味しく感じにくいからです。異論は認めます。
またどれも焼く前に1時間ほど常温に出して温度を上げておきましょう。3~5度から始めるよりも、15~20度から始めた方が、時短にもなるし、肉へのストレスも減ります。
肉といっても家禽類から四つ足、ジビエなど様々ですが、一般的な鶏肉からいきます。

鶏肉も胸肉ともも肉でその性質は違います。

胸肉はご存知の通り脂肪分が少なく、加熱しすぎるとすぐにパサパサになってしまう。世の中にある鶏胸肉の商品はほとんどがパサパサしているので、一般の方には『そうゆうもの』という意識があるかもしれませんが、ちゃんと管理すればとてもジューシーで美味しく仕上がります。

中心温度は54~56度。胸肉を焼く場合は両面をこまめに返しつつ焼き、片側だけ焼き続けないように気を付けます。両面から徐々に中心に向けて温度が上がって行くイメージ。

湯煎の場合は、真空パックにし58度の湯煎で45~50分加熱します。どちらも芯温計で測りながらやると失敗しません。焼くというよりは温めるといった方がいいかもしれません。

短距離走ではなく、マラソンのようにゆっくり加熱を進めましょう。

一転もも肉はもう少し高い温度で加熱します。筋肉質で、筋などもあるもも肉はしっかり加熱することで本領を発揮する。

中心温度は62~64度。骨つきの場合は骨のきわが火が入りにくいので、温度を測るときに気を付けましょう。そしてもも肉は皮側が反りやすいので、始めに身の方を軽く焼きます。そうすることで皮側が剃りにくく焼きやすくなります

もも肉は皮が厚いので、胸肉とは違い皮目中心で焼いていき、たまに身側も焼きます。(ここも焼くというよりは温める感覚。

皮を焼いている間身側は加熱できないので、たまにフライパンに触れさせて、常に温かい状態を保ってあげましょう。)カットしたときに肉汁が溢れ出るくらい(胸肉は閉じ込める)に加熱できると嚙み切りやすく旨い!

余談ですがもも肉はコンフィ(脂で煮る)にもします。その時は90~95度をキープしたまま3時間ほど加熱します。

こちらはタンパク質を完全に加熱して繊維がほぐれるようにして柔らかくします。ジューシーとは違う良さがあるのでこちらもオススメです。放置できるのもいい

実は、私ミニ豚を飼おうか迷っております🐷って言うのは、置いといて


続いては豚肉。肩ロース、ロース、ヒレ、バラなど部位が様々ですが、ロースに注目していきましょう!


中心温度は58~60度。豚肉は赤いとダメですが、白くなるまで火入れするとただのパサパサの肉になってしまいます。そうならないようにこの温度を目指します。背脂がある場合は先に焼き切ってから加熱します。大きな塊でローストする場合は表面だけ焼き色をつけてオーブンでの加熱をお勧めします。

二人前(200~300g)の場合なら、表面を焼き200度のオーブンに2分入れ、5分休ませる(出来れば暖かい

ところで)を繰り返しながらゆっくり中心温度を上げていきます。

肉全般に言えますが、40度くらいまで加熱は緩やかですが、40度を超えてくると温度が上がりやすくなります(体感的に)。40度を超えたらオーブンに入れる時間を短くして調節してみましょう。

オーブンに入れている間は表面が乾燥するので、背脂を焼いた時の出てきた脂をとっておき、塗りながら焼くと水分を保ちながら焼けます。


ヒレ肉は鶏胸肉のように焼いてあげるとジューシーになります。中心温度は少し低めの54~56度くらいがいいでしょう。

豚バラスライスの冷しゃぶが好きなのですが、この時も白くなるまで茹でずに、ピンクと白のギリギリで加熱を止めると柔らかい豚しゃぶが出来ます。茹でる前に一枚一枚はがしておくのも重要。冷やす冷水を出汁にしてあげると旨みが逃げずに美味しくなるのも忘れずに。

豚バラスライスを焼く場合は、もうちょっと焼いた方が良いかな?くらいで加熱はやめましょう。余熱で火が入り過ぎるのを防げます。

みなさま豚とイノシシの違いってご存知ですが?

ブタとイノシシの遺伝子の違いは? ご指摘の通り,ブタイノシシを家畜化したもので,分類学上も両者は同じ種(学名Sus scrofa)です。 ... つまり,「ブタ」というのは単に「家畜化したイノシシ」を指す呼称であって,ブタという単一の系統がイノシシとは別に存在するわけではないということ

最後は、牛肉!

レア、ミディアムレア、ウェルダンとありますが、僕は断然レア派。今回は特にヒレ肉について。せっかく牛肉を丁寧に焼くなら、思い切っていい肉を買いましょう。適度にサシの入ったヒレ肉ほど至高なものはありません

初めは超強火で焼きます!フライパンから煙が出るくらい強火にしましょう(警報機気をつけて!)塩をしてすぐに焼きます。時間が経つと水分が出て焼き色がつきにくくなってしまうからです。

牛肉は特にメイラード反応(焼き色)が重要で、それ無しには語れません。なので最初に両面焼き色をつけてから、今までのようにゆっくりと温度を上げます。

中心温度は49~52度(レア)56~58度(ミディアムレア)それ以上でしっかりした火入れ(ウェルダン。これに関してはあまり興味がなく、赤いのが嫌いな人が頼む印象なので、深く考察してませんw)

焼き色をつけた後は、一度フライパンを洗い、弱火と中火の間の温度でコロコロと全体を返しながらの加熱。面倒見るのがめんどくさい場合は豚肉のようにオーブンを使いましょう。結果として芯温が適温まで上がれば完成です。(熱源による仕上がりの違いは好みです

「和牛」とは日本の在来種をもとに、交配を繰り返して改良された牛の品種名であり、原産地とはまったく関係なく次の4品種だけを示しています。
・黒毛和種(くろげわしゅ)
主な産地…日本全国
・褐毛和種(あかげわしゅ)
主な産地…主に熊本県、高知県
・日本短角種(にほんたんかくしゅ)
主な産地…主に岩手県、北海道
・無角和種(むかくわしゅ)
主な産地…山口県
和牛といえるのはこの4品種と、4品種間の交雑種を「和牛」と呼びます。日本国内で出生し生育されたものに限られ、ほかの品種で和牛を使うことは禁止されています。
また、日本の和牛飼育量のうち黒毛和種が約90%を占めています。

国産牛とは
国産牛とは、日本国内で飼育された牛のことをいいます。
したがって、どこで生まれた牛でどんな品種の牛でも、日本で飼育された期間が最も長く、日本国内で食肉用に加工された牛(精肉したもの)は「国産牛」と 表示されます。
乳牛種であるホルスタインは、日本の牛のイメージが強いようにありますが、実はオランダの外来種。
ホルスタインの雄は、乳製品を生産できないので、ほとんどが食肉牛として飼育に回されますが、日本で生まれ育っていても、和牛ではありません。
逆に、外来種や外国で生まれた牛であっても、日本国内での飼育期間の方が長く、日本国内で食肉用に加工されれば、国産牛として扱われます。
日本国内で精肉・加工品として使われている牛は、半分以上の割合でホルスタインとなり、その生産量の多さから国産牛とは、主にホルスタイン種を指しているといいます。
畜産物の産地について、以前は「3ヶ月ルール」という例外規定があり、外国産牛でも日本で3ヵ月飼育すれば、国産牛として売る事ができていました。しかし、平成16年9月より、国産牛は品種に関係なく、牛が生まれてから、と畜されるまで、最も飼育・育成された期間の長い場所(最長飼養地)を原産地として表示することがJAS法で制定されました。
交雑種
肉用牛と乳用牛をかけ合わせたものです。
別名F1といいます。
和牛に比べて安価で、スーパーに国産表記で売られている牛肉は、この交雑種か乳用種であることがほとんどです

  • No1. 滋賀県 近江 近江 滋賀の恵まれた大地で農家の愛情が育てた日本を代表する極上肉。

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