ぱーらーやまうち3

僕らなりの働き方改革|パーラーヤマウチとレストラン今昔物語

これまで何度も講師をさせていただいた三幸学園さんと一か月以上の打ち合わせを行い、今回は学校を飛び出し僕のお店でイベントが出来る運びとなりました。食材も機材もなんでも揃っている学校というビニールハウスから飛び出し、違った環境でも普段通りのパフォーマンスを発揮する楽しさや難しさを学生の皆んなに感じてい欲しいと思いずっと粘り腰の交渉をしていました。

さて、どうも無類のパフェ好き&ハードネゴシエーターの山内 賢一郎です。

前のnoteでも書きましたが、専門学校は勉学、お店は実学、中間がないのが困りどころだなと感じていました。下の記事で少し触れまています。

そこで今回は自分が出来る範囲内での小さな企みではありますが、正式に発表できるレベルまで来ましたのでお伝えさせていただきます。

まずは今回のイベントの概要です。

1)三幸学園スイーツパフェの生徒に売値1,200円を上代としたパフェのアイデアを出してもらう。
2)書類審査にて4名まで絞り込む。
3)RESTAU K YAMAUCHI のスッタフ二人が選抜された二名をそれぞれ担当し、レストランで出せるまでの形のお手伝いをする。(←今ちょうどここのタイミングです。)
4)選抜4名は実際にRESTAU K YAMAUCHI の厨房で仕込みからサービスまでを体験してもらい、自分の作ったものをお客様に目の前で味わっていただく。

今回のイベント狙いはこちらです。
学生について

■数日とはいえ高級店で働くことで自信につなげてほしい
■一足先に社会に出たお店のスタッフと一緒に働いて、現場でしか得られない学びをどんどん吸収して、未来の自分の為に役立たせてほしい
■お店には液体窒素やら、エバポレーターやら料理人のおもちゃがたくさんあるので、若者の無限の想像力とかけ合わてより自由闊達なメニューを作ることが出来る
■少額とはいえ自分の考えたもので実際にお金を動かすという責任感を感じてほしい
■イベントへの参加を通じて、学校の生徒さんやこれからこの業界に入ってくる子達の高級店に食べに行くと言う心理的ハードルを下げることが出来るかもしれない(一度行ったと言う経験から一ランク落としてあげれる。)
スタッフについて ~シェフ働かざるして、働き方改革~という試み
『人間は自分の為より他人のための方がよく働き、よく動く』という言葉に倣い、スタッフの自己犠牲の精神をくすぐってみようと思います。未来ある後輩のために一肌脱いでもらい、一人一人がシェフとして若い子へのアドバイスをしてもらいます。アドバイスや一緒に作り上げていく工程を通じ人に伝える、育てる、教えることに対する責任感や難しさに気づけるのではないか。彼女たちが実際に手を動かすことはほとんどないけれども、メンターという立場から是非自分たちが成長するためのヒントを見つけられたら素敵だなと思っています。

そしてイベントの詳細はこちらです。
開催期間:1月13日、14日、15日
開催時間:12:00-17:00
開催場所:レストケイヤマウチ 
料金  :1,200円
※イベントの期間は予約制ではありません。是非気軽にお越しくださいませ

ということで、香港のイベントにゲストシェフとして僕が参加し、お店にいない期間恒例の『ヤマプチ シリーズ』ですが今回は「ヤマパフェ」です。パフェオンリーという企画ということで、3日間限定で"PARLOIR YAMAUCHI"の誕生です!今回は僕のお店で出すということで、皆さんのパフェのイメージをいい意味でぶち壊そうと皆んなで作戦会議中です。

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お店も忙しい時期ですが、僕自身ここからパフェを徹底的に何層にも分解→再定義→再構築して、当日は皆さんが新しいパフェとご対面できるように後方支援していきます。

思い返せば、僕が辻調の学生時代に思い描いていた楽園(La Vie en Rose)って正に今自分が働いているお店だなって思うんです。あの頃は幻想の世界の楽園に一種の憧れと恐怖を抱いていました。どんな服を着て行ったらいいのか、注文はフランス語じゃないといけないんじゃないのとか、物音を立てたらると追い出されるのではとか思っていました。(昔も今も物音を立てて追い出される店って、どんなお店でしょうね(笑))

一方で僕と同じような偏見で勝手に垣根を作っているを方もまだまだいたりするんじゃないでしょうか。もちろんお店は日本語も通じますし、作法が違っているからと言ってお客様を追い出すなんてお店はありません。でもやはりなかなか勇気が出ない気持ちはすごくわかります、オーナーとして働いている僕もそうでした。初めて食べに行くまでのフレンチってやっぱり"おフレンチざます"みたいな印象ってありませんか?あれなんなんでしょうね。いつもスネ夫のママがちらつく感じ。

とはいえ食べる方はまだよくて、いざ自分が働き始めた時というのは恐ろしい。正確には"恐ろしかった"です。僕がシェフを目指し修行していた頃の師匠達は正に現場の叩き上げの当代きってのスターシェフばかりで、当時の皆さんはキレッキレッのバッキバッキでしたので、、、(大変でした小声)

今はそんな時代じゃないし、僕らの世代のシェフたちが一生懸命レストラン業態のあり方を変えようと各々に奮闘しています。そんな中で僕も少しでも解決できればと思い、今回の小さな企みを企てた次第です。高級店でパフェを出すなんて僕が若い頃では考えられなかったですし、ブランドが落ちたとお客様に思われるかもしれしません。ですが今回チャレンジをする方を選びました。万が一ブランドが落ちたとしても、また上げればいいだけですし。そんな事を気にしていたらいつまで経っても何も始められません。現状維持は退化です。

三幸学園には本当に感謝しています、ある意味僕と同じ匂いのする人種が生息しているのかもしれません。現場にいる我々と学生を送り出す学校が一緒に手を組むことで新しい価値を提供できる気がしています。地方のレストラン業界という視点で見ると、お客様もお店も学生もそれなりのN数(母数)はあるのに、結局は都会に獲られてしまっているのが現状ですだからこそ僕たちのような地方のグランメゾンやファインダインのレストランが先陣を切って、積極的に地域の学校とレストランをつなげるハブとして機能していくべきだと考えます。せっかくレストラン業態に興味があって専門学校まで行ってる子達が地方から離れてしまうのは名古屋にこだわり"地産知称"を謳っていた僕としても残念でした。

ですが今回のイベントを通じ同じ志を持っている仲間がいることが分かりました。これからも自分の日々の心がけ次第で未来は変えられると思っています。

作りたい未来を緻密にイメージし、僕は前に進み続けます。アップデートは怠りません。

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