欲しかったコトバ

「色々あるけど俺はそんなものも含め好きだよ
そしてあなたを大切に思ってくれる人は沢山いるから」

苦しくなっちゃったーって、夜中に送ったライン。
それに対してくれた返信。

たぶん、今までも言葉にしてくれていた。
ココロを閉ざして、壁を作ろうと必死だった私に、彼はずっと伝え続けてくれていた。

だけど、私はそれに気付いていないフリをしていたし、信じようとしていなかった。

その言葉が、今になって届いた。

涙が出た。
固まったココロを溶かしていくみたいに、溢れてこぼれた。

リスカ、タバコ、根性焼、お酒、男。

東京で暮らしている間、これに逃げなきゃ生きていけなかった。
これだけが生きている実感をくれた。

何百何千の切り傷。
フィルターを噛み潰したタバコ。
腕に残った火傷の跡。
アルコールアレルギーの身体に残る湿疹。
気持ちのないセックス。

虚しくなるだけだって分かっていながら止められなかった。
これが私の全てだった。

もちろん誰のことも信じていなかった。

信じれるのは痛みだけ。
そんな私を見捨てずにいてくれたのが、彼だった。

名古屋に帰って来た今だから思う。

私はたくさんの人に気に掛けてもらっていた。
たくさんの人に大切にしてもらっていた。

それを伝え続けてくれたのも彼だった。

今ね、毎日楽しいよ。

3年後、彼に笑って言えるように。
それまでなんとなくでいいから、生きていたい。