ファンクラブを抜けた話

こんにちは。たかはしです。

みなさんは「ファンクラブ」に入会していますか?
その人を応援したい人たちが集まったり、限定イベントの参加やグッズの購入ができたりと、嬉しい特典があることが多い。いわばファンであることの一つのステータスとなっています。
今日は、それを脱退した話になります。


2023年3月。私はとある方のファンクラブに入会しました。入会した理由はその人のことを「近くで応援したかったから」。
主にファンクラブ限定イベントに参加しましたが、とにかく驚いたのは、こんなにも距離が近いものなのか、ということです。ツーショットを撮る、近くでお話する、なんならあちらから近寄ってくる。ファンとしてはこの上ない幸せでしたし、なにより同じ人を応援する仲間も見つけることができました。
頑張っている人を「近くで」「応援する」ことで自分の中の頑張ろうという気持ちを奮い立たせることができました。


では、なぜ抜けたのか。
それは、自分のあり方を見失ったから。

他愛もない話をしたり、ライブや舞台の感想を直接伝えられたりできるというのはファンからしても願ってもないことなので最大限有効活用してきました。
ありったけの感謝と賛辞を伝えたい!!!

……そこで止まっていればよかったんです。

それをするたび、それでは飽き足らず、もっとファンサービスが欲しい、認知して欲しいという本来あるまじき欲望が湧いてきていたのです。
そうされていたらラッキーくらいに思うべきものであって、求めるものではない。あくまで自分は「応援したい」のであって、「応援されたい」「認知されたい」というのを前面に出すのは邪だと思いました。ましてや万が一認知されていたとして、その上で自らの行いのせいで心配をかけるなんてことは決してあってはならないことだと思ったんです。
「近く」というのも、最初は物理的距離という認識でしたが、次第に心情的距離であると考えが変わりました。応援したいと思う心さえあればいいはずなのに、それの証明として必ずイベントに参加する、グッズを大量に買うといった目に見える形を示さないと訝しげな視線に晒されるのは正直合わなかったのです。

────────私ってこんなに節操なかったっけ。
こう思い直さなくてはいけないくらい、どこかで何かを踏み外してしまったような気がしてなりません

趣味を楽しむために苦しみたくはない。信条と一致しないことはしたくない。
そんな自分が今できる、気持ちの整理。けじめとでも言いましょうか。
自分を見つめ直すため、2024年4月に脱退しました。

再度書いておきます。
脱退した理由は、自分を見つめ直すためです。
彼女のことを応援したくなくなったとか、そういった要因ではありません。
また、この考えを誰かに押し付け言い聞かせる気は全くありません。あくまで「自分」を保つためです。
邪推はおやめください。


先日、イベントで彼女の歌唱姿を拝見しました。
ファンではあるけどファンクラブ会員ではない。いわば「外の人間」。約1年ぶりの立場でした。
久しぶりの感情に浸る私の目に飛び込んできたのは、誰よりも楽しみ、誰よりも会場を楽しませようとする彼女の姿でした。あの頃と変わらず、いや、今まで以上にとても眩しくて輝いて見えました。
遠くにいても届く彼女の笑顔は本当に素敵でした。
彼女のことを初めて見たという人が「かわいかったしパフォーマンスもすごかった!」と賛辞を並べるものだから嬉しくなりましたし、私自身もまた元気をもらうことができました。これからも、新しい世界へ飛び立って行ってほしいなと心の底から思いました。

またいずれこの考えが変化して、再入会なんてこともあるかもしれません。そうなるまでしばらくは、陰ながら応援していようと思います。

たかはし


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