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誰が主役なのか 〜引き算の美

何かクリエイティブを制作するにあたり
よく言われる「引き算」の美。

もちろん足し算をしまくり
要素をコラージュのように見せる
技法やスタイルもあるけれど
個人的には引き算のほうが好きではあります。

それはモノだけではなくて、コトにも当てはまるのだと
私は考えます。

先日、ある作家さんの作品展を拝見したときのことです。
作品はとても繊細でシックな世界観なのに、
その場にいるスタッフの方のお召し物が凄く派手で、
作家さんや作品より目立ってしまう状態。
とても不思議な感覚でした。

ドレスコードフリーの場合、
何を着るかはご本人の自由だと思うのですが、
やはりその場に適した服装を心掛けたいものです。

マナーやモラルの問題だけと思われるかもしれませんが、
現実的な面、マーケティング的においても
作品展の第一の目的は
“作品を見てもらうこと”。
次に作家さん。
だと思うのです。

それ以外に視線を集めてもあまり意味はない。
確かに、そのスタッフの方の印象は強く残り
その方の自己PRにはなるのかもしれませんが。

場における引き算、いわゆる「わきまえ」は大切かと思います。

私も作品と同じ場に立つ場合、
服装には気を付けています。
作品より前に出ない、
でもアーティストとしての存在感は担保する。
だから、自ずと黒っぽい服装が多くなっている気がします。
まさに「黒子」ですね。

この件、身近な例で言えば
数人での食事の時でも当てはまると思うのです。

皆が自身の言いたいことを同時に話しても会話にならない。
誰かが話すときはその方に話題の主役を任せ、皆は聞き役、相手役になる。
その主役のリレーで場が成立します。
それがスムーズだと、その場も楽しくなりますよね。

コトの引き算、考えると面白いです。

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