『おうじょうぎわでもスキをつたえたい!~短編ゲーム「でこれいと・でこれいしょん」のご紹介』の蛇足!!!!!!!!(私は往生際が悪いんだ)

今日これをね、掲載していただいたんですけれども実は書きたかったことの10%も書けていないというかゲームを紹介するという趣旨から外れた部分を削ったらこの形になったんですけど、削った部分も捨てがたいのでこちらを補足記事として残しておきます。

補足と言うか、こう、記事を書く前段階に迷走している最中のメモの転記です。最初からテキスト分析と言う名の純度100%のネタバレをやっていますので、

上の記事を読む

「でこれいと・でこれいしょん」を遊ぶ


気が向いたらここを読む

の順でなにとぞ! よろしゅう! です!


記事を書くかどうかは置いといてこのゲームを遊んでやりたいなと思ったこと(つまりこのゲームを「遊びつくすためにやりたい!」と思ったことの羅列)

「でこれいと・でこれいしょん」という短編ながら濃厚なゲームを少ないテキストや表現、演出から客観的に読み解きたい。
批評の手法を色々使ってみたい。

メモ(これを記事の骨子とする)
・短編ながらも見事なストーリーの動きと大団円
・短編だけどギュッと詰まったテーマは一瞬で答えが出せるような軽いものではない
→これが面白さと言うか余韻の強さにつながっている

ばかやろうそんな小手先のなんかようわからんテクニックは全部忘れろこのゲームは最強にかわいい、それでいいじゃねえかという勢いも忘れずにいたい。
→このゲームのいいところは一周10分もかからないくらい短いのに
・ドット絵がかわいい(かわいいは最強)
・甘酸っぱい青春というか恋愛的なナニカ
・幽霊というホラー要素
・のろう、ぽるたーがいすと、はなしかける、ゆめまくら(に立つ)、というシンプルながら不穏さ、怖さを醸し出す選択肢
・時間をかけて遊ぶことで「本当に呪ったりしていいのかな?」から「呪え! 気付いて! 好きなの!」と主人公の感情に同調できる丁寧なストーリーの変遷を味わうこともできる
・というかドット絵も音楽もカワイイ!!!
・意外に多いポイントクリックによるテキストの変化(探索好きにはたまらないポイント)
と「楽しさ」が気持ちよく押さえられている。すごい!

好きなテキストを抜き出し、味わうパート!(まともな解釈のメモが残っている部分のみ)

 あなたはわるいことをしたことがないのだから きっと テンゴクにいけるはずだ。

主人公「あなた」の無邪気な善性を示している一文

きみのいえの よびりんは おとがでないから

主人公が一度ここを訪れた経験があることを示している。これが

・前半においては「家に来るほど親しい関係だったのだ」という錯覚をプレイヤーに引き起こさせ、
・終盤においては真相に絡む重要な伏線へと転回する
この流れは本当に見事で感動した。このゲームの作者さんの物語づくり、好きだ~~~

とまったしんぞうが ざわざわする きがした。

すでに死んでいることを「生きている身体感覚」を使用することで強調する表現。
多用されるが、そのどれもが繊細で素敵な表現だと思う。

きっと きみは わらってくれる。

主人公の身勝手さと愛の方向性が変化したことの表明、ある意味「幽霊らしい思考」なのかも。

それはなんともフゼイがなく、みみっちくてダサダサのサイアクのデートだったが、みみっちくてダサいことは せいかつというナマナマしさとディープにつながっている。
ますせいかつやゲンジツ、それからカラダ。それらのグロテスクからときはなたれることは スマートでオシャレなことだが、スマートなあなたにゲンジツがミリョクテキだっておもいださせてくれるのは
いつだって、きみなのだ。

この一連の文章好き本当に好き心の底から好き。
「愛し愛される」とはなんであるか。
「日常」とはなんであるか。
しかしそれがわかったところで、主人公にはそれを手に入れることがもうできない。
現実、身体はグロテスクである。そのグロテスクさが日常である。
※非日常であるゲームはきれいなところしか見せられない、のか?

その他メモ

自分が恵まれていたことに初めて気づいた瞬間。バカは死ななきゃ治らない。でも、主人公はバカじゃない。」というメモも残っていました。終盤についての感想だった気がする。

・食べちゃいたいくらい愛してる、殺したいくらい愛してる、ほどの愛ではなかった?
愛ではなくスキである。スキ、それってどれくらい好きだったんだろう。結構軽い印象がある。え、でも気軽な「スキ」で行動したって良くない? 愛はたぶんこのゲームの終わりからずっと先の未来にある。

たぶんこれはこのゲームでどんなテーマを扱っていたかな?という洗い出しをしていた時のメモ。主人公の一瞬軽薄で無思慮に見える、だからこそ気軽で純粋な「スキ」が私はめちゃくちゃ好きでした。

人称による気味悪さ

きみ:「あなた」を視点に据えた呼称
あなた:「ゲーム制作者」を視点に据えた呼称

このゲームは登場人物の人称に関する「視点」にずれがある。
主人公である「あなた」はゲーム作者からプレイヤーに対する視点(ゲーム外で完結しているはずの視点)であり、
一方「きみ」は主人公から登場人物に対する視点(こちらはゲーム内で完結している)である。(図1参照)

遊ぶにあたってずっと絶妙に気持ち悪い感覚を与えてくれる要因の一つになっていると思う。「きみ」が「あの子」や「少年」とかだったら生まれない気持ち悪さで、同時にこれは主人公から「きみ」への思いがめちゃくちゃ強いこと、「もうきみのことしか目に入ってないよ!」という強い宣言でもあるのかな? 

図1

以上蛇足でした!

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