凱一が書く大学生の読書感想文 第3回『革命のファンファーレ』

今回も絵本作家で著作家でもあり、漫才コンビ「キングコング」の西野亮廣さんの本を読んで感じた事を大学生の視点から書き連ねていきます。

今回は『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』です。
前回の『バカと付きあうな』ではタイトルにインパクトがあったように、今回の『革命のファンファーレ』はそのパッケージにインパクトがあります。

西野さんのビジネス本の中でも代表作ともいえるこの『革命のファンファーレ』はタイトルかパッケージは見た事あるよという方も多いのではないでしょうか。

文字以外は赤1色で西野さん自身も赤色の衣装に身を包んでいます。

それに実は表紙をはがすとなんと「絵本えんとつ町のプペル」のキャラクターが描かれています。

目次まで一見不均一なデザインとなっていますが、恐らくこれも狙いの一つなんでしょう。

これ1冊で作品なんだと感じました。

この辺はぜひ実際に本を手に取ってみてみてください。

実は、その大ヒットの裏には西野さんの秀逸な戦略があったのです。

その辺は本書でも書かれているため、触れていきますね。

【はじめに】
「やりたいことが見つからない」と言うひとがいる。

この1文から本書ははじまります。

「若者世代への批判は、そのほとんどが"進化への乗り遅れ"に他ならない。だから僕は年下を肯定するところから考え始めるようにしている。」
と西野さんはいいます。

西野さん自身も少し前まで「やりたいことが見つからない」という言い分を理解できなかったそうです。

しかし、「やりたいことが見つからない」を肯定するところから考えてみると、ようやく理解できるようになり、ようやく年下の背中が見えてきた。と。

西野さんより上の世代は僕ら世代とはことなり、「職業に寿命がある」という体験をしてこなかった。

多くの大人は「職業は永遠に続く」という前提で話を進めてくる。と。

今はそんな時代ではないと。

アマゾンにつぶされてしまった多くの本屋さん。

「ロボットタクシー」に職を奪われてしまうかもしれないタクシードライバー。

職業そのものがなくなっていく時代に突入し、副業、兼業、転職が常識になりつつあります。

やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ。

西野さんはそうおっしゃいます。

今の時代に肩書を1つに決め込む方がよっぽど危険で、いくつかの職業を掛け持つことで新しい選択肢だって生まれると。

具体例として西野さんが描かれた(厳密にいうと、西野さんだけではありませんが)『えんとつ町のプペル』のお話をされています。

プペルは4年半の製作時間を費やして書かれた作品です。

これは芸人としての収入があったからこそなしえた作品で「結局何がやりたいんだ!一つに決めろ!」という常識に従っていたら生まれてこなかった作品であると。

革命のファンファーレは鳴った。

人類の歴史で最も大きな情報革命が起き、インターネットにより距離や時間の壁がなくなったと。

僕の親たち世代の常識は「お金=ストレスの対価」で「好きなことをして生きていけるほど、世の中はあまくない」といったものかもしれません。

しかしながら、この情報革命の時代では、ストレスのかかるものから順にロボット化されていき、好きでもない仕事は消え、好きなことしか残らない。

すなわち、ここからは"好きなことを仕事化するしか道が残されていない"時代だ。と。

常識のアップデートを止めてはならない。

ビジネス本を書けば10万部越えの大ヒット、絵本を書けば絵本業界では異例すぎる前代未聞の大ヒットを記録する、クラウドファンディングでも成功の連続。

そんな西野さんにも可視化されていないだけでたくさんの失敗があるんだそうです。

そのうえで西野さんは、成功や失敗には、マグレも不運も存在しない。成功と失敗の裏にあるのは、理由と原因だけ。全て数字だ。

と語られています。

本書は西野さん自身が体験した成功と失敗、そして理由と原因を振り返りながら「今後僕らは、どのように身を振っていけば、この大変革の時代の動きを捉えることができるのか?」について書かれているそんな作品となっております。

【『革命のファンファーレ』が売れたのは偶然なんかじゃない】
【はじめに】の部分に触れるだけで相当な文字量になってしまいました。

これで終わってまとめてみるのも新しいかなとも思ったのですが、冒頭でも触れたこの『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』の何重にも仕掛けられた販売戦略について最後に触れておきたいと思います。

広告戦略を語っている本が売れてなくちゃ信用のかけらもない本になってしまう。

確かにそういわれてみればそうですよね。

この本を売り出す頃の西野さんは、ビジネスマン向けの講演会ではひっぱりだこでも世間的な人気は地に堕ちていました。

そんな中、どう売るのか。

1つは、「講演会のお土産」として売るという手法。

その時の西野さんの1番の武器は、「ビジネスマンに信用されている」という部分。

そこでクラウドファンディングを活用し、全国の講演会主催者さん向けに「『革命のファンファーレ』の発売記念講演会」を予約販売し、これまで西野さんとマネージャーだけしか知らなかった講演会のオファー数を可視化するという手法を取られたそうです。

その時のリターンの詳しい内容は「西野亮廣の講演会を開催できる権利+『革命のファンファーレ』100冊」というものでした。

10件の講演会のオファーで確実に1000冊は売れるという仕組みだ。

発売前に本が売れていたとすれば、初版発行部数が増える可能性も生まれてきます。

広告とは、常に「最適解」を探す作業だ。

西野さんはそう語ります。

【感想】
これまでに3冊の西野さんの作品を読ませていただいたが、どの作品にも共通して言えるのが文章の秀逸さ、言葉選びの美しさだと感じました。

西野さんの書き言葉は、さも僕たち読者に語り掛けているのかのような口ぶりで書かれていらっしゃって、まるで西野さんが語りかけていて距離感が近いかと思うような錯覚に陥ってしまいます。

この辺は流石に、20年近くお笑いの世界にいる西野さんは言葉の使い方、選び方がうまいなんてもんじゃないなと感じました。

さて、みなさん、僕のレビューいかがだったでしょうか。

あえて、【はじめに】の冒頭の部分と【革命のファンファーレの販売戦略】のみに触れさせていただきましたが、「新世界」で西野さんという人間について知り、今回の作品で西野亮廣という人の数字に対してのシビアさを目の当たりにしたことと思います。

そんな西野さんが、書かれたビジネス本であり、情報革命の時代の広告戦略について西野さんなりの見解が記載されている『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』をぜひ手に取って読んでみてください。

(このレビューを書いている50分後に西野さんとZOOMを通してお話させていただくのでめちゃくちゃ緊張しています。)

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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