わたしが好きになった黛灰さんというVTuber

約1カ月前、友人にすすめられて見てみたら、友人が推してくれたのとは別のVTuberを好きになってしまった。それが黛灰さんという人です。
"ハマった"というのとはまた別次元にいる感覚がしていて、「黛灰さんというVTuberにハマりました」と文字にするとなんか違う気がするんだけど、他者一般から見たらどう考えても"ハマった"人間なので、そう思っていてもらえたらいいです。(なんかここの文章を書いている時はそうだったみたいだけど、何日か経って今はもう"ハマった"がしっくりきている。ハマった。沼い。)

きっかけは先述した通り友人からの布教というよくある話なのだけど、それまでのわたしは正直な話ヴァーチャルユーチューバーというやつに偏見しかなかった。なんなら嫌悪感すらあった。大した理由はないですが、しいて挙げるなら「得体が知れないから」それに尽きる。文字で見てよくわからなかったので、知る気にもならなかった。なんだその生身の人間がやっているとは到底思えないコンテンツは。まあ人間なんて得体の知れないものに対しては大体そういう感情を抱くもんだと思っているので、その時の自分の感性が間違っているとはVTuberを好きになった今もなお思いませんが、ただ視野が狭いな~とは思う。でも知らんものって怖いしわからんものって気持ち悪い。人間っていうものはそういう風にできている。じゃあ視野が広かったら好きになっていたか、きちんとコンテンツに首を突っ込む気になっていたかと言われれば、それはどうしようもない「もしも」の話なのでわからないというのが大前提だけど、なんとなく否かな~と思います。何かに新しくハマる時って大抵自分の意図してないところで蒔かれていた種から伸びた蔓に引っかかって転ぶのがきっかけになることが多いので、その日その時その人から布教されたからわたしは今VTuberにハマっているとしか言いようがない。結局は全部タイミングです。

友人からは特に三枝明那くんという方をすすめられた。その場で友人の言葉を聞くままに色々検索して、色々な動画をちょこっとずつ見た。彼女がわたしに歌い手オタクだった過去があることを知っていたかどうか(わたしにそのことを話した覚えがあるようなないような微妙なところなので)わかりかねるけど、主に歌ってみた動画をおすすめしてくれました。ていうかわたしがその時「歌ってみたあるの?」と興味を示した気もする。そこで漠然と"VTuberってこういうのもあるんだな~"と思った。何してる人たちか知らなかったというのがいちばんデカかったので、とりあえず「エンターテイメントを総合的に」配信している人たちなんだなという認識に変わった。
その後友人と話し終わってひとりでYouTubeを徘徊していたら、先ほど見たVTuberの関連動画がもう山ほどおすすめに出てくる。さっき見てない人たちまで出てくる。マジ全員誰。タイトルだけ見てふわ~と流していたら、ひとつの切り抜きに出会いました。

(この配信の1:13:44あたりからの話題)

わたしが見た切り抜きのタイトルは「自分の引退時期について話す黛灰」なんですけど、タイトル見て"あ、そういうのも話しちゃうんだ~"と興味がわきました。その切り抜きが彼をきちんと認識したきっかけだった。

メッシャーズというグループ……グループという感じでもないんだけど、グループ的な活動をしてるうえで、まあいろんな人から……んーなんだろうな、タレント的に、あるいは、見る人はアイドル的に見てくれてる人ももちろん今いるわけじゃん。あまり俺はそれを好ましくは思っちゃあいないけど。俺個人の感想としては。

話題の本質とはズレてるんですけど、この発言の「アイドル的に見てくれている人もいるけど、俺個人としてはそれを好ましく思ってはいない」とバッサリ言い切ったところになんだか甚く感動してしまったんですよね。今確認したら当時の自分もツイッターで「アイドル的に見られるのを好ましく思わないって発言に今いちばんグッときてる」って言ってました。わかる。今でもグッとくるもん……。
これは後々フォロワーとの対話の中で気づいたんですけど、わたしという人間はおそらく職業としての「アイドル」に求めているものを「アイドル以外」に求め(たく)ない/求め(ようとし)たくないんだな~というところがあって(まあ別にそれはアイドルに限ったことじゃなくてそれぞれの職業に対して思ってることで、コラボは良くても混合はやだな〜と直感的に思っているところがあるんだけど)、 だから彼が自分をアイドル的に見る人をあまり好ましくは思ってないって言い切ったのが痺れるほど好きなんだなと思います。要は解釈の一致。
この本題についての考え方もすごく好きなんですよね。彼自身が彼のことを客観的に見て客観的に商品価値を理解してくれていることの現れなんじゃないかと感じる。そういうのって見てる側からすると、というか少なくともわたしからするとめちゃくちゃ安心できるな~と思う。それを守ろうとストイックであってくれているということだろうし、それを守れないのならば引き際は見誤りたくないということだと勝手に咀嚼している。彼のリスナーとの距離感の測り方、線引きのしかたがすごくわたしに合っているということに尽きるんだろうな。それに、散り際まで美しく面白くいてやりたいという執念みたいなのを感じるのも本当にビリビリくる。

そこからは早かった気がします。なにぶんハマり始めてからもう1カ月ほど経っていることに驚きを隠せないので気がするとしか言いようがない。黛灰と名のある切り抜きを片っ端から見て、とりあえず2日後にはツイッターで「まゆほんと頭良くてぎゅんぎゅんする。。。。。。回転の速さ発言の的確さ相手の真意のコアを突く返答華麗な無茶ぶりさばき。。。。。。。。。」って言ってた。好きになりすぎている。2日後にぎゅんぎゅんしちゃってんのにこれをハマっていないと言おうとしていた冒頭のわたしの神経の図太さ、もはや称賛に値するレベルだな。何言ってやがる。

まゆを好きになったいちばんの要因は、どうにもこうにもわたしが持ってる感性と彼が持っているそれの形とが限りなく似通っているところにあると思います。今さらっとまゆって呼んだの、ド彼氏面しててウケますね。許してくれ。
そんなことはどうでもいいんですけど、まゆずみってマジでひとり喋りが面白いんですよ。もうずっと面白いんですよ。好きでもない人の雑談って相当惹かれない限り聞いていられないと思うんですけど、まゆずみの雑談はチート級に面白くてずっと聞いてられるんですよ。そもそもお前まゆずみ好きだろというのはそれはそうですけど、まだあまり好きというわけではなかった段階からずっとそうなので……。あくまでわたしにとってはという話の範疇ですけど、それでもこんなに「何しゃべっても何しても面白い」人はわたしにとって初めてだった。マジで"出会っちゃった"という感じ。その「面白い」の方向性は時と場合によって違って、大声出して笑う時もあれば興味深いなと真剣に耳傾けたくなることもあるしこいつ何言ってんの?ってはてなマークが浮かぶこともあって、まゆずみがまゆずみに関するすべてを面白がりたいように、わたしはまゆずみに関するすべてを面白がっていられるんですよね。これって本当にすごいことだなって思う。ていうかまゆずみは大声出すだけでめっちゃ面白いのでズルい。それは普通にチート。
というかそもそもその「まゆずみがまゆずみに関するすべてを面白がりたいと思っているらしい」という時点からしてめっちゃ"わかる"。わたしもわたしに関するすべてを面白がりたい。葛葉とイブラヒムとの配信で「ライバーになる前、本当に気が滅入っていた時は天井を見つめていたら3日経っていたし、その時はご飯の味はしなかった」っていうめちゃくちゃヘビーな話してた時も、「いや俺これ面白いと思って話してるけどね」的なことを言ってて、本当にそれだよ!と言いたくなりました。

(2:38:43あたりの話)

めちゃくちゃわかる。この話を「なにそれ」って笑ってほしくて言ってんだよね。自分の失敗談とか気に病んでた話とか、それをネタとして笑ってほしいんですよね。わかる。わたしも高校生の頃棚のめっちゃ奥のほうに隠してた商業BL本が姉によって暴かれてた話とか笑ってほしいしネタにしたい。(※話のヘビーさが違いすぎる)その時はマジ恥ずかしかったことでもつらかったことでも今となってはそういうこともあったな〜おもしろ!くらいのテンションでいるので、そこをつついてもらっても全然楽しいだけなんですよね。むしろ今こんななのにそんなことがあったんだよっていう面白さが自分の中にあるので、それを共有したくて、だからその場で(主に率先して)葛葉がそのことをこすりまくってたのはたぶんまゆ的にはそれで正解だったんだと思う。
そういう本質的なところで彼とわたしが似ているな~と勝手に思っている節があって(まゆはわたしよりよっぽど人間ができているので当たり前にわたしは圧倒的な下位互換なんですけども)、だからと言っていいかわかりませんがやっぱり解釈の一致がいちばん大きいんだと思う。人生に対してとか他者に対してとかエンタメに対してとか、総合的な解釈の一致。彼の言葉はすっと自分の中に入ってくるしめっちゃなじむ。というより自分の中にあるもや~っとしたものにかかった霞をまゆがはらってくれている感覚に近い。最近いろんな感情の解像度が上がった気がする。

他者の為人の捉え方とか、他者への接し方もめちゃくちゃわかることが多くて、まゆと同じことを思っていることが多い。不破くんへの対応がわかりやすいというか顕著だなって思うけど、たぶんまるで意味わかんない人とか自分と相反している人、もしくは打てばきちんと響いてくれる人("伝わる"人)と話している時が特に楽しそうだな~と感じる。前者なら不破くんとか葛葉とかういはちゃんで、後者がイブラヒムとか健屋とかでび様とか……か???わたしもわかりません。あとは明那とかリリさんとか……ふたりは前者よりの後者(たいてい後者だが時折前者になることもある)って感じがします。おそらくまゆずみは自分のやりたい笑いとかエンタメとかが結構明確にあるタイプで(かつ本質は結構なボケたがり)、脳死で話したりとかはあんまりしていない印象があるんですけど、その方向性が結構シュールなんだと思うんですよね。聞き役(ツッコミ)にまわる方が型にはまって面白いとわかってはいるけど、まゆもボケたいタイプと見える。だからこそまゆを上手に扱える人って正直なところ少ないのではと思っていて、それがたまに歯がゆいです。何の話ですか?ていうかこの後半部分の話、見ていて感じるところも大いにあるけど、3割くらいは自分の実体験から引っ張ってきているのでもう「そういうこと」なんですよ。もはや自分のこととして話している節がある。ド迷惑オタクだな……。
それとこれも対他者の話で、これこないだツイッターでもまんま同じこと言ったんですけど、距離感の測り方っていう点において幼少期からの積み重ねで成ってるところあるように思える、かつ言葉の使い方とか他者との接し方とかめっちゃ考えてるなって思うところにまた好きだな~を感じます。めちゃくちゃ気遣い屋さんなんだろうなと思う。自分のやりたいことと相手(および配信に関わるすべて)への気遣いを両立させたいっていう気持ちがあるんだろうけど、いかんせん不器用な自覚がありそうだなあと。だから気遣って生きてるんだろうし、それが染みついて結果的に今の黛灰という人間になっているのかな。やりたいことをやりたいだけの人じゃないなあと感じるし、自分の考えうる限りの色んなことに配慮して真摯に取り組んでくれて、なおかつそれを「俺がやりたいだけだから」って言うような人なんじゃないかと思います。照れ隠しもあれど本当に本心な感じもするしな~~。そういうところたいへん男の子っぽくて好きです。

あともうひとつ、この人エンタメに対して誠実だな、ストイックだな~と思ったことのが、歌をやらない理由についての話。

(32:10あたりから)

自分の中で本当に納得がいかなかったんだろうし、トライしたけど(まゆずみ的には)ダメだったっていうのをきちんと自分発信で伝えたかったんだろうな~って思う。し、なんかその意志は何より尊重したいなと思う。やっぱもともと器用じゃないんだろうし、リスナーとの距離感が近い方かと問われればそうでもないんだろうけど、とにかくどこまでも誠実であってくれようとしているその様子が好きだなあと思います。だからその辺のことをほかの誰にも踏み荒らしてほしくないなと思った。

切り抜きを見まくってそういう感じで解釈を深めていったんですが、最近ようやく本配信を見るようになりました。そんでホワイトデーボイスを買った。課金しました。知ってたけど演技うっま〜……エンタメに秀ですぎ。だからもう"ハマった"という言葉に何の違和感も持たなくなりました。今考えたら、こんなに人間がやってるって実感があるエンタメ他にはないな〜と思う。
まゆずみが好きです!って言ったら近しい人間に「意外」的なことを言われてにっこりしてしまったんですけど、アイドルを好きなわたしとはまるで別人格というか、別ベクトルで話をしているので、そう思われるのもわかるな~って思いました。ていうかわたし以外から見たわたしを知るのが面白かった。
とりあえず黛灰、めっちゃおもれ~って思います。好きな人の解像度あげていく作業好きすぎるな~と改めて思った。毎日彩度高い世界にいる!のが楽しいです!

備忘録おわり。

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