さようなら、遠野新さん

正直自分の中にプロジェクトセカイへこんなに怒れるくらいの熱(とは呼びたくないけどそれっぽいもの)が残ってるとは思わなかった。けど、それさえもどちらかというとギリギリのところで燃え残ってた最後の火が消えてしまったような感じで、ああなんかもうだめだ、と思ってるところがある。月初めから延々と愚痴を垂れるところから始まるのも本当にどうなんだと思うんだけど、心の中だけじゃ処理しきれなくて……悲しくて悲しくて悲しいから……書くよ……。

まず初めに言っておきたいのは、ここから先の文章は当然にキャラヘイトではない。特定の推しがいる以上興味の大小みたいなものはあるしそれを贔屓だと言われても否定しないが、わたしに嫌いなキャラはいないし、キャラそのものをヘイトタンクにしたい気持ちももちろんない。ただただ、このストーリーを書いたライターの構成力を疑っているという話に過ぎない。それだけに過ぎないけど、わたしは今とてつもなく悲しい。
そして念の為、前提条件の話をしておく。わたしは今までのビビバスのユニットストーリー・箱イベントストーリーは一応全て読了していて、記憶があやふやなところもあるけれど、一通りは目を通している。カードのサイドストーリーに関しては、報酬分は全部目を通しているけど、それ以外のガチャ排出のカードについてはちらほら読めていないのもあります。今回のイベントの分については全てのカードを所持しているので、全て目を通しました。推しは東雲彰人くんで、まあもうタイトル読めばわかると思いますけど遠野新さんのこともとても好きです。そういう人間が書いているという前提です。あとこれも当然だけどしぬほどネタバレあります。読んでいる人がいるとするならばそのあたりすべて自己責任として処理してください。

OVER RAD SQUADというイベントが、開催している。初日にイベントストーリーを読んだ。このイベスト内で、ビビバスは当初からの目標だった『RAD WEEKEND超え』を達成した。のに、思うところがありすぎる。
たとえば、こはねにだけ課題が2個あるの何なんだ、とか、こはねだけRW出演メンバーと特訓するんですか?とか、相変わらず特訓シーンが集中線と「♪――――!」だけでごり押されててありえないくらいつまらないとか、杏ちゃんに負けたこはねの心理描写がさすがにちょっと適当すぎませんか(もっと見たかったしもっとこのあたりやエゴのくだりが主軸になってもよかったよ絶対)とか、なんじゃ突然マイク持ちLive2D……(自由自在にってわけにいかないのはわかるけどそれにしたって動き滑稽すぎてストーリー内でお出しするクオリティなんだろうかこれは)とか、みたこうがラッパーなのとか今ここで初めて知りましたけどわたし……とか、ああ冬弥さんだけ作曲家になっちゃったな……とか。本当にさ、言いたいことなんかごまんと、本っ当にごまんとありますよ。ここに書ききれないくらい。でもそれが全部霞むくらい「遠野新」というキャラクターの扱い方に酷く落胆している。
思っているのはどうしてあんなタイミングで戻ってきたんだ、というその一言に尽きる。尽きるけど、その1点が本当に嫌で、受け入れられなくて、暴れてしまう。嫌すぎる。あえて露悪的に言うなら、初登場から3年以上経って、途中からはメインキャラの出番を削ってまでその心情や過去を掘り下げて、ストーリーの根幹にも関わらせておいて、この始末ですか?この始末で片付けて、はいおしまいって言うんですか?そんなのってちょっとあんまりすぎないか。あんまりにも遠野新というキャラクターを蔑ろにしすぎていないか。
わたしは、遠野のことを1人のキャラクターとしてかなり好きだった。「STRAY BAD DOG」で初登場した時、その過去ゆえのかたくなさと、高すぎるくらいのプライドと、それを裏づける実力と、だけれど本当のところで孤独を抱えきれていなくて八つ当たりをしてしまうような弱さと、自分のそういう弱さにある意味で自覚的なところに、とてつもなく惹かれた。「孤高」にしかなれないように見えるところが、とても好きだと思った。
「1人でも超える」って、SBDで遠野はそう言ってたんですよ。そのあとのストーリーの流れ(主にTPOU)で1人じゃ超えられないイベントだってことにされてしまったけど、「1人であろうと超えてやる」っていう遠野のプライドや気概は変わってないものだと思ってたんですよ、わたしは。LUFでいなくなってしまった時も、人一倍プライドが高いからこそ大河さんの核心を突くような言葉におののいて打ちのめされてしまったんだろうと思ってたし、そういう彼であるならば、再びビビバスと合流する時には、逃げた負い目を強い覚悟に変えて戻ってくるんだと思ってた。よりプライドや意地を強固にして帰ってくるんだと思ってた。孤独な遠野が、絶対に自分の実力でRWを超えてやりたいって足掻いているところが好きだったから。
それが全部突き崩されたような感覚が今ある。なんであんなタイミングじゃなきゃいけなかったのかわからない。イベントの準備中どころか公演の真っ最中で、Vivids、BAD DOGSの出番も終わってさえいて、EVERがパフォーマンス中の、あそこで?もうイベントの進行は止められなくて、メンバーはステージに一度上がって高揚していて、冷静な判断を下せるわけでも、しっかり話し合う余地だってなくて、飛び入り参加を断りようのないあんな場面で帰ってくる必要がどこにあったの?そんな人間として描かれる必要がどこにあったの?
遠野はこんなに流れに便乗するような人間だったのかな。あまりにもダサすぎやしないか、タイミングが。どれだけ直前で戻ってくるとしても、開演前だと思ってた。開演前でもダサいなと思うけど、公演中よりまだマシだよ。まるで遠野が今にもRWを超えそうなビビバスを見て慌てて便乗しに帰ってきたみたいで本当に最悪。「街からは逃げられても歌からは逃げられなかった」の意味もわからないし、こんなタイミングで戻ってきておいてそんなこと言うの聞いたところで言い訳くさくてバカらしいよ。わたしの好きだった遠野はそんなにプライドのない奴だったんだ、と思わされる。遠野が一番嫌うはずだと思ってた、実力も定かじゃないのにふらふらと空気にだけ便乗してくるような人間を。1人でも超えるって言ってたじゃん。そういうところがかっこよくて好きだったのに、なんでこんな扱いされなきゃいけないの。あんなところで帰ってくる遠野を、なまってねえだろうな?と即座に受け入れる彰人くんを描写されたのもしぬほど嫌で、わたしはこの2人にプライドだけでぶつかりあっていてほしかったから、こんな生ぬるい受け入れ合戦してどうするんだよって思った。それは正直私情すぎるかもしれないけど、せめて彰人くんに「練習もしてねえくせに簡単に参加できると思うな」とか「甘いこと言ってんじゃねえ」とか言ってもらえてたら、少しは救われたよ。遠野が本来そういうことをする人間ではないと少しでも思えたから。それが何?何なんだこれは。曲がりなりにもビビバスの集大成に、遠野が泥を塗らないでよ。遠野に泥を塗らせないでよ。なんでこんな扱い受けなきゃいけないの。なんでこんなに、雑に、雑に雑に消化されなきゃいけないの。もうさ、正直な気持ちを言うけど、ここまでビビバスのストーリー食い散らかして過去や心情を展開してきたんだから、その責任は最後まできちんととってほしかったに決まっているよ。丁寧に最後まで扱ってよ。話の構成が下手すぎるって思ってしまう。今まで書きたいように書いてきた結果要素が散らかってしまって、最終回に全部回収しきれなくて焦ってえーい!って投げやりに突っ込んだように見える、こんなストーリーじゃ。こんなんで遠野を片付けられたんじゃ、TPOUは何だったの?WAOAは何だったの?彰人くんや冬弥さんの掘り下げを諦めてまでやってきたのは何だったの?って、思うよ。じゃあもう初めから遠野に時間なんか割かないで、彰人くんや冬弥さん自身の心情や過去を掘り下げた方が良かったよ。当たり前だよそんなの。こはねにちゃんと課題解決させて次の箱で遠野のこと回収してRW超えでよかったんじゃないの。遠野のことをこんなにこんなに展開させといて最後付け足しみたいに片付けられたことに、本当に死ぬほど怒っているし悲しんでいる。わたしが好きだった遠野をねじ曲げられてまで、こんな回収のされ方したのが耐えられなすぎる。サブキャラクターに対して気持ちをユーザーに植え付けておいて(どんな気持ちかはさておき)、わたし含めある程度好意を植え付けられた人もいる中で、納得できる回収の方法がないんだったらはじめからこんなに展開するなよ。まだRAD BLAST中には帰ってきませんでした、の方がよかった。あんなだっっさい帰り方するくらいなら客席側で見ていて、俺は情けないな次は俺が1人でみんなのこと超えるよって言ってくれた方が絶対良かった。わたしの中の整合性がとれない、今のままじゃ。でももう直んないらしい。もう遠野はストーリーから退場してしまうらしい。こんな形で?こんな、こんなに納得できない形でわたしの遠野への好意をぐちゃぐちゃに踏み躙ったまま、遠野はいなくなってしまうらしい。信じられない。信じたくないし、受け入れたくない。
あんまりだよ。あんまりにひどいよ。
遠野って、ライターにとって「キャラクター」ではなくて、「装置」だったんだと思った。今回強く思わされた。痛感した。サブキャラクターを好きになったわたしがバカだったのかもしれない、でも今までの遠野はサブに置いとくのがもったいないって思うくらい魅力的なキャラクターだったし、だから好きだった。好きだった、のに。
わたしの3年間を、適当にぽいって捨てられたような気分がなおらない。昨日からずっと悲しい。解釈違いって言って投げて捨てられないというか、もうめちゃくちゃ傷。今までを全部否定されたような気さえしている。今のわたしは顧客外ってことなのかなあ。サブキャラクターである以上、何かがどうにかなるとは正直思ってなくて、ただどこかできちんと回収してくれると信じていた、何かひとつ納得できる区切りがあるんだと思ってた、みたこうやEVERより雑に帰還させられるとは、本当に正直、思っていなかった。周期やPUまわりや衣装で色々思うことはたくさんあったけど、ストーリーでこんな気持ちになるのは初めてで、今までが恵まれてたのかなと思うとそれもまた果てしなく悲しい。
何をどうやったらこの気持ちが回復するのか、もうわからない。
さようなら、遠野新。もっともっと美しい君の門出が見たかったな。それだけだったのにね。

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