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ケインズ‐明けない夜はないが……(日本経済への処方箋1)

1)ケインズ‐明けない夜はないが……(日本経済への処方箋1)

2)序論
経済学を学ぶ者なら誰もが知る、また学んでいなくても聞いたことくらいはあるであろう、偉大な経済学者で今もなお影響力を誇るジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes)の功績は多岐にわたる。
中でもケインズは1929年からの世界恐慌を目の当たりにしたあと、『雇用・利子および貨幣の一般理論』(英題"The General Theory of Employment, Interest and Money" 1936)を発表し、当時主流派だった古典派経済学者たちの理論を痛烈に批判し、脚光を浴びた。
その後、ケインズの影響を受けた学派その名もケインジアンや、現代だと彼の理論をさらに進化させた学派・ニューケインジアンなどが生まれた。
本記事では、もう一度ケインズが残した遺産を掘り起こして、現代日本の貧しさへの処方箋を考えてみる。今からおよそ90年前に示されたことだが、色褪せないその知見はきっと役に立つだろう。

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