歴史を知ると『万葉集』がより楽しくなる 飛鳥時代|舒明天皇|和歌|歴史|大伴家持|日本史|文学|万葉集|
タイトル:歴史を知ると『万葉集』がより楽しくなる
日本最古の和歌集『万葉集』。近年では新しい元号・令和のもとになった「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」が掲載されているため、話題となった。
万葉集は成立当時の8世紀後半ごろに詠まれた歌だけをまとめたものではない。実際は飛鳥時代に舒明天皇が即位したころから天平宝字3年(629~759年)までの、130年分の和歌が収録されている。和歌は現代でいう文学・芸術作品のように、詠んだ人の心情や、詠んだ人が生きた環境・時代背景が反映されるものだ。100年以上の時があれば世情も変化するし、それに伴い詠まれる題材・反映される心情も変わってくる。今回はそれぞれの歌が詠まれた時期の時代背景と作風の関係性を紹介し、歴史を知るとより万葉集を楽しめることを述べてゆきたい。
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