明るい夜に出かけてきました

どうも。

自担初主演舞台「明るい夜に出かけて」が(約1ヶ月前に)無事に千秋楽を迎えました。
素敵な作品に出会わせてくれた今野大輝くん、改めてありがとうございます。

色んな現場が同時期にあり(☜スプパラは結構衝撃的だったw)
正直記憶が鮮明ではありませんが
初めての主演舞台は今回きりなので(当たり前)記事にしようと思います。

【概要】


作品名:明るい夜に出かけて 
原作:明るい夜に出かけて(著:佐藤多佳子)
脚本・演出:ノゾエ征爾
監修:石井玄
上演期間:
3/12~25 @本多劇場(東京)
4/1~2 @サンケイホールブリーゼ(大阪)
4/9 @高崎芸術劇場(群馬)

あらすじ:

あるトラブルをきっかけに、心を閉ざし、大学を休学することになった富山一志(今野大輝)。
人に言えない葛藤を抱えた富山は、臆病な自分から逃げ出すように、1年間という期間限定で海の側の街でひとり暮らしを始める。
ひとり暮らしと同時に始めた深夜のコンビニバイトだが、相変わらず人間関係は苦手なまま。バイトリーダーで、ネットの「歌い手」として活動する鹿沢大介(大久保祥太郎)。常連客のミミさん(鈴木杏樹)。双子の兄弟の店長と副店長(ともに山根良顕)。そんな人々とのコンビニでの毎日は、小さなトラブルはありつつも、富山にとって特にかわり映えのしないものだった。そして小さいころから好きだった、深夜ラジオのリスナーであることも変わらない。
そんなある日、バイト先のコンビニにやって来た風変わりな女子高生・佐古田愛(伊東蒼)が、富山と同じ『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』の
ヘビーリスナーであることを知る。さらに富山とはワケありの旧友である永川正光(板橋駿谷)も加わり、富山の世界は徐々に鮮やかな色を取り戻していく-。

公演パンフレット引用

今気づいたんけど、
富山にとってアルバイト生活が“かわり映えしないもの”と書いてあるんだ…
たしかに毎日をただこなしていく、という意味じゃかわり映えはしないけれど
富山の生活(主に人間関係)は観客側としては変わりまくっていたような(笑)

【原作と異なる点】

初日のレポから引用。
初日から千秋楽までの間にもう1回読むつもりだったけどバタバタしていて無理でした。すみません。
もしかしたら原作通りの可能性もあります。


◎富山がラジオを聴くきっかけになったのは兄じゃなくて姉

原作は兄でしたが姉になってました。
ひとり暮らしすることになったときの、姉「豪徳寺からだと電車で〇分」のセリフのとき
いやスマホ近すぎwwwって思ったの私だけじゃないことに700アスパラベーコン賭けます。
ていうかアスパラベーコンって久しぶりに言った…。

ちなみにこんぴの外部舞台で女性キャスト史上最多だったのでは?
カテコで出演者の皆さんが並んだ時に女優泣かせな美肌と華奢な体型に思わず嫉妬した。

◎佐古田の文化祭に行こうって永川からくどく誘われるくだりなし。

原作の永川がダル絡みして、ドタキャンしようとしたのに寝坊したせいで連絡するタイミング見失って行かざるを得なくなっちゃった!☆(キラッ)な
描写好きだったんですけどね。残念。
あとは原作では舞台を観てる描写もあったのですがそれも割愛。
なぜか大阪楽から「佐古田の演劇を観る」的なセリフが増えてましたけどね。なぜ。

台詞で急に富山と鹿沢の名前が出てきて「!?」こうなるシーン、見たかったなぁ。
舞台上、スペースが限られているから難しいのかもね。

(佐古田)
(佐古田を観る富山たち)
(佐古田を観ている富山たちを観る私たち)
というカオスな状態になるのか。映像化するならここのシーン絶対入れてほしい。

◎佐古田の髪型

劇中でそんな大事な要素ではないけど違った(笑)
原作はふわふわなショートで本作ではキャビンアテンダントさんみたいな髪型。
仕方ない。。

◎荒井さん、ラジオのメールでしれっと登場

宮本が辞めたあとやっと入ってきてくれたコンビニ経験者のアルバイト荒井さん。
期待とは裏腹にどうしようもないクズ(※富山はここまで言ってません)だったという
富山のガッカリする感じをコロス演出*1でやっても面白かっただろうなーとは思ったかな。

◎鹿沢家で4人で遊ぶ?シーン、ピグのシーンなし

佐古田と永川が接点を持ってしまうのは原作と同じ永川の叔父さんが熱を出したためコンビニに来たところ。
その流れで4人で実際に遊んでいたが、舞台では富山以外の3人がスマホを取り出しQRかざして
妙なダンスをして終わりだった。2014年だともうスマホだったなぁと急に昔を振り返ってしまった(笑)

◎パフォドーの人に佐古田を教えてもらうときは先輩3人から

原作では1対1で話していたが、舞台では1対3。
増やした意味は分からないけれど
動きが大きくなるから確かに多いほうが良いなと思った。
「富山、こんな普通に女子3人と話せるようになったなんて…」って勝手に母性溢れちゃった(ごめん)

話それるけど、ここの制服可愛いなぁと思って毎度観てました(笑)

◎鹿沢の配信(「明るい夜に出かけて」も生歌唱)後に家を飛び出して会いに行った描写なし

ここよここ。一番好きなシーンだったけどあっさり割愛されてました。
あんなにも感情を表に出して第三者に思ったことを伝えに行く富山を誰が想像出来ただろうか。
舞台のキャパ的に難しかったかもしれないけれど、見たかったなぁ。。
鹿沢家出たあとにあっさり佐古田に会っちゃうのも良い。
舞台はそこからのシーンしか無かったけど、コンビニの商品棚を夜道にしていたのはなんかすごく好きだった。

物理的にも心理的にも少し危なくて不安定で、でもワクワク感がある感じ。
最後の最後にちょっと泣いてしまった(;;)

◎富山の復学祝い兼送別会兼アルピー番組継続祝いのカレー屋のシーンなし

わたくし名前のとおりビールが大好きなので
お酒が絡むシーンは大好きですが、こちらもカット。
お子様ビールでいいからビールジョッキ持った今野大輝見たかった(笑)

ちなみに下北沢でカレー食べられなかったのは後悔。
また下北沢で現場ください。

【演出について】

◎効果的なコロス演出

富山の性格があぁなのでこの演出めちゃくちゃ好きでした。
このコロス演出をしているときは、こんぴがとても良い表情をしているのでその点でも好きです。

個人的に好きだったのは
・「THIS IS永川!!」で永川のことをボロクソに言うシーン
・「平子っち」から始まるアルピーについて鹿沢に対し熱弁するシーン
心の中で「引け」「どん引け」「そしてどっか行けー」って合唱した(笑)

◎セットの使いまわし

もしノゾエさんとお話できる機会があるなら
もっと大きい箱だったら違うセットだったか?とお尋ねしたい。
コンビニの商品棚が時には富山家の家になったり、コンビニのバックヤードになったり、はたまた道になったり…。
そして演者自身が動かしているのも飽きない演出でした。
富川さんやゾノさんがtwitterに上げられていたバミリの量がレベチで集合体恐怖症の私には耐えがたいものだった(笑)

ちなみにブリーゼは本多劇場に比べて幅があるためか
客席から舞台袖に置いてある服がかかった竿(何て言うの?)が見えたのも面白かったです。

◎歌が多い

鹿沢が歌い手なのもあるからか?歌が多かった。
勝手にストリートプレイの舞台だと思い込んで初日を迎えたのでびっくり。

ミュージカルみたいな台詞をそのまま歌詞にしたような情熱的なものではなくて
あくまでもそのシーンの主題歌的な立ち位置の歌が多くて
こんぴの良さが際立ったなという印象。ノゾエさんありがとうございます(;;)

【今野担的メロポイント】

ここからはただのオタクの感想です。

好きだった表情ランキング
一位 「平子と酒井のガチ笑いが聞きたい」
二位 トーキングマンであることを暴露してしまった表情
三位 「これはただの逃亡だ」

惜しくもランクイン出来なかった場面は
・年末に実家に帰った際に「かずくん、笑うようになったね」と言われたシーン
・佐古田に「しーっ」とやるシーン
・トーキングマンとして復活したときを思い出して語るシーン
・東京も日本も世界も流れればいい(ニュアンス)の負のオーラ満載のシーン
でしたっ☆彡

あと個人的には
佐古田を美容院に連れていくシーンあるじゃないですか。
古着屋では男性陣に囲まれている富山だけど
美容院のシーンはキャスト全員で佐古田を囲って変身させるから
観客の目線が自然と富山に行くことが多くて
あのなんとも言えない表情が富山と今野大輝が共存している感じがして好きでした。

佐古田の変顔見てケラケラ笑ってる富山も若干今野大輝が棲みついてたけどね(笑)

【総括】

まずはオールナイトニッポン55周年おめでとうございます。
そして全22公演、無事に開催され千秋楽を迎えられたことを嬉しく思います。
初の自担主演舞台がこんなにも楽しく素敵な作品で、温かなカンパニーで、ファンである私もとても幸せです。

舞台となっている2014年と比べるとSNSも発展し
一般人でありながらも、ある分野では有名な人に誰もがなりやすい世界だなと感じました。

それと同時にコロナ禍を経て「推し文化」が発達した今、
「好き」という気持ちが繋げるパワーの偉大さもより強く感じます。

実際に私も好きなものが同じ人同士で、会って話すことは多くあります。
もちろん学生時代の友人や会社の人にも話すことはありますが、別世界なんですよね。
山根さんが作中で仰っていたように「サンクチュアリ」なのです。

そして各現場の感想をダラダラ書いているこのアカウントすらも
他のアカウントからしてみれば「サンクチュアリ」なのです。

“現実”と“現実なんだけどちょっと夢心地でいられる場所”を
すぱっと切り分けたい人間なので、富山を見ていて少し苦しくなる場面もありました。

本作では、アルピーのANNという共通点が彼らを引き寄せ
彼らの周りの人間も巻き込みながら富山の人間らしさを炙り出し、彼の成長を見届けました。
富山を通して、人はどこかで誰かと繋がっていたい生き物であること、
評価されたい≒期待されたいという矛盾が少なからず誰にでもあることに気付かされました。

人との出会いや別れが多くなる季節、春。
この作品とともにとても素敵な1ヶ月を過ごすことが出来ました。

最後にご一緒されたキャストの皆様の今後のご活躍を祈念いたします。


また、こんな夜があるといい…

*1 コロス…古代ギリシア劇の合唱隊のこと。コロス演出では観客に対して、鑑賞の助けとなる劇の背景や要約を伝える。
また劇中の一般大衆の代弁をすることもある。

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