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4人が在宅&遠隔でセッションするLITEのライブ配信に音楽ライブの新時代を見た


LITEというインストバンドが超好きなのだが、彼らが先週に行なったライブ配信が色々な意味で衝撃的だったので記しておく。


音と映像を分けたライブ配信


一番好きなライブハウス・新代田FEVERとの合同企画でライブが17日の日曜夜にやることを知った。好きなバンドと好きなライブハウスのコラボを見ないわけがない。

ただ、惹かれた理由がもう1つあった。

オンライン配信というと演者が一同に介しての演奏を動画で届けるタイプを想像すると思うが、このライブはLITEのメンバー4人全員が自宅にいる状態でセッションをするというモノだった。

「そんなこと本当にできるの??」
という驚きと好奇心がより一層視聴を前向きにさせた。そして当日、「めちゃくちゃ音がずれてたらどうしよう」という不安もありながら見たのだが、全く気にならないレベルで彼らは1時間の公演をやりきった。しかも最後の曲には台湾からゲストを呼んで。

全く音が遅延しなくて「これアフレコ的なやつじゃないのか」とちょっと思ったのだが、曲の合間でベースの井澤さんがシェアしてくれたこのnoteを読んでその疑念は取っ払われた。


※書いたのは武田さん


いわゆるオンラインmtgのようにただカメラを繋いで複数人でコミュニケーションをとれる状況で同時に演奏しているのではなく(最初はこうやっているのかと思っていた)、音と映像を分けて配信していた。詳しくはギターの上に引用した武田さんの渾身のnoteを読んでほしい。めちゃくちゃ凝ってる。途中から何を話しているのかわからなくなる人もいるかもしれない(※自分もそのひとり)。

結果的に見る側が気になる音のズレは一回も無く、別の場所にいる4~5人がセッションをやりきった。

スーパーチャットでの課金と、閲覧数


この座組でもすごいが、もう1つ新鮮に感じたのが、youtubeのスーパーチャットによる寄付(投げ銭)機能だ。恥ずかしながらこの機能は知らなかった。チャット内にあるボタンで好きな額を投下することができるのだが、今回はこの収益はチャンネル元であるFEVERの運営資金に充てられた。

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上図の右枠の感じなのだが、感覚的に20~30秒に1回、平均¥1,500が投げ銭されていたとおっもう。ちなみに自分は上にもあるように、一番好きな曲のイントロが始まったタイミングで投げ銭をした。同じように好きな曲がきたときに課金をしていた人、本当に多かった。


ちなみにこの止まらない投げ銭の中で、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんがふらっと現れて¥10,000を投げ銭していったのはビビった。

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こんな感じで収益がガンガン発生していたのだが、ここで言及したいのが閲覧者数で、平均で750人は常時このライブを見ていたと思う。FEVERのキャパは300人ほどなので、この倍近くの人が観覧に来ていたことなる。そう考えるともしかしたらライブハウスでやるよりも収益が上がったかもしれない。

リアルのライブ後の"アレ”も再現

家に居ながら多くのひとがライブハウスでの高揚感を得られたと思うが、極めつけは終演後だった。

全曲が終わり観衆のアンコールに応えた後、台湾からElephant GymのKTが参加しGhost Danceを披露。そしてその直後にStoresで作られたその時間限定のオンラインショップのURLをチャットで共有したのだ。言うまでもなく、これはライブでおなじみの“物販”である。

アンコール曲演奏後に限定品はじめ販売する商品の紹介をしていたのだが、これがまたたく間に売り切れ。自分は悩んでいたら買えなかった。


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限定公開だったのでもう物販サイトは見られない


このように、多くのバンドがライブハウスで行う一連の流れをオンラインで全て再現しきったのである。¥600入れたらウーバーイーツで酒が届けられる(ワンドリンクの概念)くらいまでやったらパーフェクトだった。


これがLITEだ!


とにかく一番凄いと思ったのは遠隔演奏で音がずれないということなのだが、機材の準備やツールの連携をトライして最適解を見つけることは簡単ではないし、ここで折れる人も多いと思う。そんな中で答えを見つけ出してそれを共有財産として公開する彼らの行動は素晴らしい。インターネットの高いリテラシーもなければできなかったと思う。

リアルなライブハウスでの公演はまだ先になると思うが、彼らが示したこの形を多くのバンドにもやってもらいたいと思った。そして、この状況で何ができるかを考え、トライするLITEは最高にかっこいい。一番言いたかったのは、これ。

ぜひみなさん、このカッコいいインストバンドを聴いてください。




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