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[司法書士試験]記述配点倍増でどう変わる?

お疲れ様です!れんとまんです。
先日、大きなニュースが飛び込んできましたね。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00572.html

なんと、記述式の配点が70点だったのが、倍の140点になるということです。
倍って…いきなり変わりすぎじゃないですか?

今回は、この試験制度の変更はどのような影響をもたらすのか、考察していきたいと思います。
なお、ただの元受験生の見解ですので、あまり真に受けないようにしてくださいね。

前提として、「配点は変わるけど他は何も変わらない」ということにして話をしていきますので、よろしくお願いします。


択一での逃げ切りが困難になる?

来年以降どのように採点されるのかは分かりませんが、仮に今年度までの採点方法で単純に得点が倍になると仮定すると、次のような感じになります。

・基準点(令和5年度)…61点(30.5点×2)
・6割…84点(42点×2)
・7割…98点(49点×2)

基準点ギリギリだった人と6割の出来だった人の差は23点、択一に換算すると8問近くの差が開くことになります。
これに鑑みると、記述が基準点ギリギリの人が択一で逃げ切ることは難しくなることが想定されます。
これが今年度までの本試験と大きな違いになります。

間違えてはいけないのは、記述で8割も9割も取らなければならないという事態になるわけではないということです。
「記述が基準点付近だと合格が難しくなる」というだけで、択一で60問程度取れれば、記述は6割程度で安全圏だと思います。
ライバルよりも点数が上であればいいので、「記述基準点突破者の中で平均より上にいればOK」なのではないでしょうか。

ですので、択一の勉強を削って記述に回すなど、択一軽視&記述重視に切り換えるべきではありません。
択一で高得点を狙い、記述も高得点は狙って勉強するけど本番では6割取れればOK…という勉強方法で良いと思いますので、今年までと同じように勉強すれば良いのではないでしょうか。

250点付近が合格点?

今年の試験でいうと、記述基準点突破者の中での平均点&偏差値50のラインは39点です。
そこで、今年の合格点である211点から39点を加えてみると、250点になります。
仮に今年から配点が倍になっていたとすると、この辺りが合格点だったのではないか?と推測しています。

250点が合格点だと仮定すると、択一60問の人は記述70点(=5割)で突破です。
今年の記述で5割(=35点)取れた人は、記述基準点突破者だけでの偏差値だと43~44くらいになります。
今年は記述基準点突破者のうち6割弱が合格していますので、択一で上位クラスの人が記述でちょっと失敗したけど合格した…というラインとして、ちょうどいい感じですよね。

また、択一63問(=9割)の人が択一で逃げ切り点を確保できた計算になり、記述で7割以上(正確に言うと97点、今年だと102人)取れた人が記述で逃げ切り点を確保できた計算になります。
これも、ちょうどよさそうな感じがしませんか?

<一応計算式書いときます。>
189点(63問×3点)+70点=250点
153点(51問×3点)+97点=250点

これらをみても、決して「今までから大きく変える必要が生じた」ということではないと思います。
記述の出来が悪かった人がちょっと合格しづらくなり、記述が高得点だった人がちょっと合格しやすくなった…それだけじゃないでしょうか。

(もう一つ言うと、今年度の本試験で記述49点だった人は択一54問以上で合格ですので、凄く大きく変える必要はないことが分かると思います。
択一で3問落とす余裕ができたからと言って、勉強方法や対策を変える意味はありませんよね。)

記述の配点を増やす理由は?

個人的な意見ですが、記述の配点を増やすことで「情報処理能力にたけた人間が合格しやすくなる」と考えています。

まず、択一と記述において問われている知識はほぼ同じです。
記述の方がより正確な知識が求められる側面はありますが、それも択一知識の延長線上にありますので、同一のものと捉えます。
ですので、「記述の配点が増えることで知識をより求められる試験になる」ということではないと考えます。

以前別の記事でも触れましたが、記述において求められる能力の中で、択一で求められるものと大きく違うことは、情報処理能力です。
限られた時間の中で膨大な文章を早く正確に読み、情報を把握して必要な登記を検討する…記述ではこのような対応能力を求められます。
今回の記述の配点増加は、この対応能力、情報処理能力に長けたものを合格させようという意図なのではないかと考えます。

ちなみに、このような情報処理能力は司法書士として身につけておくべき能力というよりは、社会人として身につけておくべき普遍的な能力であるというのが個人的な考えですので、そういう意味では「広く優秀な人材を確保したい」という表れなのではないかなと思います。

他に変わるとしたら?

記述の配点増加によって考えられる影響としては、論点による配点(減点幅)の細分化が挙げられます。

これは、必須知識だと減点を大きくしたり、応用的知識だと小さくしたりすることを指します。
これまでもこのような調整はされていたのかもしれませんが、配点が大きくなったことでこの調整が容易になります。

(例えば、あくまで仮定の話ですが、今年度までは1つの間違いについての減点を最大1点と設定されていたとすると、1点減点か0.5点減点しかなかったわけですが、単純に倍にすると最大2点まで減点されることになるので、2点、1.5点、1点、0.5点から選択できることになるわけです。これにより、難しい問題を間違えても差はつかないけど、簡単な問題を間違えたら大きな差がついてしまう…ということが起こりえます。)

より細かい得点調整が可能になる分、ケアレスミスや基本問題の抜けによる影響が大きくなることが想定されますので、注意が必要です。
ただ、特に勉強方法や解法を変える必要はなく、これまでどおりで大丈夫だとは思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
まとめると、「試験が変わることは間違いないが、受験者が変わる必要はない」ということです。

これまでと同じように勉強して、影響が出ないように得点すればいいのです。
択一で高得点を取る、記述も高得点は狙うけど6割程度でOK…これでいいのではないでしょうか。

あまり身構えることなく、これまでどおり勉強を頑張ってください。

それでは!

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