ミューズの真髄読みました。

23歳から美大受験する女の子の漫画。

漫画読んでてとても嬉しくなる瞬間として、
第一印象で(あ〜そういうキャラね)と軽んじてしまったり、先入観で内面まで決めつけてしまったりした登場人物が、物語が進むにつれ段々と思考や本心を吐露し、ついには覚悟と行動を見せ、実在性のある人として認識出来るようになるポイント、というものがある。
情報量の厚みで2次元→3次元にキャラクターが立ち上がってくるようなイメージ。

「俺は毎秒自分の人生に絶望して 毎秒理想を下げ続けて 下がりきった理想を超えた自分をやっとの思いで肯定してる」

これが物語序盤の合コンに出てくる、大手勤めで、イケメンで、主人公とワンナイトしようとして失敗して、お手軽な人生でいいね笑と罵倒するようなカスが吐く言葉か?

余りにも重すぎんだろ、呪術廻戦にも似たようななこと言ってる先生いたけど、なんでこんなにも受ける印象が違うんだよ。
実感が伴いすぎている。ものすごくダサいが、それを遥かに凌ぐカッコよさがある。

この作品では何度も、本当に何度も、
地獄ってのはね、今我々がいるココですよ。って見せてくるんだけど、最終的な読後感はものすごく良いんだよな。

世界は敵。だけどいい部分だけを切り取った世界は、こんなにも美しいみたいな、アンビバレントな感情を無理なくまとめていて感動した。


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