本屋という名の居酒屋

最初に降り立った時はえらく暗い、治安の悪い街だと思ったが、1日寝て起きてみれば何とも思わなくなっていた。むしろ薄暗い雰囲気が自分に合っているとすら思えるのたから現金なものである。
せっかくなので街を歩いてみようと、飲み屋街を抜けスーパーを通り過ぎ、一通りの散策を終えて帰路についた時 、ふと○○書店 という名前の、大きめの窓から温かみのある光が漏れる木造の建物が目に入った。
7時を過ぎれば既にほとんどの店が営業を終えている中で、こじんまりとした本屋がやっているというのはいささか興味をそそられる。どんなものかと近づいてみるとどうやらそこはの飲み屋のようだった。一列のカウンターが店主の周りを囲み、二人ぐらいのお客が楽しく談笑しながら呑んでいる。
どこからどう見てもただの雰囲気の良い居酒屋なのだが店の名前は書店である。
今流行りの昼時は別の店というやつだろうか、近いうちに確認してみたいと思った。
直接聞いて見るのも面白いかもしれない。楽しみが増えた。

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