ロジャーの語る愛車遍歴(BBC Top Gear誌2020年1月号)
私の人生の車のトレンド
ロジャー・テイラー
クイーンのドラマーは愛車たちに恋している。マジだ
私が子供だった頃、父は車好きだった。父が古いブリストルを修理したのを覚えている — その前はひどい状態だった。父はジョウェット ジャベリンも持っていて、それも大したものだった。ただし、毎朝エンジンがかかるかは五分五分だったが。
私は17歳になるとすぐに運転をおぼえた。試験に合格したのは誕生日の6週間後ぐらいで、今でもその時の高揚感と自由の感覚を覚えている。最初に運転した母のトライアンフ ヘラルドは結構長持ちしてくれたが、大学生になるとミニのバンを手に入れた。商用車に分類されていたのでとても安く、税金もかからなかったのだ。確か29ポンドで買ったと思う。それにバンドの機材全てを積み込んで走り回ったものだった。真ん中ではたいてい誰かがハンドブレーキの上に座っていたな。
その次にアルファロメオ ジュリアを手に入れた。1300だったと思う。美しい車で、自分のはじめての「まあまあいい車」だったが、エンジンをブローさせてしまった。次は最初のアフターマーケットのレンジローバー コンバーチブルのうちの一台に乗った。かなり個性的だったがとにかくガソリンを食った。ちょっとした野獣みたいな車だ。
クイーンがさらに成功して、アストンマーティン V8 ヴォランテを買った。これも美しい車だったが、電子的には信頼できるというわけではなかった。結局売却してしまった。のちにV8 ヴァンテージ ヴォランテにも乗ったがそれは火を吹いた。最高出力450bhpの6.3リッターエンジンを搭載していたが、うちのガレージで全焼したのだ。
でもアストンには何かがあるんだな。きわめて英国的で、美しく、V8エンジンの立てる音はそれは見事だった。
まあ当時は多くの車を持ってはいたが — それが自分の楽しみだったのだ。アルバムがヒットした時やツアーが良かった時にはたいていとびきりいい車を買った。フェラーリではひどい目にあった。これも火を吹いた。超高速で走行中のフランスでだ。 ファイバーグラスボディの308 GT。ほぼ赤信号ごとにオーバーヒートしていた。私のフェラーリ経験は短く、いいものとは言えなかった。
ただし "I’m In Love With My Car" の曲はフェラーリにインスパイアされたものだった。当時クイーンのサウンド担当兼ローディーだったジョン・ハリスという男の話だ。彼は美しいディーノGTSを買った。大したものだよ。それは彼の誇りで、喜びだった — 人生の中心だ — なぜいけない? 彼の愛車への魅せられぶりと、ラブソングには珍しい題材ということが私をインスパイアしたのだった。
少し後にはメルセデス600 SELを2台持っていて非常に愛着があった。本当に素晴らしい車だった — それほど美しくはないが、信じられないほど速くてとても快適。実はオリジナルのベントレー コンチネンタル GTも好きだった。サッカー選手の車という不運な評判があってもだ。マルーンカラーのを持っていた。
最近はメルセデスAMG GT Cロードスターや他にも何台か所有しているが、お気に入りはロングホイールベースのレンジローバーだ。しかし年齢的にいつ運転できなくなるかと思うことは時々ある。それを考えるのは本当に気が滅入る。私は運転が大好きだからだ。
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ロジャーのガレージ内部
ドラマーのお気に入りの車たちとは・・・
ベントレー ミュルザンヌ エクステンデッド・ホイールベース(EWB)
ブガッティやランボルギーニみたいなものは欲しくない – 実用性が全くないので。
ロールスロイス ファントム ドロップヘッドクーペ
ファントム ドロップヘッドを持っている。クルエラ・ド・ヴィルみたいな車だ。適切な道を走るのなら運転が実に楽しい。
メルセデスAMG GT C ロードスター
AMGは大好き、素晴らしいスポーツカーだ。今所有している中から1台しか残せないとしたらレンジローバーだが。
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