見出し画像

プラン作成時の「効率」について考えてみた

プラン=間取り変更の提案図面

今日はY様へ1週間後に提出予定のプラン(間取り変更の提案図面)を3パターン作ってみました。現状の建物の形がかなり複雑で増築やリフォームを繰り返していて、なかなか構造体の在処が掴みにくいお家です。

構造体というのは梁や柱など、壁や天井裏に隠れていて普段は見ることができないのですが、お家の変形を抑止する上で重要なパーツなんですね。これが掴みにくということはつまり「上っ面の仕上がりはキレイだが、長持ちしない家」になってしまうリスクだとか「工事中に『すいません!このプランやっぱりできません…」とお客様にお詫びしないといけなくなるリスクが増えるということ。

なので、通常は床延面積30坪くらいの大きさのプランなら、1時間以内に1プラン仕上げられるのですが、今回は3パターン作成&予算制限が強めということも相まって、慎重に作成を進めた結果、朝から夕方まで丸一日かかってしまいました。

僕はプランを考える時にいつも中心に据えていることがあって、それは「自分で住みたいと思える家にする」というシンプルなもの。

ここを妥協してしまうとプランに魂が宿らないというか、せっかく期待して待っててくれているお客様に申し訳ない気持ちがしてしまう…だから、お客様の趣味や休みの日の過ごし方などもちゃんとヒアリングした上で、「そのお客様に成りきって」プランを考えるようにしています。

それで、あーでもない、こーでもないと丸一日図面と格闘している僕を見て、超売れっ子の先輩が一言「どーせファーストプランなんて変更になるんやから、そんな考えても無駄やで」と。

確かに…そう、確かに仰る通りなんです。
ファーストプランで決まることなんてほぼないんです。それをまずは叩き台にして、より詳しい要望やお悩みを聞き出すきっかけにして、より良いプランに仕上げていくという過程が、どのお客様の場合でも必ずあるんです。

なので、まずは「とりあえず形にする」ということが効率の良い仕事の仕方なんだと思います。大正解!

でもしかし、しかしと僕は考えてしまうんです。
そういう効率的な働き方が必要な場面というのは確かにあるんですが、ベースにはやっぱり「お客様にとって最初で最後のリノベーションを提案する重み」を感じて臨むべきなんじゃないかなと。

たぶん、そういう仕事に向き合う姿勢って、見る人が見たら伝わるんじゃないかと思うんですよね。

で、きっと僕より知識があって、営業が上手で、効率的にスマートにそつなく仕事をこなす担当者は競合先にたくさんいるとは思いますが、だからこそ、僕は誰よりそのお客さんのことを長く深く考えるということをやっています。

それでも選んでいただけない時はありますけどね(笑)
1人のお客様と初めてお会いしてから契約をいただくまで、計算してみたら50時間くらいかかる仕事なんですが、最後に選んでいただけない場合には全てが無駄になります。

でも、「ここまで関わってだめだった」という思いが残るのと、「あーしておいたら良かった。あそこをもう少し変えておいたら良かった」みたいな後悔が残るのとでは、次のお客様へ向かう時の心の態度が変わってくる。

やっぱり僕は、胸を張って仕事をしていきたいです。例え非効率であったとしても、「何のために仕事をしているのか」を忘れずに日々仕事に向き合っていたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?