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「KIZUNA」〜毛糸に託す思い〜

 2ndアルバム「KIZUNA」が発売日を迎え、私達のもとにJO1からのプレゼントが届きました。1stアルバム「The STAR」から1年半を経て届いたプレゼントは、JO1の成長を感じさせるものでした。

 私自身は音楽的なベースは何もない人間なので、簡単な感想程度になると思いますが、共感していただいたり、ご自身はどう感じたかを改めて考えたりしてくださったら幸いです。 

【タイトル KIZUNA 】

 さて、まずはこのアルバムのタイトルから。
 初めて聞いた時は正直「うーん…ダサくない?大丈夫?」と思いました。だって日本語の英語表記なんて「SUKIYAKI」「FUJIYAMA」みたいな文明開花の音がする雰囲気しか感じられなくて…?いや、かえってこういうレトロさが新しいのか?私がオバサンゆえこのエモさがわからないだけなのかも…と焦りながら、意図するものを汲み取ろうと考えました。
 私の理解の糸口になった一つは、習っている韓国語です。意味は別として、私には好きな韓国語の単語があります。それは発音の仕方だったり、ハングル文字の形だったりおおよそ感覚的なものです。日本語を母語にしてると、あまり「この日本語好きなんだよね」というものはないけど、韓国の方で「りんご」という発音が好きとおっしゃってた方もいます。
 他言語ゆえのエモさがあるから、グローバルな展開のための手段として、諸外国の方に日本の文化にエモさを感じてもらうためなら、日本語の英語表記もアリと思いました。

 最終的に受け入れざるを得なくなったのは、やはりリード曲の「With Us」のMVが出た時ですね。もうこれはどうしようもない!JO1同士が、JO1とJAMが、そしてJAM同士が紡いできたものってもう絆以外ないじゃないですか?「WIth You」ではないのです。「Us」ですから。二者間で行われている思いのやりとりではない包括的な感情の共有を端的に表すとなるとやはり「絆」なのかなと思います。
 ただし、美しい意味合いをもっていても、漢字の成り立ちなどまで含めると、いささか“つながる”という意味が良い意味でない場合もあるので、多視点から言葉をみていくのは大事かなと思いますし、それゆえの英語表記でもあるのかなと思います。

【With Us】

 さあ、リード曲です。「僕らの季節」がJAM以外の人に受け入れられていた手応えがあったので、次のシングルにしろアルバムにしろ、“リード曲をどんなコンセプトにするのか?”はとても注目ポイントでした。「JpopとKpopのいいところをとる」とは言うものの、活動の拠点は日本、JAMの中でもKpopに馴染みがあり求めている人が多い体感がある中で、何に重きを置くかは難問です。ターゲットにする層はどこか?

 初めて聴いた時の感想は「受け入れやすいな」でした。それは日本の一般の人達が…です。ワンフレーズ流れただけで、明るくて軽やかで、うたっている内容がとけとげしいものでないことがわかります。JO1が出している波長ってキラキラしてくもりのない純粋なものですから、JO1にもピッタリだと感じました。リズムも心地よく、眠れはしないけど心臓の鼓動の速さに似ていて安心感があります。そして音の重なりも豊かですし、ラスサビにかけて盛り上がっていく感じがドラマティックなラインを作っています。
 この曲が刺さる層はどこなのか?一般大衆か?Kpopらしさを求める層か?

 私は「JO1に刺さるように作られた」と感じています。
 「勝負の3年目」を一番シビアに感じているのは
JO1自身です。やりがいもあるでしょうが努力がすぐに芽がでない焦りもあります。その中でプラスの感情もマイナスの感情も完全に共有できるのはメンバー同士しかいない。運営さんもスタッフさんもJAMも彼らのリアルな感情はわかってあげられないのです。だからこそ「11人の絆」を頼りに、頑張り続けることができるようにと作られているように感じています。同時に頑張ることを強いられ、苦しんでいる一般大衆もこの曲によって救われることでしょう。
 歌は言霊であり、祈りです。繰り返しうたうことで、「With Us」の世界観のような状況を作っていくことができるなら「With Us」の歌詞のもつ力を信じたいと思います。
 また運営サイドのマーケティングとして、「JO1の曲を売る」のではなく「JO1の紡いできたストーリー」ごと売ると考えているなら「WIth Us」をリード曲にしたのも合点がいく話です。いわば“JO1のテーマ曲”をリード曲にしたのです。

【Walk it Like I Talk it】

 ではゴリゴリの曲をやりこなせるJO1の実力を発揮できる曲は何かというと、ワキラキでしょう。
 正直、Kpop感が強い曲の歌詞はあまり深掘りしなくても私は楽しめます。別に歌詞が悪いというのではなく、リズムとクセになるフレーズ、曲の構成でかなり満足感があります。「YOLO-konde」みたいにコンセプトから考えて歌詞をあてていくのも良きですが、私自身はこの手の曲に関しては、歌詞の物語がスタートからゴールまで螺旋を描くようにつながっていなくても大丈夫です。 
 PVの雰囲気も良かったですし、パフォーマンスでガツンと一発食らわせることができる曲ですから、ライブで見るのがとても楽しみです。

 ただ呼び方に関してJAMが勝手に作った略称でなく、運営さんが指定する呼び方にタグづけするならば、それにメンバーの意向がなかったというのはいかがなものかと思います。「ウォキラキ」と呼んでいたのに、タグがついていてむりくり「ワキラキ」にしたら、メンバーは「ウォキラキ」と呼んでいたってなんでやねん!(笑)自分の思い通りの呼び方じゃなかったということに疑問を感じているのではなくて、メンバーが呼んでる呼び方も知らない、メンバーに「どう呼んでるの?」と聞くようなコミュニケーションもないことに疑問が残ります。普段から彼らには発言権がないのかと、勘繰ってしまいたくなります(悪いクセ)
私の年表に「ワキラキ事件」として刻んでおきます。

【Algorithm】

 この曲もリズム重視の曲で、不思議と聴けば聴くほど馴染んでいくというか、自分の中のalgorithmと一致していくというか、なんとも味のある曲。構成もバリエーションがいっぱいでおもしろい。最初聴いた時は、一回では理解できなくて頭抱えていたのが本当のトコロです。ただまめちゃんの芯のある声がばっちりはまっていたことはわかりました。「誰よ⁉︎これ!」と思うとまめちゃんだったということが多かったです。
 聴いていくとJO1はネコ科のライオンだったと思えるような牙や爪が隠されてて、とてもいいです。今まで頭なでなでしてた子に急に押し倒されたような(コラ)驚きと胸の高まりがあります。これもライブで聴いてJO1に押し倒されたいと思います(殴)

【流星雨】

 結局(結局とは)一番好きな曲かもしれないなと思っています。
 JO1って星コンセプトが死ぬ程似合うんですよね。ここにきて“流星雨”という何とも美しいタイトルをまとってのご帰還です。「Starlight」の短さでも意識が宇宙の果てまで飛んでいくのに、完全に私はこの曲の世界の中を飛んでるような気分です。

 歌詞を読んでいくと、静謐なラブソングではあるんだけど、すごく“色”を感じる風景写真のような曲だと感じます。地上も空も宇宙までも感じられる壮大な曲。
 そして曲に主人公がいるとしたら、世界観が宇宙までいくほど壮大なものだから懐深く誠実な主人公像がうかびあがってきます。そんな主人公が「永遠に君といたい」「胸に抱かれて囁いてよ“いつまでも一緒だよ”と」みたいな胸キュンなセリフまで言うから撃沈です。普段推しに何かしてほしいことはないのですが、「永遠に君といたい」をうたってもらいたい衝動が抑えられません…。

 初夏の闇の訪れを迎えるまでの、青やピンクや白が混じった空を見ながら風に吹かれて聴くのが私のお気に入りです。

【Touch】

 純喜さん作詞のこの曲。もともとは英語の歌詞だったという話(ソースは調べていませんが)なので、英語詞からインスパイアされてなのか、純喜さんの中にあるアオハルが爆発しての歌詞なのかはわかりませんが、まぁなんとも甘酸っぱい。そして「純喜、どこだー!」と探さなくても、曲の中の純喜がすぐ見つかっちゃうような歌詞です。
 この夢や希望あふれる恋の歌は、「JO1の“初心LOVE”」私達世代でいうところの「うれしい!たのしい!だいすき!」ですよ。始まってすぐに豆ちゃんが「これが恋ってやつかな」とうたった時にはお母さんは「そうだよ、一成」と返事してしまいました。同時に「この子達は世界中の人に知らせたいほどの恋のトキメキを表に出しにくい現実を生きているんだな…」としんみりもしました。

 それはさておき、TikTokでもダンス動画を出していることもあってこれこそ若いJAMちゃん達にお願いしたい。一応おばさんも練習しているので力を合わせてバズらせようじゃないですか。本当かわいい曲だもの。

【Love &Hate】

 「Touch」のあとにこの曲というのはあえてなんですけど、爽やかなレモン香りから、リブレのアンタンスの濃ゆさへの落差を楽しんでいただきたくて…。酔うほどの振り幅です。
 面白いなと思ったのが、「Touch」ではよなさんと蓮くんの兄ズは息を潜めているのに、ここではパートも多いし、存在感が群を抜いちゃっているんですね。年齢的にも経験値的にも他メンより世界観を理解し表現しやすいんでしょうね(でしょうね)
 よなさんは、メールとかではお色気たっぷりでオトナの恋愛を楽しむような雰囲気を醸し出していますが、よなさんから感じるのはもっと健康的で爽やかな色気。本当に透明感がある華をもってる。愛されたら幸せになる予感しかしません。一方蓮くんは、本人はてんで恋愛には興味ござーません的な雰囲気ですが、毒があってどろっとした色気をもっているのはこちら。溺れたら元に戻れないけど溺れたい中毒性があって困る。スペースでも話しましたがこの曲は対比表現が多い。その中でこの2人の色気の種類も実に対称的で、この曲のスパイスになってます。

 さて、歌詞の対比表現ですが冒頭から「熱い君の視線」「冷たい最後のMemories」があり、「憎みたいほど惹かれる」、「近づくほど遠ざかる」など相対する表現のオンパレード。愛と怒りが両立していて、主人公の混乱を感じますね。理性を保ててない感じが、この曲の艶っぽさに拍車をかけています。愛って本来あたたかいものだけど、理性のブレーキが効かなくなった時には痛みを伴うもの…。「Love」と「Hate」についてだけは対比のようでいて、私は同じ渦の中にあるもののような気がします。
 英語表現について、私がひっかかったのは「Question in my heart」。「Question」を調べて一番しっくりきたのは“困難や議論を引き起こす問題”。単純な問題や質問ではなく、相当な葛藤や矛盾を心の中に抱えていることを表す表現ですね。
本当に男女の愛(恋)は痛いし、痛いから愛を感じるのかもだし、ややこしい…。

さてさてこの曲はどのようなタイミングで私達の前に現れるのでしょうね。シナモロールと一緒の時ではないとは思います(笑)
 最後に、なぜまめちゃに「止まれない」をうたわせたのか?ということを叫んで「Love &Hate」を閉じたいと思います。「なんでなーん?あかーん‼︎」

【ZERO】

 ZEROですよ、ZERO。これはなかなか手強かったな。だってZERO…なんやろZEROって?てな感じ。
安直に考えたら、「君」を「JAM」に置き替えることができてJO1からのラブレターに思えるような歌詞です。
 スペースで英国住みのPinkyさんが、イントロが「エンヤっぽい」とおっしゃられてそこからしばらくスウェディッシュポップの話やディカプリオが出演していた「ロミオ&ジュリエット」の話でテンション上がってしまったのですが、聴いてみると確かに上品かつポップな感じ。
 歌詞の中で「点から線につながるcircle」という歌詞が好きです。点から線になったら、一方通行の直線を想像するけど、点から線になったらその線が円を描くなんてなんて素敵!人との繋がりも1人ずつがお互いの顔を見て手を繋いでいけば、円(縁)を作れる。惑星を点と思えば公転の軌道も描ける。円って本当素敵なのです。0は「何もない、無」というよりも、形的に「○(まる)」。これもまたcircleで、何もない無常さよりもあたたかさを感じます。 
 そして○(まる)と言えば地球。JO1と宇宙プロジェクトが計画されていますが、宇宙を漂う時には「ZERO」を聴きたい気分です。

【Move The Soul】

 いよいよ、ラストです。ムブソにしめてもらいましょう!
 日本語で言うと「心が動く」という表現がありますね。「Move The Heart」。優しい感じがします。“Soul”という言葉に置き代わるだけで、すごく雰囲気が変わり、「魂が動く」と訳すよりも意訳で「荒ぶる魂」とかに訳したいそんな感じです。今のJO1の内なるものを感じられます。
 この曲もリード曲になり得る曲。process JO1で安倉先生に教えてもらったビート打ちがとても気持ちいい!流れるように進んでいくけど時々変化球も飛んできて「うかうかしてられない」感があります。ぜひこれもライブでドラムドコスコのアレンジで聴いてみたい。
 アニメの主題歌になったことは、JO1の歴史の中で名誉であり未来につながる大事なポイント。ただ今回アニメ界隈から好意的に受け入れられていない空気を感じてしまいなんとも複雑な気持ち。オファーがあったのか、こちらからプッシュしたのかわからないけど、三顧の礼で迎えられ、共に盛り上げたかったな…と思うのはワガママでしょうね。こうやって様々な界隈とつながってKIZUNAをつくって広がっていきたいですね。



【おわりに】

 最後になりましたが、ジャケットの隅に転がっている毛糸。初夏の発売にもかかわらず毛糸です。もしかして発売時期そのものが初夏にずれこんだ可能性もありますが…(衣装もゴツい)。

 しかし、毛糸もまた○(まる)であり、KIZUNAというタイトルを象徴するものなのでしょう。きつく締め付けるものではなく、触り心地はやわらかであたたか。誰かを優しく包むものです。冬生まれの娘のおくるみを超不器用なくせに私は毛糸で必死で編みました。いろんな冷たい風から娘を守りたかった。
 また「ショートプログラム」の中の「近況」では、毛糸のマフラーが時を越えて主人公達をつないでいました。編み込んでいった毛糸の編み目の中にいろんな思いをひそませていましたね。毛糸を中島みゆきの「糸」になぞらえるなら“縦の毛糸はあなた、横の毛糸は私。織りなす布はいつか誰かをあたためうるかもしれない”みたいな感じでしょうか。

 毛糸はやはり“つなぐもの”。

 JO1のメンバー同士をつなぎ、JO1とJAMをつなぎ、JAM同士をつないでいるKIZUNAを可視化したものがあの毛糸であるのではないでしょうか。そしてあの毛糸はコロコロコロコロと歩みを止めず転がり、まだ何かをつなごうとしています。
 私達はどこに転がっていくのでしょうか。JO1の
Go to the topに向かって転がっていくと信じて
お互いをあたためあいながら、次のステージを目指していきたいですね。

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