見出し画像

中国海軍の艦艇戦力化訓練

《はじめに》

駆逐艦•フリゲートなど主力戦闘艦を含めた大型•中型艦艇は所属部隊就役以降より戦区艦艇訓練センターの監督下で艦乗員の戦力化訓練=習熟化訓練課程に入る。今回はその訓練行程についてまとめていきたい。

《就役後の戦区艦艇訓練センターへの配置》

部隊就役を終えた新入艦はその後、各戦区艦艇訓練センターにて艦乗員の習熟化訓練、つまり初期戦力化訓練課程を受ける事となる。新入艦にとって駐屯基地(母港)では無い場合においても戦区艦艇訓練センターが設置されている基地に赴き、長期間配置された上で基礎訓練課程を受ける場合が多く、所属戦区管内では無い他戦区艦艇訓練センターにおいて訓練課程を実施している事例も見受けられた。

※例としては東部戦区所属艦が南部戦区(湛江)や北部戦区(青島)の艦艇訓練センターにて各種訓練考査を受けていた事など。

南部戦区艦艇訓練センターで訓練課程を受けた延安106

《艦艇訓練センターでの各種訓練•実習》

模擬航空目標に対し副砲による対空射撃を行う巴彦淖爾551

習熟化訓練では艦内設備の実証•検査は勿論の事、海上航行/操艦実習•各種艦載砲による実弾射撃訓練•艦外脱出/海上救難訓練•レーダーやセンサー等による索敵/哨戒/目標追跡訓練•各種通信実習等を一通り行う。

ちなみに海上訓練等の各種訓練考査には艦艇訓練センターや海軍軍訓部から評価監督員が艦内に同乗する。

大連105に乗艦した評価監督担当員

《戦力化訓練(習熟化訓練)課程の期間》

近年の中国海軍(以下PLAN)では先述した訓練課程を駆逐艦やフリゲートなど大型•中型艦艇の場合、約6ヶ月-8ヶ月間程度期間を設け実施しているようで訓練期間末には最終基礎訓練考査を行う。興味深いのが従来、また一般的と言われる各国海軍の艦艇の習熟化訓練期間は約5年、短くても約3年間程と設定されているが中国側の各報道内から読み取るように前述した期間末に最終的な訓練考査を実施しており、他国海軍と比較しても非常に短い。

それや最近の報道映像内においてほぼ同時期に就役した複数の艦艇が同じプログラムで訓練を行なっている事が確認されており、並行して訓練を行なっている事が確認されている。

《戦力化訓練課程修了後の流れ》

新入艦は習熟化訓練期間を終えた後、所属部隊駐屯基地にそのまま配備される事が多い。実例を挙げると055型艦:大連105や延安106は広東省:湛江艦艇基地に置かれている艦艇訓練センターでの習熟化訓練後に所属部隊駐屯基地である海南省:三亜艦艇基地に配備されており、その後は実戦訓練航海を度々実施しているよう。

海南省:三亜軍港が駐屯基地(母港)である055型艦3隻。

《まとめに代えて》

今回は駆逐艦•フリゲートなど大型•中型戦闘艦艇に重点をおいて記述しましたがこれからも書き加えていこうと思っています。


《参考資料など》

CCTV-7各報道映像

解放军报

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?