研究書評-The Guardian 書評-


6/27 The Guardian 書評

ABC staff survey reveals 13% of news employees have faced sexual harassment
25/June/2024:ABCの従業員調査で報道関係者の13%がセクハラ被害に遭ったことが明らかに
オーストラリア国立大学の社会研究センターが実施した、職場におけるセクハラやいじめの発生状況、公平性、包摂性を調べるための独立した秘密調査に合計745人の報道関係者が調査に回答し、ABCのニュース部門の従業員を対象にした内部調査で、調査対象となったスタッフの25%が職場でいじめを経験し、13%がセクハラ被害に遭ったことがわかった。スティーブンス氏は、回答者の数を見ると、職場でよくあるいじめやセクハラ行為を経験または目撃した後、従業員が行動を起こすことに消極的であることがうかがえると述べた。この勧告は、ABCの人種差別に関するテリ・ジャンケ氏の調査に対する同局の対応の一部となり、同社は、アボリジニとトレス海峡諸島民のスタッフによる内部グループの推奨に従い、ジャンケ博士が主導するシステムレビューを実施している。スティーブンス氏は、いじめ行為やセクハラは「現代の職場で驚くほど蔓延し続けている」とし、メディア業界では推定64%で全国平均の2倍に上り、オーストラリア人権委員会がオーストラリアの職場におけるセクハラに関する第5回全国調査を実施したところ、過去12か月間に職場でセクハラを受けたことがあると答えた人は19%、過去5年間に受けた人は33%だったと述べた。


6/20 The Guardian 書評

Sexual harassment still ‘rife’ in UK schools, poll of female staff finds
18/June/2024:女性職員の調査でイギリスの学校では依然としてセクハラが蔓延していることが判明。
女性のサポートスタッフを対象とした世論調査によると、イギリスの学校ではセクハラが依然として蔓延しており、中には男子生徒や男性同僚による不適切な姓的発言や身体的嫌がらせを訴えるスタッフもいた。今回の調査に回答した中等学校職員の10人に1人が性的嫌がらせを受けたことがあると回答し、4分の1が過去5年間の中で職場で性的嫌がらせを目撃したと回答した。そして全学年の職員のうち、7%が性的嫌がらせを受けたことがあると回答した。身体的な被害としては学校の女性学習支援アシスタントが生徒が彼女にキスをし、彼女の頭を股間に押し付けようとしたり、男子生徒がスタッフのお尻を触ったり叩いたりしようとしたということが挙げられている。また精神的なものでは男子生徒3人が集団で「お尻での性行為」に関することや「精液は好きか」などを聞いたりしている。これは教師に対してだけでなく女子生徒にも被害が出ている。むしろこういったことは男子生徒は女子生徒に向ける傾向が高く、男子生徒が女子生徒を押し倒してキスをしたり、『レイプタッチ』と呼ばれるゲームをしたり、女子生徒の身体について話していたということが挙げられている。

6/13 The Guardian 書評

Stress bragging: why workload boasts are bad for you – and your colleagues
3/June/2024:ストレス自慢:仕事量の自慢があなたと同僚にとって悪い理由
人によっては仕事で自分が今どれだけ忙しくしているのかを同僚たちに話す習慣がある。研究によるとどれだけ忙しいかを自慢することは同僚からの好感度を下げてしまったり、同僚からの信頼を失ってしまう可能性があったり、自分自身の能力を低下させてしまったりする恐れがあることが判明している。この習慣があるひとは仕事に熱心で長時間働いており、プライドが高い傾向にある。また、この習慣はプライドが高いがために周りの人に対して自分が仕事に対して意欲的であり、有能であることを認めてもらうことによって自分自身の承認欲求を満たそうとしている傾向がある。しかし、この習慣は同僚がその人に対して好感が持てなかったり、いちいち自慢してくる人なのだという印象が強くなることによって自分が有能だと思ってもらえなかったり、そこまで自慢できるのであれば自分で解決できるだろうと困っているときに助けてもらえなくなったりする可能性がある。実際にPublished in the journal personnel Psychologyに掲載された新しい研究で360人の参加者にストレス自慢をする架空の同調の評価をしてもらうとこの習慣はこの行動をとってしまう人にとって悪影響をもたらすことが判明した。また、この行動に対してストレスを感じる原意としては同じことを何回もされることが原因の一つである。

6/06 The Guardian 書評

Japanese mayor facing 99 harassment claims resigns
1/March/2024:99件の嫌がらせ申し立てを受けた日本の市長が辞任
公式調査により、岐阜県中部の町長である小島秀夫氏が、同僚の胸や臀部を触るなど、99件にものぼるセクハラ疑惑となる複数の嫌がらせ行為を行ったと告発された。第三者委員会の報告書に詳述されている、他者が目撃した事件で女性従業員を抱きしめたという疑惑など、一部の疑惑を否定したが、涙を浮かべながら辞任することを発表した。報告書によると、「自分の手は白く滑らかだ」と部下たちに言い、女性社員に触らせていたと記載されおり、一部の従業員は触られた後に消毒スプレーを使用していたほか、従業員にかがむように求めるなど不適切な発言や要求も詳細に述べられていた。また、報道によれば、彼はまた「ズボンをまくって脚を見せびらかし、触るように言う」こともしていたり、女性職員の頭を頻繁に撫でていたという。頭を撫でていたことに関して小島氏は「感謝の気持ちを表す」ためだったと述べた。Xではこの報道に関して多くのユーザーが怒りを表明しており、小島町の職員193人を対象にアンケートでは回答した161人のうち、男性の約53%、女性の約58%が、市長の行動に不快感を覚えたと答えた。

5/30 The Guardian 書評

Labour’s ‘new deal for workers’ will not fully ban zero-hours contracts
1/May/2024:労働党の「労働者のための新協定」はゼロ時間契約を完全に禁止するものではない

イギリスでは労働党が0時間契約を全面的に禁止すると公約しているにもかかわらず、従業員がゼロ時間契約で働ける抜け穴を計画していることをめぐり、批判に直面している。キール・スターマー氏の政党は、政権を握った場合に労働者の権利を全面的に見直すという公約の詳細を発表する準備を進めている。これは同党の初期の政権構想の中心となるものだが、企業からの激しいロビー活動にさらされている。労働党は、雇用主が最低労働時間数を提供する義務がないゼロ時間契約を禁止すると繰り返し約束してきた。しかし、改訂された計画の一環として、雇用主は通常の労働時間に基づいた契約を提供することが義務付けられるが、労働者はゼロ時間契約に留まることを選択できる。この動きは、雇用主が労働者に賃金や労働時間に関する不安を受け入れるよう圧力をかけるために力の不均衡を利用する可能性があるという懸念を引き起こしている。WGB労働組合は、この慣行を全面的に禁止しない限り、搾取の余地が残ることを懸念していると指摘し、「イギリスでは、絶望と雇用主と従業員の間の極端な力関係の不均衡により、労働者はあらゆる分野で劣悪な労働条件と不安定な契約を受け入れることを余儀なくされることが多い」と述べた。


5/23 The Guardian 書評

Claims that overwork killed China tech worker reignites ‘996’ debate
9/February/2022:中国のハイテク労働者が過労死したという主張で「996」論争が再燃
1人の中国人ハイテク労働者が過度の残業が原因で死亡したという主張によって業界の「996」論争が再燃している。死亡したのは25歳の男性であり、土曜日の午後に自宅から病院に運ばれた直後に病院で死亡が確認された。この男性がコンテンツ監査人として雇われていた動画プラットフォーム「Bilibili」によると、同社の代表者らが病院に行って支援し、その後家族に死亡を報告した。Bilibiliは脳出血で死亡したと伝えられている従業員はここ1週間、午前9時半から午後6時半までの勤務であり、残業はなかったため過労だったという主張を否定する内部メモを発表した。しかし、月曜日に職場のブロガーが男性の死を報じたことで「996」と呼ばれる有害な残業文化についての激しい議論が再熱した。「996」というのはテクノロジー業界の従業員が週6日午前9時から午後9時まで働くという期待に言及している。このことに関してWeiboではこの1年間で政府が問題に対処するために十分な措置を講じていなかったという非難を含め、数億回のレビューを獲得した。また、同社で働いていたと主張する人々が先週の旧正月休暇中に12時間の夜勤をしたと主張する投稿も相次ぎ、「Bilibili」では年次休暇が休暇ではない。そして超過労働に対する賃金もないと主張した。


5/16 The Guardian 書評

One thing stops us from prising teens from their phones: peer pressure
13/April/2024:10 代の若者たちに携帯電話を利用させないようにするための 1 つの理由: 仲間からの圧力

若者の精神は仲間からの圧力に対してとても猛弱であり、10代の若者にとって多くの場合、自分達の世界の中で友人関係の亀裂は壊滅的なものとなる可能性がある。元々その場限りであったいじめはインターネットを通じてあらゆる場所で行われることとなった。今週、イギリス政府は16歳未満へのスマートフォンの販売することを禁止することを検討していると発表した。これは国民の大きな要望であり、64%がこの検討に対して賛成している。またParentkindによると親を対象とした調査では58%が賛成しているという結果となった。しかし、この件に関して友達と一緒に過ごすのではなく、スマホの画面を見続けているということが子供にとって悪いことなのかというとそれを実証することは難しく、このことが適切な解決策であるのかわからない。これは「スマートフォンの影響」と「メンタルヘルス問題」がどちらも広範囲で不定型な概念であることが一部の原因だと考えられる。スマートフォンに関して単に親と子供を教育するだけでは効果は期待できず、依存症の慣習がその方法だけで克服されることはほとんどない。また、スマートフォンのおかげで親がいつでも連絡を取れるという安心感を持てるという面もある。また、持っていないことに対しての仲間からの圧力に対しても十分注意すべきである。


5/9 The Guardian 書評


Death from overwork: young Koreans rebel against culture of long hours
18/June/2023:過労死:韓国の若者が長時間労働の文化に反抗

韓国は先進国の中で労働時間が最も長い国の1つである。韓国では長時間にわたる平均労働時間を計算できるようにすることで企業に柔軟性を提供し、労働市場の課題の解決策として、ユン・ソンニョル大統領が必要に応じて週に120時間働くことを許可することを提案した。しかしこの提案は若者、労働組合、野党政治家の反発を引き起こし、政府は決定の再興を余儀なくされた。野党民主党の報道官はこの提案に対して「恥知らず」と言い、この国が「労働地獄の歴史」に戻りつつあると述べた。青年労働者たちは「現実から剥離した無責任で被人道的な政策」に反するデモを行い、ソーシャルメディアで広く批判された。政府はすぐに撤回したようだが、代替方針がまだ提示されておらず、今年後半に何らかの形で69時間案が復活するのではないかと懸念されている。
今出ている過労死のリスクが高まる時間の目安が月80時間と言われているので週120時間稼働だと大きく過労死ラインを越えることとなる。採用されていたらただでさえ韓国では10歳から39歳までの人の主な死因として自殺が挙げられているのに、その数は膨大に増えていたと推測できる。また、この件に関して私達と同世代であるZ世代が積極的にデモを起こしたと書かれていたので、その姿勢は私達日本の若者も見習って行くべきである。


5/2 The Guardian 書評

Japan: one fifth of employees at risk of death from overwork – report
8/October/2016:日本:従業員の5分の1が過労死の危険に晒されているー報告書

日本の過酷な労働文化に関する調査によると、日本の労働者の5分の1が過労死の危険に直面している。日本では脳卒中、心臓発作、自殺などの過労に関する深刻な健康問題による死亡者が毎年数百人報告されており、訟訴や問題への取り組みの呼びかけが起こされている。日本のサラリーマンは終電で帰宅するまで長時間会社で働くというイメージは徐々に変わっていっているが、それでも多くのサラリーマンは他の現代経済諸国と比較すると、オフィスで過ごしている時間が大幅に長い。調査によると、調査を受けた企業の22.7%が、従業員の一部が毎月80時間以上の残業をしていたと回答した。これは過労死の可能性が深刻になる公定基準である。また、同じ調査で日本の従業員の約21.3%が毎週平均49時間以上働いており、米国の16.4%、イギリスの12.5%、フランスの10.4%を大きく上回っていることが判明した。
現代の日本では残業問題に関して関心が高まっており、特に残業が酷い配送業のドライバーの労働環境の改善が法によって定められることが検討されている。


4/25 The Guardian 書評

Rishi Sunak promises UK’s largest ever military support package for Ukraine
22/April/2024:リシ・スナク、イギリス史上最大のウクライナへの軍事支援策を約束した。
リシ・スナクはウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアが戦争に勝ったら「ポーランド国境には止まらない」だろう。と警告し、イギリス史上最大のウクライナへの軍事支援策を約束した。リシ首相は火曜日にポーランドを訪れ、ポーランドの指導者のドナルド・トゥスクとNATO事務総長のイェンス・ストルテンベルグと共に、欧州の安全保障とロシアの脅威について話し合う予定であり、その後にドイツを訪問し、オラフ・ショルツ首相とも会談を行う予定である。イギリスはキエフに400台の車両、1600発以上のミサイル、400万発の弾薬、60隻のボードを含む装備に加えて、さらに5億ポンドの軍事資金を提供する予定である。イギリスは2022年2月以降、これまでにウクライナへ約120億ポンドの支援を約束している。スナク首相は「わたしたちやヨーロッパ全体にとって、ロシアの残忍な野望からウクライナを守ることはとても重要なことである。イギリスは常に欧州の安全保障の最前線で役割を果たし、我が国の国益を守りながらNATO同盟国の支持を行う。」と述べている。また、アメリカでもウクライナへロシアの侵攻に対抗するために新たに610億ドルの軍事援助が承認された。


4/18 The Guardian 書評

'Daylight robbery’: two in five UK teachers work 26 hours for free each week.23/February/2024白昼強盗:イギリスの教師の5人に2人が毎週26時間無償で働いている。労働組合による新たな調査によって教師が最も多く無給残業していることが明らかになり、教職員組合は大臣達を「白昼強盗」だと非難した。TUCの調査によると、イギリスの教職員の5人のうち2人が毎週26時間、年間合計550万時間無償で働いていることが判明した。これは教師がサービス残業によって年間平均15000ポンド失っていることになる。最新の調査では、調査対象の教師の半数以上が、週に50時間以上働いており、その中には70時間以上働いている教師もいた。TUCの調査では、昨年イギリスで380万人の労働者が無給残業をしており、毎週7時間以上無給で働いていた。これは年間7200ポンドの未払いに相当する。
今回の記事ではイギリスの残業についての話であったが、これは日本でも同じ状況が起こっている。日本では公立学校に勤務する教育公務員の勤務時間は、労働基準法によって1週間の上限は休憩時間を除き40時間、1日の上限は休憩時間を除き8時間と定められている。しかし、日本の教員の週の平均勤務時間は、小学校、中学校ともに50時間を超えており、小学校教員が54.4時間、中学校教員が56時間となっている。世界の教員の勤務時間の平均が38.3時間であるため、大幅に平均を超えている。


4/11 The Guardian 書評

Contact-tracing and peer pressure: How Japan has controlled coronavirus.
6/June/2020接触追跡と同調圧力:どのように日本はコロナウイルスを制御したのか

新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に他の国がロックダウンや外出禁止令で対処しているなか、日本はこの2つの対処なしで、他のG7諸国よりも低い死亡率に抑えことができた。筆者はその理由を5つ説明しており、1つ目は全国の地方保健所によってアナログで行われた接触追跡、2つ目はさらなるクラスターを抑えるためのクラスターの特定と監視、3つ目は日本人がマスクをつけることは一般的であるという社会的慣習を持っていたこと、4つ目は自主的な要請を病気に関する知識をわかりやすく国民に共有することができたこと、そして5つ目は日本人が持つ強い同調圧力によって奨励はあれど強制力はないため、違反者が罰されることがないにもかかわらず、大多数が家にいるよう努めていたことである。この5つが日本人の新型コロナウイルスによる死亡率を下げていると記されているが、5つ目の同調圧力が一番の理由であり、同調圧力を日本人が持っていたからこそ、大人数が外部の人々と接触することがなく、各々が感染するリスクを下げ、外に出る人が少なかったので感染者の追跡がより高度で迅速に対応することができたのではないかと推測できる。



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