再、東京

やってきた東京。店を出た後、安い缶ビール買って、帰りに飲みながら歩く。酔っ払いながら思った。出来ることなら、時間よ止まってくれないか。時間よ出来るなら戻ってくれないか。単純だ。

東京は広くて狭い、周りの目なんか気にも留めず泣きながら笑ってる人がいた。もう余っているのは涙くらいなんだろう。ずっと隠していた涙なんだろうな。あー、俺もそんな風に想いを伝えることが、表すことが出来たら。

本当は今すぐに、伝えたいことがある。だけど、だれけど、まだ胸が苦しくて。本当は今すぐに話したい夢がある。だけど、だけれど、まだ胸が苦しくて。俺はまだこのままだ。

やっと、東京に居るうちに雨が降った。やっと顔を洗った。やっと靴を履いた。やっと電車が来た。東京に居た。

俺だってあんたに会って話してえことがあんだ。誰にも分かってもらえなくても良い。あんただけ分かってくれたら、そんな話が出来たら、それだけで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?