物事の上手く行く秘訣
なんてのは、さほど、どんな事も変わらないのだろうが。
例えば、こんな駄文だって、コンパクトに上手くまとめる、なんてのは日々の修練なだけなのである。
例えば「坂口安吾みたいな文体で、音楽の評論めいたエッセイを書いてる感じ」、それも2000文字(原稿用紙5枚分程度)で収まるような感じ、としたら、それに向けて、ひたすらコンパクトだけど文章を書く訓練をする。
やっぱり、最初は上手く行かないものである。長くなり過ぎたり、短くなり過ぎたり、ネタの段階では面白いものになるかと思ってたのが、いざ書き上げてみると、大した面白くなかったり。
兎角、非才で不器用でボンクラな私めとしましては、自分で自分を呪い殺すか、首でも括ってしまいたくなる。
そうした気分に、日々苛まれながらでも、ひたすらカクカクカクカク。
そんなことを始めたのは、自分のMusu Boreというバンドのサイトを立ち上げる以前からずっとである。まだ、20代の後半だっただろうか。
とりあえず、日々達成できる位の小さな目標を立て、それに向けて、日々の出来事だの、音楽についての想いだの、出会ったバンドの楽曲の感想などを、つらつらつらつらと、徒然草ならぬ、路傍のペンペン草の様に書き連ね始めた訳である。
とにかくカクカク。何でもいいからカクカク。
残念なことに2004年~2009年位の5年分の成果は、自家サーバーの上の自分のサイトで書いていた時に、自家サーバーがロシアと韓国からの猛攻撃をくらったことで喪失した。
友人と必死こいて作った自家サーバーだった。あれほどのブルートフォースアタックを食らってびくともしなかったのに、さすがにハードディスクが物理的な損傷を受ける位、日々、どっかから何かが飛んでくるようでは、どうにも防ぎようがない。まるでシブヤン海の藻屑と化す戦艦武蔵の様に、あっけなく轟沈した。
その戦艦とともに失われた5年分ほどの文書は、当然、戻ってこない。
あんなもん、誰が読んでいたかは知らないが。でも、あれにはあれで、The Cureの海外のコンピレーションアルバムに参加した時の思い出や、その音源を仕上げた途端、友人に拉致されて、深夜に一睡もせず郡上八幡に行った挙句、そこで合流した関西の人たちから「山形の芋煮を食ってみたい」と言われ、「こんな所に、山形の芋だのある訳がないだろう!」と思いながらも、冷凍の里芋を使って、それっぽく「雰囲気だけ出してみた」ものを作って、大絶賛された話、などを、大分コンパクト、かつ、多少盛る程度に面白おかしく書いたものなど、山の様に書き込んでいた訳で。
つーて、今更、あの内容を思い出して、それっぽく書いても、あれほど面白いものになるかというと疑問の余地がある。やはり旬のネタは旬の時に美味しくいただくのがよろしい、というのを確認しただけの事であったが。
時期外れの、それも里芋の質が全然違う芋で、芋煮を作った話から、2度も教訓を得るとは思わなんだ。
ああ、カクモ、人生とはミョウチキリンなものである、と、安吾の如き意味不明なカナ言葉かよ、あんたは、みたいな奇天烈な文言を、ガメツクタメススガメツ。くだらないと分かっていても差し込まずにはいられない。
流石に自家サーバーに懲りたので、Amebaブログに移行し、僕は10代の頃から、相も変わらず消えない光を探していた。
大体、高校生の頃から、学級日誌の教師とのやりとりで、くだらないエッセイ風に書いていたら「青春のバカ」とコメントに書かれる始末。年季と覚悟というものが違うのである。
なので、20代の前半には「現実はロクに喋れもしないコミュ障なのに、何でこんな理路整然とした文章が書けるんだ???」と、人生の紆余曲折で関わったピアノ教室の方々からも不思議がられる始末。
いや、そりゃ、高校生の頃から、ひたすら練習してるから、とは言わなかったが。
だけど、僕にはギターがない~♪ 君に聞かせる腕も無い~♪
何せ、スタジオどころか、バイトした所で楽器など買えない田舎に生まれた僕。はー、楽器屋ねぇ!スタジオねぇ!ライブハウスも何にもねぇ!
ナイナイナイ、金がない、ナイナイナイ、才能ない、ナイナイナイ尽くしの人生だったけど、紙と鉛筆さえあれば、人生の暇は埋め尽くせることに気づいた17歳の僕だった。お前はどんだけ人様の歌詞を踏み台に、ハイブローなネタを紡ぐ。
ギター弾く役には立たんが、ボーカルの歌詞書くのの練習にもなるなぁ、と思いながら、実に40年近い駄文を垂れ流してきただけなのですけどさ。
僕は、生まれながらに終わってたよね。
ライブハウスに高校生の頃から出入りできるような、イイとこに住んでるお坊ちゃん相手に、どうにもなんないのも分かってたので。
君の僕の気持ちは分からない。僕も君の気持ちなど分かりたくない。
あの頃からずっと、この歌だけがたった一つの僕の味方だった。
ほら、ピッタリと2000文字。
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