あんたがたの事務の話

前置き

こんにちは。2020年7月以来、2022年8月のgo煎までで7回GMをやっているRenと申します。なんて、これを読みに来るようなかたには自己紹介するまでもない気がしますが一応。

さて、私はそのほぼ全ての煎で、もちろん作問をさせていただいたこともあるのですが、それよりも主に事務をしております。特にLite煎とgo煎では、Twitterの公式アカウント運用を除けば9割近くを1人で担当していたと思います。

このnoteでは、あんたがたの事務がどういうものなのかを、個人的偏見たっぷりでお送りしようと思います。これを読めばあなたもあんたがたの事務ができる! ……かもしれませんが、正解が1つではないし、ルール化されていて厳守しなければならないというものでもないことは先に明言しておきますね。

そもそもあんたがたがVIPPERで行われていた頃は事務専任なんて必要なかったわけでして。跡地を流し読んだ程度なので正確ではないかもしれませんが……。
Twitterに移行して匿名性が薄れ、謎クラの一部が好んで乗り入れたところ、難易度や規模感がインフレしたり、ヤバい問題を作った人がヤバいみたいな話が出てきたり、甜菜を取ったこと取れなかったことに一喜一憂したり、時代の変化でコンプライアンスに引っかかってきたりして、その中で事務作業の必要性と有用性が出てきたと認識しています。
そこで、ある程度事務をパッケージ化することで事務作業がやりやすくなるんではないか、その結果あんたがたをやりたいという人が増えてくれるのではないか、この記事はそういった意図を持って執筆しています。

けれど、あんたがたは自由。ここだいじです。

サブカルにおいて、決まりきった枠を作ってしまったものは面白くなくなるのが道理です。
あくまで、私がこの2年ちょっとの間あんたがたの事務をどんなふうにやってきたかという、いわば例示だと思っていただければ幸いです。
先人様に多大なる感謝と敬意を表して、次から本文に移ります。

あんたがたの事務とは

まず、あんたがたの事務とはどの範囲を指すのか。私は次のように定義しています。

メイン、作問、デバッグ、システム、デザインを除く全ての雑務

GM未経験のかたには、これらと公式アカウント運用以外に何をやっているの? と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
そんなわけで、現在こんなものを作っていたりします。

あんたがた汎用事務マニュアル

週末煎の準備の頃から一部には公開しているのですが、なかなか書き進まず申し訳ないです。
とりあえずこれの「事務書き出し」シートをご参照ください。全部を1人でやってたわけではないですが、私が何を考えながらどんなことをしてきたかは大体おわかりいただけるかと思います。想像より多かったですか?

まぁここまで全部考える必要は、非営利の同人活動なので無いといえば無いんですけど、私がGMとして事務担当に入るときには全部考えます。そこには軸が3つあります。

・メインの意向を汲む
どんな煎にしたいかというのは、メインの意向がすべてです。(むしろ、こんな煎が作りたいという願望や構想がある人は、メインになって煎を立てるべきだと思います)
たとえば私個人は、誰かの作問が〆切を多少オーバーしようが問題のクオリティが上がって面白くなるならギリギリまで調整をかけたいタイプの人間ですが、メインが一定の期日でスパっと切る方針ならばそちらに合わせます。
また、メインが自分でやりたい範囲の事務は、メインの最大の仕事である「方針決定の判断」を行うリソースに影響しないならばメインに任せます。
もちろんメインに対して意見は言います。その上で判断には従う、なんなら先読みして準備しておくくらいの気持ちで動いています。ここでメインの意向を無視してしまうならば事務には向いてないです。それは次の項目に関係します。

・GMが事務以外のことに集中できる環境を整える
作問、デバッグ、システム、デザイン、どれも素晴らしいアイデアや才能や技術を持ったGMがたくさんいらっしゃって、私では作れないものを作り上げることができるわけです。そんなGMの皆さんが、その実力を存分に発揮していただくための環境整備が重要だと考えています。どこのチャンネルに上げていいのかわからない、これをやって世間に怒られないか、アイデアはあるんだけど実装するには力不足なので手伝ってほしいが誰に頼めばいいのか等の、そういうちょっとした、石ころをどけたり、橋をかけたり、情報収集をしたり、外部とのやり取りをしたり、つまり「誰でもできるけれども、誰かがやってくれていたらリソース的に助かること」を、できるだけ先回りしつつスピード感を持って物量をこなす、これが事務の真髄だと思っています。
「あの問題がすごかった! 作った○○さんはすごい!」みたいなものの影に隠れる地味なことなのですが、これが煎全体のクオリティを爆上げするという自負があります。
才能や技術のあるかたに、そこに集中してもらえるバッファを作るということです。人間である以上リソースには限界があり、イベント開催のためには〆切が存在します。しかもあんたがたGMは“遊び”です。ならば、作問もデバッグもシステムもデザインもできなくても、できることはありますよね。その場所が事務担当の、つまり今の私の主な立ち位置です。

・あんたがた側が煎を円滑に楽しむことができるように気を配る
上記のGMに対する配慮をあんたがた側に向けたものがこれです。
あんたがた側から見れば、GM側で何が起こってようが、出てきたものがすべてです。逆に言えば、GM側で何かしらのトラブルがあったとしても外に出なければいいので出すな、という姿勢です。もちろんGM側でのトラブルは煎の遂行に影響しかねないので、そうならないように努めたいところではあります。
また、意図せずあんたがた側に違法行為をさせないという観点もあります。著作権や肖像権の侵害がわかりやすいかと思います。
これらのために、あらゆるトラブルを想定し、可能な限りリスクを下げるように心がけています。
実際にgo煎ではデバッグ班がスーパー優秀だったことと相まって、煎中にヒント(とそのおふざけ)以外に公式アナウンスが一度も無いという実績を達成しました。これって目立たないけどすごいことなんですよ。あんたがたGMに限らず、何らかのイベント進行の経験があるかたにはおわかりいただけるのではないでしょうか。

同時に、これはとても個人的な信条なのですが、万が一、訴訟レベルのトラブルが起こったときに年長者として矢面に立って金銭的責任を取るくらいの気持ちで臨めないのなら、若い人たち(特に学生)の間に入っていってはいけないと思っています。ただし、これを当てにされるのは非常に不本意です。私がトラブルを想定してリスク低減のために行動するのは、私自身のリスク管理にも必要なことなんです。当てにしてくるような人はそもそもリスク管理意識が低いので、私の側のリスクが上がりすぎるということですね。話が少し脱線してしまいましたが、大事なことなのでここに明記させてください。

まぁ、こういうことばっかりしていると、各進捗の督促や解説校正時の指摘なども相まって、基本的に嫌われ役になりますね。元よりそのつもりです。最初にGMになったatgm2020のときに、誰かがやらないといけなさそう、ならばおそらくこの界隈に一番繋がりが薄く、年齢層の離れているであろう自分がやるべきだと思って、気がついたらやってました。その結果、煎全体のクオリティが上がるので、もしかしたら誰かに嫌われたりもしながら一部に受け入れられて、謎制作者でもないのにこうやってGMを続けさせてもらえてるんだろうなぁと。自ら応募したのは最初のatgmだけだったりします。ありがたい話です。

さて、ここまで私が事務をするときの心得や手法を書いてきましたが、全部を1人でやってきたわけではありません。
2021年末煎などの大規模煎においては、1人でこなすのは不可能に近い事務量になりますので、複数人に振り分けます。その場合は1人頭の作業量は減りますが、全体量と残務量を把握しておく必要が生じ、誰が何をどこまでやるか/やったかなどをお互いに報告しあうという作業が加わります。
また、公式アカウント運用を1人で行うのは、体調不良や仕事や家族の用事など、急な予定変更が入ることなんて人間ならいくらでも有り得ますので、リスク管理上避けるべきだと思います。アカウント運用に限らず、1人で抱え込んで残タスクが共有されていないというのは大きなリスクなので、常に進捗報告はしておいたほうがいいですね。
文章だって、全部を1人で書いて1人で決定しているわけではありません。雛形を書いてもらって校正することのほうが多かったりもします。

それと、初心者GMへのFAQ、著作権の話、ネプリの仕様、ガムテ指南のあたりはどの煎でも共通することが多いので、そういうものこそ汎用マニュアルに書いて共有財産にしておけばラクだと思うんですよね。すいません体調と相談しながら書きます。暫定として、過去煎のdiscord鯖に私が載せたそれらは、あんたがたのGMとして使用する限りにおいて、ご自由にお持ちくださいね。
マニュアルと一緒にdiscord用汎用絵文字セットもほしいなぁって思ってたりもします。このあたりは、過去に一緒にGMをやったかたのご協力を仰ぎながら、少しずつ整備していきたいです。


最後に

事務スタッフを募集してよろしいでしょうか笑
現在の私の体調的に事務を1人でやるのはだいぶ大変ですし、ここまで書いてきたとおり、どんな作業でも1人でやるというのはリスクが大きいんですよ。もし私と似たような志を持っている若い人がいらっしゃいましたら、ためしに一緒にあんたがた事務、やってみませんか。私、教えるのド下手ですけど。だからこそマニュアルという形で文章にしたためているんですね。
あんたがたが長く続いていくために、私ができることはそれくらいなんだろうなぁと思います。

最後までお読みいただいてありがとうございました。


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