北九州記念 馬券予想


展開予想・買い目

<レースの講評>
ローカル短距離重賞は基本荒れる傾向にあり、ペースがどうなるかは走ってみないと分からない。今回も一見逃げ馬、先行馬が多く前が速くなって差し展開になりそうなイメージがあるが、馬場次第では前目で決着し後続は魅せ場なしということも大いにあり得る。推測段階では、少なくともM以上のペースにはなりそうなので、馬券としては先行出来る実績馬と差しに展開が向いた時に活躍できそうな穴馬を混ぜた馬券を買いたいと考える。

<展開予想>
逃げは恐らく「スティクス」か「ジャスパークローネ」と想定し、番手に「モズメイメイ」や「ママコチャ」を始めとした先行勢が集まる。頭数が多いがコーナーまでの距離が長いため隊列は脚質と概ね枠順に従ったものになると予想できる。想定する2頭のいずれかがハナを切ってもペースはM程で進むだろうが、コーナー付近で先行勢が前を捕らえにかかる動きが増し、場合によってはそこでペースが上がり前が崩れる可能性が考えられる。そうなった場合、後方で待機している「トゥラヴェスーラ」や「スマートリアン」に好機が生じると予想できる。またペースが変わらない場合は先行の有力馬を始めとして前目で決まることになりそう。いずれにしてもコーナーをきっかけとして位置取りを上げていく積極性が着順を大きく変えそうな展開になると予想する。

<印と一言>
◎:ママコチャ 総合的な能力は高い。1200mも対応できそう。
〇:スティクス 馬場と展開を味方に出来れば。自分の競馬を。
▲:モズメイメイ スタート次第。ポテンシャルを評価。
△:トゥラヴェスーラ 差し展開なら1発あり。実力は十分。
☆1:ストーンリッジ 最内でロスない競馬が出来れば。
☆2:サンキューユウガ 前目で粘れるか。馬場を活かして。
☆3:ロードベイリーフ 前崩れなら出番はあるかも。
☆4:スマートリアン コーナーの動き方次第では勝機もあり。

<買い目>
三連複F(フォーメーション)
◎〇ー◎〇▲△ー▲△☆ (24点)
ワイドF
◎〇ー△☆(1,3,4) (8点)

※来たら仕方ないと割り切る枠
ロンドンプラン:久々の競馬で以前の走りが出来るか疑問。
ジャスパークローネ:斤量増+同型多数では厳しいか

出走馬講評

1.ストーンリッジ
前走はスタートが少し遅れて控える形の競馬になったが、外を回して直線で末脚を使い届かずの3着という結果に。基本的にはスタートの出は良い方ですんなりと先行出来ることが多いタイプ。ただ揉まれることを嫌うので、その点で言えば外へ出しづらい最内はやや不利に思える。先行すれば馬群に入らざるを得ないだろうし、外を回すために控えれば位置取りがかなり後方になってしまい、決め手に欠ける本馬では届かないという展開になりそう。右回りのコースでは成績が大崩れしていない点は評価できるので、あとは展開次第といったところ。先行で前目の競馬が出来ればこの枠ならチャンスが生まれると思うので、一応抑えときたい。

2.ボンボヤージ
前走の高松宮記念ではG1のタフなペースに十分追走できず、何もないまま後方で18着と殿負けに。その後はダメージを回復するために5か月ほど休養し、去年勝ったこのレースで復帰。去年は斤量51kgとハンデを貰って最内でロスの無い競馬を行い、更に有力馬のナムラクレアがしくじったという要素が重なり、本馬の有利な展開になった結果勝つことが出来た。ただ今年は斤量54kgと他馬と謙遜ないはハンデでの参戦。また本馬は重賞ではどうも実力がやや劣る印象が成績から見て取れる。単距離重賞では展開1つでどの馬にも勝機が生まれる反面、連覇は相当の実力を持っていないと厳しいと考えられるので、去年のようにはいかないと個人的には判断する。

3.スティクス
前走のアイビスSDでは絶好の外枠を握るも、外枠同士で序盤に飛ばしてしまい、最終的にバテて9着という結果に。最後の勝ち星から1年以上経っており近走は中々好走のめどが立たないが、去年の同舞台であるCBC賞を考慮すれば、このハンデと枠なら久々に好走が期待できるかもしれない。前走の様に逃げ争うことなく、自分のペースで競馬を運ぶことが出来れば可能性は十分にあるはず。短距離で割と穴をあけるイメージのある鞍上が乗るのも心強い。現状穴としては人気し過ぎな気はするが、斤量差を活かして逃げ切ってもおかしくはない。

4.サンキューユウガ
前走のCBC賞は好位追走で2着という結果を残せたが、開幕週で前が止まらない馬場という、夏競馬のお手本のような競馬だった。ただ展開有利な面に加えて本馬に中京適正があることを考慮しても、前走で重賞でもやれる力はあることを証明できたのは大きい。本馬の魅力的な部分は古馬で勢いづいてきたロードカナロア産駒&母父サクラバクシンオーという単距離の黄金血統をもつところ。ローカル短距離のロードカナロア産駒の成績は軽視できないレベルなので、血統だけでも狙いたい1頭と考える。また鞍上も短距離では割と成績を残しているので、テン乗りだが期待できそう。内枠を活かして前走の様に前目で運べば十分チャンスはあるはず。買い目には入れたい。

5.エナジーグラン
前走は休養明けの参戦で、いつも通り後方で競馬を行った結果、13着とOP昇級の洗礼を受けた感じに。休養前に条件戦を3連勝するなど、本馬の充実っぷりが伺えるが、重賞で戦うには持ち時計がやや足りない印象を受ける。前走で叩いて上澄みが期待できる分、着順は前走より上がるだろうが、せめてあと1,2秒早いタイムを経験して欲しかった。斤量ハンデも特にない状態では恐らく戦う以前に今回は重賞のペースにしっかり追走できるかどうかが試されるレースになると考えられる。鞍上もまだ若手なので、鞍上と共にまずは頑張って欲しいところ。今回は見送りで。

6.リプレーザ
前走はHペースの競馬となったことが有利に働き、前崩れな分後方から末脚を使って6着と、近走では良く走った方だという印象を受ける。近走マイル戦ではさっぱりな上にこのこともあってか、未勝利振りに1200mへの参戦を今回試みた。小倉1200mの経験はあるものの、未勝利時の持ちタイムなのであまり参考にはできないが少なくともペースが流れる短距離の方が本馬には合っていると個人的には考えている。ただここでいきなり通用するかと言われたらそうでもなさそう。展開1つで馬券に絡む可能性はあるものの、データからは買い要素が見当たらないのが本音。買わずに後悔する人なら買った方がいいかもというくらいで。

7.クリノマジン
前走はスタート後位置取りの際に他馬に寄られ、やむなく位置取りを下げる不利があってか、後は後方のまま14着という結果に。OP昇級後の2戦とも2桁着順であり、まだ十分に戦うには経験が必要そうだが、同舞台の持ち時計は1.071とそれなりに優秀な点は評価できる。またハナ、クビ差が多く過去の2桁着順も数字の割にはそこまで先頭と離されていないので、展開次第では1発あってもいいかもしれない。鞍上は重賞初挑戦の新人ジョッキーだが、パワーがあり追える騎手なので、本馬との相性もよさそう。人気も上がる要素はそこまでないので、展開1つで激走してもおかしくない大穴として買ってみるのはありかもしれない。

8.レジェーロ
前走のアイビスSDでは大外という絶好枠を貰うも、最後の決め手に欠けてしまい5着という結果に。成績を見ると、新潟1000mという直線の舞台では本馬なりに割と好走しているが、1200mの通常の短距離戦では2桁着順常習という、適性がはっきりしているように思われる。稀に1200mでも大穴を開けた経験があるが、そのパターンもわかりにくい。ローカルの短距離重賞も何度か参戦しているが、好走した試しがなく、いつも終いで差されているので純粋に重賞では実力不足なのだと考えられる。6歳とそろそろ繁殖も考えられる時期なのであまり上澄みも見込めないので、正直本馬に余程の思い入れがない限り買えないのが本音。強いて魅力を挙げるなら今回は去年より1kg軽い斤量で挑めることだが、流石にそれ以前な問題な気がする。直線に出たらその時は狙いたい。

9.ママコチャ
前走の安土城Sでは好スタート後前目に構え、道中少しかかりながらも競馬を行い、直線で弾けて後続に3馬身つけて勝つという強い競馬を魅せた。1200mは今回で初挑戦であり、スピードに対応できるかが鍵とされるが、1400mでかかる気配を見せている以上、距離は短い方がリズムよく走ることが出来るかもしれないので、意外と1200mでも活躍しそうな気はする。ただ重賞の連対実績もないのに斤量55.5kgはかなり見込まれたように感じる。初の1200mで、しかも初の55.5kgはかなり厳しい展開になると考えられる。馬格はあるので、斤量負けはしないかもしれないが、最後の末脚が鈍る要因になるのは間違いない。ポテンシャルは見込んでいるが、斤量を考慮して案外という可能性も踏まえ、紐までという判断が妥当だろう。

10.ロードベイリーフ
前走のアイビスSDでは比較的不利と思われていた内枠からのスタートでも、上手く外側へ誘導し、前が崩れたのを狙って3着に食い込むという鞍上の好判断が光ったレースだった。スタートはあまり器用じゃないので、基本は後ろからの競馬になりやすく、そのため成績は安定しないが展開がはまった時はしっかり走ってくれるタイプの様に思える。そのため今回も差しにチャンスが生まれるような展開が来ることを前提とするが、その際にしっかり追うことができる騎手との相性はよさそう。その観点からすると、今回の鞍上はピンキリタイプなので穴馬としては割と魅力的である。一応以前に騎乗しておりその際は7着だったが、直線鞭を使わず軽く流しての結果であり、また先頭ともそこまで差がない競馬だったので、本気の追いなら結果は変わってくるはず。小倉の持ち時計も上々で、斤量を考えても前走に続きここも狙い目と考える。穴馬として指名したい。

11.トゥラヴェスーラ
前走のCBC賞では中段で構え、直線で追い上げようとするも、前が止まらず斤量も響いてか届かずの4着となった。今年8歳と競走馬としては上澄みのない状態だが、それでも今年の高松宮記念で3着に食い込むなど、最早素のポテンシャルだけで長く短距離路線で活躍している点は流石という感想。その分今回も58kgとトップハンデを背負わされているが、相手関係を考慮すると前走よりもそこまでハンデにはならないのではという印象を受ける。実績ならメンバー随一なので、衰えは止まらないが実力だけで好走できてもおかしくない状況なので、比較的買いやすいと思う。毎度微妙に穴人気して結局来ないことが多いが、それでも今回も買っちゃうのがこの馬の魅力。

12.テイエムスパーダ
前走のCBC賞で前目で運ぶも直線では既にバテてしまい、抜かされての8着。昨年の驚異的なレコードを出したCBC賞以降、すっかり勝てなくなって好走する気配があまり見えないのが現状。牝馬特有の気持ちがきれてしまいスランプが続いていることに加え、古馬になって斤量を背負って以降、勝負以前に着いていくことに一杯になっている印象があるので、そもそも現状の実力では重賞のペースに本馬が楽に追走できていない可能性が高い。好走の兆しが見えない以上あまり買いたいとも思えない。何かきっかけ1つでも掴めれば。

13.デュガ
前走はゲートが開いた際に引っ掛かり後方からの競馬となったが、最内で脚をため、馬場の悪い内側を走ったにも関わらず突き抜けて勝利。半年の休養を挟んで2連勝しているのを見ると本馬の成長が結果に結びついているように思え、実際、休養前よりも走破タイムも秒単位で上がっている。しかしそれでも持ち時計が重賞で戦うには遅いのが気になるところ。本重賞は良馬場開催なら1:06秒台の決着になることが多く、そうなると本馬はまず前走より4秒も早い走りが求められるが、この変化への対応は急には難しい容認感じられる。またスタートが不器用な以上、外枠というのもよろしくなくてゲートの瞬間から勝負が終わる可能性も否めない。前走を見てもポテンシャルを秘めている可能性はあるので、今後も活躍できるかもしれないが今回は実力が通用するか否かの試金石といった認識が必要だと考える。不安要素の多さからも危険な人気馬として指名したい。

14.ロンドンプラン
昨年の小倉2歳Sで最後方からとんでもない末脚で抜きさったという見ごたえのあるレースを魅せた本馬は、その後の1400m戦で距離に泣き、更に骨折してしまうという不幸に。そしてようやく今回の舞台で復帰という形に。ポテンシャルはあるが、いきなり古馬重賞のペースに追走できるかというのが最大の懸念。調教師曰く「
脚の問題は改善されて大きく成長もした」らしく、調教も1週間前にしっかり動けてはいるが、実践で対応できるかは走ってみないと分からない。所謂レースの経験値という面で実力通りに走れるかという点に疑問が残る。本馬に関しては揉まれずに運べそうな外枠は合うと思うが、以前の末脚が怪我の影響を受けている可能性は否めない。走ってみないと分からないが、人気するなら思い切って切りたい。来たら仕方ない。

15.ジャスパークローネ
前走のCBC賞ではハナをとって自分のペースで運び、開幕週の馬場にも助けられたが、後続の追随を許さない勝ち方を見せた。元々ハナをとって自分のペースで運べば安定した走りを出来るの強みであり、2走前もゲートで煽ってしまい出遅れて、ハナを取るのに脚を使った結果なので敗因も明確である。今回は斤量が増えて同型の脚質も多いので、控える可能性も考えられるためその際に本馬なりに気持ちよく走れるかが課題となる。同型が多い以上、共倒れも十分考えられるので、斤量が増えた今回は仮に逃げても楽ではなさそうと推測し、悩ましい1頭だが人気もしそうなので、強気に切ってみたい1頭と見る。

16.スマートリアン
前走は-10kgと馬帯を絞り、十分に仕上げた結果、好位からの差し切り勝ちをこなした。去年のCBC賞の様に、前が速くなり差しがきく展開になればチャンスはある。なにより小倉の持ち時計が優秀であり、パンパンの良馬場でタイムが速くなるなら本馬の特異な展開に持ち込める可能性は十分にあるはず。前走の仕上げが良かったため反動が気になるが、人気しないなら展開待ち上等で穴馬として抑えたいところ。

17.シゲルピンクルビー
前走は番手で進めるも直線で後続に差されて8着という結果に。その後は半年の休養を経ての参戦。近走の重賞戦線では、洋芝が合わなかったり、ゲートで煽って勝負にならなかったりと今一つ好走のパターンとかみ合わないレースが続いている。タフな馬場よりは今回のようなパンパンな良馬場の方が走りやすいとは思うが、小倉の持ち時計は少し物足りないので、何処までやれるかといった印象。また枠の並びもあまり良いものとはいえず、序盤の位置取り争いで苦労しそうな点もあまり喜ばしくない。総合的に考えて今回もあまり好走できるパターンには向いておらず、展開面で何かしらの有利面が必要だと考える。

18.モズメイメイ
前走の葵Sでは神タイミングでゲートが開いた結果、凄まじいダッシュスタートを切り、そのまま押し切りで勝利。正直実力というよりスタートの恩恵で買った面が大きいので、前走の走りはあまり鵜呑みには出来ない。ただスタートの出はいいので、前走ほどではなくとも好発進は期待できそう。問題は大外なので逃げるか否かだが、調教師は今回控える競馬をさせたいらしいので、大外というのもあり2~3番手からの競馬が濃厚になりそう。逃げなくてもある程度の脚は使えるが、逃げた方が実績もあるのは事実であるのでそれがどう影響するかが肝。持ち時計をみても早いペースでも対応できそうなので、ポテンシャルの高さを考慮してここは一応買い目には入れておきたい。


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